Shinya Nagai

データアナリスト兼、ちょっとソフトウェアエンジニア。 データ分析、機械学習を使って顧客の価値と企業の収益を生み出す方法について考え、発信しています。

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最近の記事

仮説を検証する系の分析では、まず"定性的"に課題を定義した方がいい

データを使って特定の仮説を検証するような分析を行う機会は多い。 このような分析では、実際にデータの収集をしはじめる前に「検証したい仮説とその後のアクション」を定性的に整理しておいた方がいい。 凄くざっくりしているが「〇〇なカスタマーは、××なUXを感じているかも知れない。そうだとしたら△△すべきだ」と、言った感じで、対象と検証したいUXと検証できた場合に行うアクションを定性的に整理してから分析に入るだけでも大分良い。 そうしないと「せっかく仮説の裏付けができたのに特に意

    • 複数のカスタマーの行動を比較する事で伸びしろが見つかるかも知れない

      ファネル分析にせよパレート分析にせよ現在の規模はデータの集計で分かったとしても、将来の伸びしろは単純な集計からは分からない。 しかし、将来に向けてどの分野にリソースを投じるか検討するためには伸びしろがどこにあるのかを知りたい。 そこで、なんとかして伸びしろがある部分をデータから見つけられないかと言うのが私の最近考えているテーマだ。 最近、一つアイディアを思いついたので共有してみる。 さて、例えばECサイトのアプリで商品を探す導線として以下の3種があったとしよう。 ・

      • データ分析で、「リソースを投じなくて良い場所」を探す

        ・企業が持つリソースは常に限られている。 ・しかし、リソースを投じて改善したい領域は無数にある。 ・そこで、リソースを投じて改善を行う効果が最も高い領域にリソースを投じるような意思決定をしたい。 この時、データ分析によって「どの領域に最も伸びしろがあるのか?」を分析できれば良いのだが、単純な分析からは「現在の規模」は分かっても「伸びしろ」は分からない。 これが前回の記事で説明した"難問"だった。 「リソースを投じた場合、どれくらい伸びるのか?」と言うデータは現時点には存

        • データ分析における"難問"― 現在の規模ではなく伸びしろが知りたい

          前回、前々回に引き続き私が考える「ビジネスにおけるデータ分析の難問」を紹介していきたい。 ※前回と前々回の記事へのリンクは最下部にあります。 さて、今回は「現在の規模ではなく伸びしろが知りたい」という問題について紹介していきたい。 例えば、あなたが何らかのBtoCサービスをWebやスマートフォン上で展開していたとしよう。そのサービスには100種類くらいの商品群があり、それぞれに売上の規模が違うものとしよう。 何か具体的な例があった方が想像がつきやすいので、仮に出前専門

        • 仮説を検証する系の分析では、まず"定性的"に課題を定義した方がいい

        • 複数のカスタマーの行動を比較する事で伸びしろが見つかるかも知れない

        • データ分析で、「リソースを投じなくて良い場所」を探す

        • データ分析における"難問"― 現在の規模ではなく伸びしろが知りたい

          データ分析における”難問”② ー カスタマーがサービスと接触する前後が知りたい

          前回の続き: さて、順番が前後するが、今日は「カスタマーがサービスと接触する前後について知りたい」という問題について説明したい。 [現状] 既存のカスタマーについてはデータ分析が行える例えば、スマホアプリやWebをタッチポイントとするようなサービスを考えた時、既存のカスターがサービスをどう使っているかという情報については様々な分析を行う事ができる。 例えば、 そのサービスが目指しているUXがあるとして、 ・目指しているUXを体感できているカスタマーがどのくらい居るのか

          データ分析における”難問”② ー カスタマーがサービスと接触する前後が知りたい

          データ分析における"難問"―その①

          ビジネスの現場でデータ分析を使って意思決定を支援するような活動にとって、どうしても簡単には解けない難しい問題というのがいくつかあると思う。 私は、今のところ以下の3つを難問だと考えている。 1. 相関ではなく因果が知りたい。 2. 現在の規模ではなく、伸びしろが知りたい。 3. カスタマーがサービスと接触する前後について知りたい。 今日はそのような難問について説明したい。もしかしたら私が悩んでいるだけで世の中には既に確立した手法があるのかも知れないので、もし解き方を

          データ分析における"難問"―その①

          A/B testの落とし穴①

          もし、あなたがある日、あるトレーニングジムで筋トレをしていた人達を、ランダムにA群とB群に割り当てて、A/B testをしたとします。 A群にはプロテインを毎日無料で配り、 B群には何もしなかったとします。 様々なバイアスが入らないように慎重にtestを実施した結果、3ヶ月後に、A群はB群と比較して10%も筋肉量が多くなっていた結果が得られたとします。 プロテインの無料配布には筋肉量を3ヶ月で10%増加させる効果があった。と、言えることが出来そうです。 さて、ここで問

          A/B testの落とし穴①

          ユーザーの時間軸にそってKPIを立てると発想しやすい

          この記事のテーマ今日は以下の話をしたいと思います。 ・大きな問題を分割する事で解きやすくなる。 ・良くある分割方法として「売り上げ = 人数 * 単価」といった分割がある。 ・その他に使える分割方法として「ユーザーの時間軸にそってUX上のマイルストーンで問題を分割していく」という軸が使える。 [動機] 大きな問題を分割したいKPIの設定方法によく使われる方法として、以下のようにKGIを掛け算で分解する手法があります。 売り上げ = 客人数 * 客単価 お客さんの「人数

          ユーザーの時間軸にそってKPIを立てると発想しやすい

          UXを測りたい時によくやる3ステップ

          どんなサービスでもUXは重要です。 例えば、ゲームが「面白かった」とか、ECで「便利に買い物ができた」とか、あるいはインターネット以外でも、例えば飲食店で「おいしかった」というUXを感じられる事などなど、サービスにとってUXが決定的に重要である場合は多いと思います。 データ分析でUXの改善を支援したいUXは重要なので、サービスの運用を行っている会社はこれを改善するために様々な施策を打つ事でしょう。 そのような施策を効果的に実行するためには、現状を把握したり、施策の効果を

          UXを測りたい時によくやる3ステップ

          データ分析: 理解されてはじめて価値が出る仕事

          この記事のテーマ今日は、「企業内のデータ分析者にとってのコミュニケーションの重要性」について話したいと思う。特に「データ分析者は自身のアウトプットを他者に理解してもらう事が重要だ」「むしろ理解されてはじめて価値が出る仕事だ」という話しをしたい。 データ分析とは?企業内におけるデータの活用方法には様々なものがあるが、大きなくくりとして「データによる発見や検証を通じて、企業内の意思決定・判断を支援していく」という活動があるだろう。 具体的には、「データを分析して判明した結果を

          データ分析: 理解されてはじめて価値が出る仕事