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ネーミングで受け取り方が変わる。「脳体力」で世界が変わったこの1年間

商品やサービスを展開するうえで、ネーミングって大切だなと実感したのがこの1年間でした。ネーミングの力は想像以上に大きいので、良い商品だけど伸び悩んでいるという際にはネーミングが突破口になる可能性もあるのでぜひ試してみてくださいね。


脳体力トレーナーCogEvo以前のはなし

もともと「脳体力トレーナーCogEvo」は「脳活バランサーCogEvo」という名称でした。ただ「脳活バランサー」という言葉自体は装飾語的な役割で、ほとんどのお客様(社内も)は「CogEvo(コグエボ)」という呼称でした。

そしてコンセプトが「認知機能の見える化」であったため、営業トークにおいても、「認知機能」という言葉が多く出てきており、導入いただいた介護施設や自治体においてもやはり「認知機能」という言葉を最終顧客(介護施設の利用者や自治体の住民)に対しても使われていました。

そうすると下記の記事にも書いた通り「認知機能」=「認知症」と捉えられてしまい、介護施設や自治体においてなかなかやっていただけないという課題が生まれていました。

認知症に対するイメージや恐怖は相当のものがあり、「こわい」「馬鹿にするな」「嫌だ」という声が現場では多く聞かれています。

様々なアプローチのなかでネーミング変更を選んだわけ

このような声を我々も無視していたわけではなく、様々なツールや説明トークを作ってみるなど、工夫を重ねました。しかし想像していただくとわかるのですが、どうしても言い訳のようになってしまうのです。

当たり前ですが、事前に「認知機能」と伝えることで相手の頭の中に「認知症」がある状態で、「大丈夫、○○だから!」と言ってもそれは響かないですよね。辛いものが苦手な方に対して、「激辛ラーメンって書いてあるけど、これはうまみが強いから」と言ったところで、激辛と書いてあるやんけ。となってしまうのと一緒です。

そんな繰り返しの中で、違うイメージで且つ受け入れられやすい言葉を作ればよいのではないかという話になり、キーワードづくりに入ったのです。

その作成過程については伏せさせていただきますが、このような過程の中で「脳体力」という言葉が生まれ、登録商標とすることになりました。

体力はだれにでもイメージが付くワードで、健康で活力ある生活を維持するためには「体力測定・体力チェック」をしたり「体力トレーニング」するのが当たり前のイメージがあります。つまり健康維持に対して聞きなじみのある言葉でした。

その「体力」というワードが持つイメージがあったうえで、「脳の体力」である「脳体力」というのワードが活きてきます。あくまでも健康のイメージがあるため嫌悪感を抱きづらいです。

また介護施設や自治体の現場で活用する際にも、「体力測定・体力チェック」というのは当たり前に行われているので、「体力・脳体力チェック」とすれば違和感なく受け入れていただけます。

さらに「体力測定」では、弱っている力があれば将来の困りごとと同時にどうすればよいかというアドバイスがあります。同じことが脳体力トレーナーCogEvoでは行えるのでとても相性が良いものだったんです。

ネーミングを変更したことで生まれた新しい世界

「脳体力」という言葉は、自治体の方々から特に好評でした。認知機能はゼロ次予防の概念からしても絶対に見ていったほうがよい指標です。しかしこれが今までは拒否をされていました。しかし「脳体力」であれば既存の活動に入れ、さらに楽しく行え、前向きな結果が出て、さらにその後どうすればよいか(介護予防教室など)まで一連で繋げられるということで、自治体の方々の口コミで問い合わせをいただけるようにもなり、今では50を超える自治体において導入をいただいています。

下記の記事を見ていただくと「脳体力」を前面に出したのぼりを出してとても楽しそうに行われている様子を感じていただけると思います。

そして「体力」は様々な分野で使われる言葉でもあるので、「脳体力」という言葉に変えてからは高齢分野以外の企業の方からも一緒にやろうという声を多くいただけるようになってきました。

2023年は「脳体力」という言葉を拡げていく年だったとすると、2024年は「脳体力」を活用していく年になりそうな予感がしています。

今月には一般社団法人脳体力振興協会も立ち上がります。今後このキーワードがどのように広まっていくのか、またそれに対する我々の取り組みなどもご紹介していきたいと思います。

ネーミングは受け手の解釈を変える力がある

このように我々は「脳体力」という言葉で大きく世界が変わってきています。それだけネーミングを変えると受け手の解釈を変えるのだと感じていますし、恐ろしいものでもあると思います。
何気なしにつけたネーミングが、自分たちが想像していなかった先に誘導しているなんてことも起きえます。

ぜひ皆さんの関わっているサービスや商品のネーミングがどんな解釈を与えるのか考えてみてください。また巷にあふれるサービスに対してもネーミングが与える印象があっているのかどうか、はたまた合っていないようであればどんな言葉が適切なのかを探る訓練をしてみると面白いかもしれませんね。

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