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すずめの戸締まり【最近読んだ漫画感想】


前置きとして…

すでに映画は鑑賞済み、
この作品が好きで漫画も読みたくなった。
そんな私が漫画版を読んでまた感動したよという話。

以下感想の書き殴り。

映画とのちょっとした違いが面白い


映画とは変わっていた場面で特に印象強かったのは
ダイジンが「おまえ もう かなめいし」と言う所。

映画ではダイジンはもう要石じゃないと言って遠回しに伝えていた部分が、
草太さんはもう要石だと直球で突きつける部分となっていた。
話のテンポ感的にもスピード感がでてたし、
その後の草太さんの苦悩が描かれるきっかけにもなってこれはこれで面白かった!

草太さんが閉じ師のことを「ずっとかっこいいと思ってきた役目」と言っていたのが本当に良くて。

でも周りは誰も自分がやっている事を
かっこいいと言ってくれない
そんな子ども時代を過ごした草太さん。

その後すずめちゃんが
草太さんが子どもの頃欲しかった
「閉じ師のカッコいい草太さん」という言葉を
サラッと言う流れが完璧すぎる。

草太さんの閉じ師という部分を
すずめちゃんが最初に認めてくれた。

草太さんが子どもの頃から欲しかった言葉を
初めてくれた人。

草太さんの過去や心情を垣間見て


きっと草太さんは自分のことを
肯定して欲しかっただけ。

周りは哀れみとか同情しかくれなくて、
ただ自分のやっている事はかっこいいと
意義のあることだと誰かに認めて欲しかった。

自分がそんな子ども時代を過ごしたから、
だから子どもを認めてあげられる仕事をしたいと
願ったんじゃないかな。

それが叶えられる仕事が教師だった。
自分が要石だと知って、まだ葛藤していた草太さん。

すずめちゃんとの会話で、
欲しかった言葉をもらえて吹っ切れてしまった。

大切な人のために大切な人を置いていく
覚悟をしてしまった。

でもそんな彼を追いかけて
元の場所に送り返してくれたすずめちゃん。

大切な人に置いて行かれた彼女が、
今度は大切な人を繋ぎ止める事が出来た。

この関係がエモくなくて何がエモいというのか…

すずめちゃんの強さ


すずめちゃんのこの強さは、
置いて行かれた悲しみを癒してくれた
環さんや周りの人の存在からきっと出来ている。

あんなに明日が怖かったのに、
未来の自分をきっかけに明日へ歩めるようになった。

環さんと一緒なら歩めるときっと思ったんだ。

すずめちゃんと草太さんの違いは、
すずめちゃんの方が
大切な誰かとの別れを経験したかどうかだけ。

すずめちゃんはすでに経験していて、
しかも立ち直っている。

だから今度は同じ失敗をしない為に、
自分が出来る事にひたすら向かっていく。

その姿勢がきっと草太さんには救いになったのだと思う。
周りが離れていく事に周りを置いていく事に
慣れてしまっていた彼を
追いかけて繋ぎ止める人なんていなかった。

芹澤さんにその片鱗はあっただろうけど。
彼との関係はもう少しドライで
きっと気さくな感じだったと思う。

漫画で草太さんの過去と感情の動きが見れたおかげで、
ずっと分からなかった部分がようやく解けたよ…。

草太さんにとってすずめちゃんはやっぱり救いだった。
良かったね、草太さん…。

子どもにとって自分を認めてくれる、
帰れる存在は精神的支柱になる。

それがなくなる事ない事が
どれほど子どもを不安定にさせる事なのか。

すずめちゃんにとっての環さん、
草太さんにとっての祖父の存在が
支えとなっていたように。

なにはともあれ、「すずめの戸締まり」は最高な作品だ。

こんなにも強くてかっこいいすずめちゃんと
出会わせてくれてありがとう。

映画と漫画どちらもサイコーだったよ


映像原作がコミカライズされたとき、原作の流れやセリフが変わる事は良くある。

映画という動画情報を漫画という紙面情報に
収める必要があるから。

漫画だからこその表現で「すずめの戸締まり」を
体験出来て本当に良かった!

映画とはまた違った、
「すずめの戸締まり」を体験出来た。

映画はすずめちゃんの旅だったけれど、
漫画はすずめちゃんと草太さんの旅だった。

特に映画でも小説でも触れられなかった、
草太さんの感情の変化と過去が
散りばめられていたのが良かった!

漫画「すずめの戸締まり」を最後まで読めて本当に良かった。

映画のような動きや音楽がなくても、
小説の様な詳細な文字情報がなくても、
絵と言葉でこんなにも感動するのだと改めて思った。

映画でも何度も泣いたけど、
漫画で泣きながら読む事になったよ…

自分が心動かされるものって
どんなに表現が変化しようが
本質は変わらないんだなぁ。

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