見出し画像

秒速5センチメートルを好きなのは俺1人だけで良い

とにかく自己肯定感が低い子供だった。友達はそれなりにいたがいつでも顔色を窺ってばかり。おこがましくて自分のことを話すことも宿題の答えを聞くこともままならない日々だった。

2002年。「ほしのこえ」が上映された年に生まれた僕たちは中学二年生で「君の名は」に出会った。本当に恵まれていたと思う。新海監督の世界観に一目ぼれした僕は彼の作品を見漁った。
当時好きだった人と一緒に見た「秒速5センチメートル」当時は何を伝えたいのかもわからず描写の美しさにひかれていたのを覚えている。

高校生になり、当時好きだった人とは連絡も取れなくなった折り、再度「秒速」を見て、寝込む羽目になった。自分を少しでも好きになれるようになったのはこの日が転換点だったと思う。あの心情の描写、情景や繊細な音楽に心から揺さぶられる自分の感性を心から好きだと思えた。
これは、俺のための映画なんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?