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擬似湯治-アトピーを通じて

サウナは好きだ。

数年前、現在のサウナブームが到来する少し前くらいに、先輩から温冷交替浴(サウナ→水風呂→休憩)の話を聞いて、ハマった。

水風呂から上がった後、休憩中に脳みそがとろけ出すような、自身と外界の境界線が無くなるようなりあの感覚。
現在は「ととのう」と呼ばれているが、当時は「サウナトランス」とか「サウナトリップ」呼ばれていた気がする。
薬物の経験は無いのだけど、「トリップするってこういう感じかしらん?」と、当時から感じていたし、今も思っている。「ととのう」という表現は、何かを少し隠蔽している気分になる。あくまで私論。

サウナと水風呂以外浸からないぜ!というこだわりを持つ方もいると聞くが、私はしっかり湯船に使って身体を温めてからサウナに入る。そちらの方がたくさん汗をかく、気がする。

これまで、温浴施設には2・3ヶ月に一度くらいの頻度で通っていた。特に強いストレスや不安を抱えている時に行くと、頭からスッと不安が消えて、平和な気持ちになる。

アトピー闘病生活においては、良い空気&良い食事&温泉&ストレスない状態を続ければ治るかもなぁと思ってはいたものの、実際に湯治期間を取るのはなかなか難しい。何より経済的に厳しい。

だからこそ、朝の綺麗な空気やスムージーの摂取、自宅では半身浴(エプソムソルトを入れてカルキ抜きをしつつ)をする日々を今年は過ごしていた。

そんな折、東洋医学の医師より、「週に何度もサウナに入ってみると効果あるんじゃない?」とおススメを受けた。

なるほどなるほど、やってみよう。

温浴施設はどちらかというと気持ちの安定目的だったが、直接的に身体治療を期待して入る、というのが、実は新鮮だった。

また、少し前は落屑がひどすぎたり、見た目があまりに傷だらけだったためなかなか行きづらく、たまーーに入っても、後ろめたさを感じていた。

そんなこんなでこの1週間ですでに3回、温浴施設に通っている。
しかも温泉があるところを選んで、温泉、サウナ、炭酸泉のフルコースを楽しむ。

するとどうか。
明らかに、肌が喜んでいるのがわかる。

サウナで汗を流す、水風呂で締める、落ち着いたら今度は温泉に入る、すると肌が潤う。これが繰り返される。治癒が促進されないはずがない。

また、一種の瞑想状態にもなって、気持ちが落ち着く。治癒が促進されないはずがない。

しかも短期スパンで何度も行っているので、前々回より前回、前回より今回と、肌の調子の変化を実感できる。まさに擬似湯治。

現代文の教科書に出てくるような小説では、結核や神経その他の病気療養は、田舎に引っ込み、いいもん食って風呂に入るのだ、というシーンをしばしば見る。島崎藤村、夏目漱石、マックスウェーバーあたり?

これはほんとなんだなぁと実感する。
湯治すごい。

(ちなみに、薬物が身体に及ぼす効果の研究はたくさんなされて権威を得ているのに、湯治をはじめとした生活習慣の改善効果は、どうしてこんなにも眉唾やアンタッチャブルな扱いをされるのだろうね)

もちろん、明治時代にはなかった(はずの)飲み物食べ物、アイスやら冷たいビールをがぶ飲みやらすればまた意味はないのだろうけど、、

最近ハマっている「ぬるい缶ビール」を少しだけ嗜むに留めている。美味しい。今のところ誰にも理解してもらえないけど。ドイツでは主流らしいのに。

今後もずーっと、週に何度も行く、擬似湯治を続けるということは、恐らく(本当はその方がいいのだろうが)ないだろう。

ただ、何かストレスを感じれば暴飲暴食に走っていた生活からすれば、週に1度をサウナに置き換えることは、とても現実的だと思った。これからもやってみようと思う。


ところで、「温冷交替浴」と打とうとしたら、予測変換で「御礼」と出てきた。

たとえば、御礼交代欲。
徳を積んで感謝する自分に変わっていきたいと願う気持ち。


なんて。
こういう遊びみたいなところに宿る言霊が、実は面白い意味を持つ、ということに最近気づき始めてきている。

明日も温泉とサウナ入りにいきたいなー!

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