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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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2022年8月の記事一覧

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600: Tiny Tim / I'm A Lonesome Little Raindrop

記念すべき600回目もタイニー・ティムに登場いただきます。 彼の最初の3枚のアルバムはリプリーズ・レコードから出ているのですが、最後の3枚目は子供向けの曲を集めた『フォー・オール・マイ・リトル・フレンズ』で、当時、グラミー賞にもノミネートされています。 彼の最大の武器は「人間ジュークボックス」と呼ばれたほどのレパートリーの多さで、何でも「40年代以降にラジオで流行ったヒット曲は全部歌える」という宣伝文句があったほどでした。 ところが、この曲はさらに古く、オリジナルは1920年(!)のミュージカル・ナンバー。つまり、曲が書かれてから、もう100年以上が経過していることとなります。 「僕は一人ぼっちの小さな雨粒/降る場所を探しているんだ」と歌われるこの曲の歌詞が、明日から新しい場所での仕事が始まる、今の自分の気持ちとシンクロしたので、取りあげてみました。

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599: Bye Bye Blackbird / Tiny Tim with Brave Combo

「バード」つながりで、このスタンダードナンバーを。 1926年に書かれたこの曲、とにかく多くのヴァージョンが録音されており、当然のことながら、名演も多いです。 普通だったら、マイルスの歴史的演奏を取りあげるべきなのでしょうが、ここではあえて、私の尊敬するタイニー・ティムのヴァージョンにしました。 1996年にリリースされたアルバム『ガール』に収録されたこの曲、唯一無二の彼の歌声ももちろん素晴らしいのですが、それ以上に、ブレイヴ・コンボの演奏が聴きどころとなっています。 1979年にテキサス州で結成された彼らは、ポルカをベースに、南米やカリブ海の音楽を取り込んだ独特のサウンドを特徴としている、知る人ぞ知るグループです。ここでも、軽快なアレンジで、ティムの歌を支えています。 このアルバムをリリースした年の11月、チャリティ・イヴェントに出演中に倒れ、そのまま心停止で亡くなった(享年64)ため、このアルバムが、彼の最後の録音となってしまいました。

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598: The Beatles / And Your Bird Can Sing

アルバム『リボルバー』収録曲で、「サイケ」っぽい曲の代表と言えば、「シー・セッド・シー・セッド」かこの曲でしょうか。 イントロや間奏で聴かれるツイン・リード・ギター(ジョージとポールが弾いている)が印象的なこの曲、ポールのベースもメロディアスで、実にカッコいいロック・ナンバーです。 ただ、ソングライターのジョンは、この曲を気に入っていなかったとのこと。その理由について、本人が語っていないことから、様々な憶測がなされていますが、今となっては永遠の謎となってしまいました。 この曲、構成的にはライヴでも演奏出来るのですが、ツイン・リードのみでなく、コーラスも簡単そうで実は難しく、なかなかハードルが高い楽曲です。 この前までやってたコピバンでもチャレンジしたものの、あまりの出来の悪さに、ボツにしました...

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597: The Beatles / Doctor Robert

ひねりも何もありませんが、「ドクター・ロバート」つながりです。 ビートルズが1966年にリリースした『リボルバー』(UK1位/US1位)に収録されたこの曲、正当な医療行為と言いながら、実は薬物を処方する医者のことを歌っています。いかにもサイケ期らしいテーマです。 その一方、サウンドは比較的シンプルで、ブリッジの「♪Well, Well, Well~」の部分にハーモニウムが入る以外は、通常のバンド構成で演奏されています。 とはいえ、ギター・リフやコーラス等、効果的にオーヴァーダビングが加えられいて、アレンジ力の高さを見せつけているあたりは流石と言ったところです。

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596: The Blow Monkeys / Digging Your Scene

1986年の「モンキーズ」つながりでこの曲を。 スコットランド出身のドクター・ロバート(本名ロバート・ハワード)を中心に結成されたブロウ・モンキーズ。 ジャズやR&Bをベースとした、洗練されたお洒落なポップスを持ち味としていたグループで、80年代後半、作風を変化させながらコンスタントに作品をリリースしていました。 彼らにとって、唯一のUSチャート入りしたヒット曲がこの曲(UK12位/US14位)。当時は気づきませんでしたが、今聴くと、フィリー・ソウルへの愛情をそのまま表現した作品と言ってよいでしょう。 この曲を収録したアルバム『アニマル・ライフ』(UK21位/US35位)も、多くの国でチャートインを果たし、グループの知名度アップに大きく貢献しました。 まあ、それにしても、MVのドクター・ロバートのファッションを見ると、80年代と言う時代を強く感じます。 なんとなく懐かしくもあり、ちょっと恥ずかしくもあり...

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595: The Monkees / That Was Then, This Is Now

モンキーズの新曲をリアルタイムで聴いたのは、この曲が初でした。 1986年、ザ・モンキーズがベストアルバム『ゼン・アンド・ナウ...ザ・ベスト・オブ・ザ・モンキーズ』をリリースし、この曲がシングルとしてリリースされました(US20位/UK68位)。 当時、情報は非常に限られていたので、なぜ突然リバイバル・ブームになっているのか、全く知らなかったのですが、どうやらMTVで『ザ・モンキーズ・ショー』が再放送されたのがきっかけだったようです。 ちなみに、私、この曲のタイトルが、ベスト盤のタイトルとシンクロしているので、ベスト盤のリリースに合わせて書かれたオリジナルだと思っていたのですが、実際はそうではなく、The Mosquitosと言うバンドが1985年にリリースした曲のカヴァーでした。 つまり、アルバムタイトルの方が「後付け」だった、ってことですね。正直、知らないほうが良かったような気がします...

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594: The Monkees / Pleasant Valley Sunday

遅くなりましたが、8/23分です。(なお、8/24は都合によりお休みさせていただきます) ゴフィン&キングが提供した作品で、個人的に推したいのがこの曲。 1966年にデビューし、大ブームを巻き起こしたザ・モンキーズ。そんな彼らが、人気絶頂期の1967年にリリースしたシングルがこの曲(US3位/UK11位)。 マイク・ネスミスの弾くギター・イントロが実に印象的です。 この曲を含むアルバム『Pisces,Aquarius, Capricorn & Jones Ltd』(US1位/UK5位)は、邦題が『スター・コレクター』で、最初「なんじゃ、そりゃ⁉」と思いました。 おそらく、アルバムのラストに収録された曲のタイトルからとったものと思われます。そういえば、この曲もゴフィン&キングの作品ですね。 ザ・モンキーズは、メンバーがオーディションで集められた経緯から、どうしても「作られたアイドル」という偏見がつきまといますが、50年以上たった今でも同じような企画が有効であることを思うと、かなり先を行ったアプローチだったのかも知れません。

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593: Skeeter Davis / I Can't Stay Mad At You

スキータ・デイヴィスには、USトップ10ヒットがもう1曲あります。それが、ジェリー・ゴフィンとキャロル・キングによって書かれたこの曲。 1963年にリリースされ、ポップ・チャートで7位まで上昇しています。また、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは2位となっています。 面白いことに、彼女の本来のフィールドであるカントリ・チャートでは14位止まりとなっています。 まあ、いかにも「オールディーズ」と言った感じの曲調なので、カントリー・ファンには受け入れられなかったのでしょう。 ちなみにこの曲、日本では伊東ゆかりさんが「恋はいじわるネ」というタイトルで、オリジナルと同じ1963年にカヴァーしています。 「ネ」だけカタカナにするセンスが、時代を感じさせてくれますネ!

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592: Skeeter Davis / The End Of The World

似たタイトルつながりで、この曲をチョイス。 スキータ・デイヴィスは、1950年代にデイヴィス・シスターズとして活躍したカントリー・シンガー。一度引退した後、ソロとして復帰します。 そして、1962年にリリースしたこの曲が、最大のヒット曲となりました。 「主戦場」のカントリーチャート(2位)のみならず、ポップ・チャートでも2位を記録し、さらにR&Bチャートで4位、イージーリスニング・チャートでは1位と、「クロスオーバー」なヒットを達成しています。 そして、この曲、非常に多くのミュージシャンにカヴァーされているのですが、そのジャンルも、ジャズ・ヴォーカル、カントリー、ポップ、ロック、イージーリスニングと、なんでもアリと言った感じで、こちらの方でも「クロスオーバー」となっています。

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591: R.E.M. / It's The End Of The World As We Know It (And I Feel Fine)

「ジ・エンド・オブ・...」つながりで、この曲を。 R.E.M.が1987年に リリースしたアルバム『ドキュメント』(US10位/UK28位)は、彼らにとって大きな転機となった作品でした。 それまでは、何を歌っているのか聞き取れない、モゴモゴしたヴォーカルが特徴の「カレッジチャートの雄」といった存在でしたが、この作品ではヴォーカルも含め、すべての演奏がクリアにレコーディングされています。 これは、共同プロデューサーのスコット・リットの功績と言えるでしょう。 1stシングルの「ザ・ワン・アイ・ラブ」(US9位/UK16位)が、グループ初のUSトップ10ヒットとなり、勢いそのままにリリースされたシングルがこの曲(US69位/UK39位)でした。 チャートアクションは地味ですが、早口でまくし立てる「ラップ」のような歌いまわしは、「R.E.M.がこんなことするんだ!」と、当時は結構衝撃でした。 今でもこの曲は大好きなのですが、ただ、このMVが何を言いたいのかだけは、まったく理解できないまま、35年の時が過ぎてしまいました...

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590: The Kinks / Till The End Of The Day

キンクスで「デイ」と言えば、この曲の方が有名でしょう。 初期キンクスのヒット曲と言えば、「パワーコードによるギターリフ」が定番でした。この曲も、特徴的なギターリフが中心となっています。 1965年11月にシングルリリースされ、UK8位/US50位のヒットを記録しています。また、アルバム『キンク・コントラヴァーシー』(UK9位/US95位)にも収録されています。 この曲、もちろんオリジナルも良いのですが、ビッグ・スターや少年ナイフのカヴァー・ヴァージョンは、曲の魅力を素直に伝えていて、個人的にはお気に入りです。

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589: The Kinks / Days

当初は12曲入りになるはずだった『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ』に収録されていて、15曲入りになった時に外された2曲のうちの1曲がこの曲(もう1曲は「ミスター・ソングバード」)。 ただ、12曲入りアルバムの一部はすでに出荷されていたため、ヨーロッパ大陸とニュージーランドでは発売され、その後回収されています。 そのため、12曲入りのアルバムは、現在ではコレクターズ・アイテムとなっています。 もっとも、この曲はアルバムから外されたものの、シングルとしてリリースされており、UK12位のヒットを記録しています。 元々アルバムに収録する予定だったこともあり、アコースティックなサウンドはアルバム収録曲と共通していますが、ニッキー・ホプキンスの弾くメロトロンが、ちょっとだけ60年代風サイケの香りを漂わせています。

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588: The Kinks / Johnny Thunder

「ジョニー・サンダース」というステージ・ネームの由来は、キンクスのこの曲に出てくるバイク乗りの名前でした。 キンクスが1968年にリリースした『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ』は、古き良き時代の英国風田舎暮らしへの敬意を表したコンセプト・アルバムで、非常に評価の高い作品です。 しかし、発表当時、UKチャートにはチャートインすらせず、セールス面では失敗作となりました。 そうなった原因の1つが、リリース前のゴタゴタでした。 当初の希望であった20曲入り2枚組にすることはレコード会社に却下され、12曲入りとなる予定が、レイ・デイヴィスはギリギリまでこだわり続け、ついには発売日を変更してまで15曲入りでリリースされることとなりました。 そうして実際に発売されたのが、ビートルズ『ホワイト・アルバム』、ストーンズ『ベガーズ・バンケット』とほぼ同じタイミングになってしまったことは、不運としか言いようがありません。 この曲は、アコースティック・ギターを中心とした、ストレートなロック・ソングですが、途中で入るホーンが印象的なナンバーです。

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587: The Heartbreakers / I Wanna Be Loved

タイトルは似ていますが、曲の方はまったく似ていない。今日の曲は、そんなつながり方です。 ジョニー・サンダース率いるハートブレイカーズが、1977年にリリースした唯一のアルバム『L.A.M.F.』(何の略かはあえて書きませんが、気になる方はググってみてください)。 このアルバム、製作された時期に加え、ロンドン録音であることから、「パンクロック」のカテゴリーで語られることもありますが、サウンドは純粋に「ロックンロール」だと思います。 この曲はアルバムの4曲目に収録されていて、AメロとBメロ(=サビ)のみで構成される、シンプル極まりないロックンロール・ナンバー。 これをギター2本とベースとドラムスで演奏するというスタイルと併せ、ロンドン・パンクのお手本となった作品の1つと言えるでしょう。 ニューヨーク・ドールズやハートブレイカーズのメンバーとして、NY音楽シーンの重要人物だったジョニー・サンダースは、日本でも人気のあったミュージシャンでしたが、1991年に38歳の若さで亡くなっています。