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追いかけっこの話

見知らぬ人が私を追い越して走っていく。私はそれを見て、自分もその人を追いかけたい衝動に駆られる。私もサラブレッドと同じく、走る集団になりたいのかもしれない。聞いたところによると、サラブレッドはそうした本能があるらしい。それで競馬というものが成り立つ。人権と政府と倫理委員会が許すのであれば、人間でもできそうだ。少なくとも私は一枠に入れそう。ともかく私はその人を追いかけたかった。特に何がしたいわけではなく、ただ追いかけたかったのだ。しかしそれをすれば、犯罪になりかねない。私と競い合って、改札を通る人はいないだろう。私は想像しておもしろがっている。

ところで、子どももこうしたことが好きだ。追いかけるためだけに遊びを考えたりする。やはり人間にもサラブレッド然とした本能がありそうだ。子どもはそんなことをして楽しそうだ。大人も見習わなくてはいけない。とはいえ犯罪はだめだ。私はなんとか衝動を抑え、先をいく走っている人を見つめる。私たち大人はずいぶんとつまらないではないか。本能を活かすこともできない。しかし活かしている人もいて、それを人はアスリートと呼ぶ。アスリートは多かれ少なかれ本能に忠実な人たちだ。だからアスリートに倫理観を求めても不毛だ。大谷翔平は立派なのではなく、本能に忠実に生活しているだけだ。

私はこの出来事から教訓を引き出したい。つまらない毎日を楽しくしたい。しかも安全に。

教訓

  • 本能をうまく活かすことで人は楽しくなれる。

  • しかし安全に気を使うと、できないことが多い。

  • ルールを作って本能を生かしたのがスポーツである。

  • だからスポーツは群れで行う。

  • 人間はやはり社会的動物である。

  • 礼儀とコミュニケーション能力を身につけることで楽しく生きられる。

  • 若者はその2つをぜひとも学ばなくてはいけない。

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