見出し画像

認知機能はだれのもの?

なんとか2日連続投稿成功!よい新年の滑り出しとなりました。
今回は「認知機能って誰が使うの?」ということをまとめて書いていきます。


認知症=認知機能?

さて昨年は
「認知機能の見える化」
ということで高齢者を顧客や対象とする業種業態に対して様々なセミナーをしてきました。

その中でよくある誤解が
認知症=認知機能
というもの。

この認識はビックリするくらい人によって違ってきます。
マーケティング系の方からすれば、人々に「認知される」という使い方で、知らしめる、認識させるという意味合いで使用をしますし、リハビリ職の方からすれば「認知機能」ということで精神領域の用語として理解をします。そして高齢者領域ではどうかというと、上記の「認知症=認知機能」という連想ゲーム的認識になっているケースを多く見ます。

というのも2004年に厚生労働省が「痴呆(ちほう)」を「認知症」と名称変更をしたことから、TVや雑誌を始めとするメディアで「認知症」が取り上げられることで頭の中でつながってしまいました。さらには専門家や業界人が一般用語として「認知」(症だけ省略)と呼ぶようになり、「あの人、認知が入っている」と使われ、そのような認識となりました。

その結果、高齢者に対する介護予防教室などでも認知機能チェックというと、「こわい」「はずかしい」「やだ」「馬鹿にするな!」などの声が上がって適切に状態把握ができなくなっている現状が生まれています。

でも英語にするとわかりやすいのですが、
認知症 → Dementia
認知機能 → cognitive function
と全く別物です。

なのでまずは「認知症=認知機能」ではないということを知っていただきたいです。

認知機能ってなに?

認知機能の定義等を正しくまとめようとすると、様々な視点等から伝えねばならないため、難しくなりすぎるため私たちの身近なところでお伝えをしていきます。(もっと詳しく知りたい方は「認知機能の見える化プロジェクト」というサイトに載っていますのでそちらをご覧ください。)

まずはこちらのスライド画像をご覧ください。

五感を使って様々な情報を獲得し、そこから過去の記憶や経験から適切な行動を選択し、実際に行動や発言に移すという一連の情報処理の過程を認知機能と定義をしています。

例えば、
スポーツ分野であれば、相手の動きや場所どりを確認し(Input)→過去の経験などから相手の行動を予測し、それに適した自身のポジション取りを決め(Process)→実際にその行動を起こす(Output)

生活分野であれば、冷蔵庫の中身を確認し(Input)→自身のレパートリーや素材や調味料の味を思い浮かべ(Process)→実際に料理をする(Output)

車の運転であれば、信号や対向車、歩行者の動きを確認し(Input)→アクセル、ハンドル、ブレーキなどの挙動を決め(Process)→運転に反映をする(Output)

などのような一連の情報処理となります。

認知機能の活かしどころ

これらの例からわかる通り、誰しもが生活や仕事、スポーツなどで認知機能を活かしています。最近あるスポーツの分野で活躍をしている理学療法士の方から、最近はスポーツの中でもフィジカル(身体)の分野だけでは一流にはなれないから、認知機能分野も同時に鍛えていかなければならないという話も耳にしました。

普段から私たちの日常のパフォーマンスをアップするためには認知機能に着ものくしてみるのも面白いものです。

さらにこの認知機能というのは簡単に変動をしていきます。長期的変動を与える加齢や病気などもあれば、時間がたてば元に戻っていきやすい短期的変動を与える睡眠不足やアルコール、ストレスなどもあります。

このように認知機能がどういう状態であれば向上するのか、もしくは衰えるのかがわかれば自身の強みを発揮できる生活が見えてきます。

実際にある世界転戦をする日本代表のスポーツチームが、朝型か夜型かなどを測り、試合の前の起床時間を決めたり、バスのドライバーが運転前に行うことで前日にどんな生活(寝る時間、運動、食事など)をすれば翌日の認知機能がパフォーマンスが上がるかなどの個人に合わせた指標づくりに役立っています。

認知機能は体温計や血圧計、体重計のように身近に測るものがあれば、より自分にとって適切な生活を導き出せるそんな指標でもあるんです。

今後はどのように測るかや認知機能に影響を与えやすいもの、生活の中で日機能が影響する場面などさまざま感じることがあるので、そのあたりをもっとかみ砕きながらお伝えしていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?