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夢日記 #習慣にしていること

ながきよの 夢をゆめぞとしる君や
さめて迷へる人をたすけむ (和歌集)

明恵上人
白州正子著
講談社学芸文庫1992

 鎌倉時代初期に、生涯にわたって自分の夢を記録し続けた、孤高の名僧、明恵(みょうえ)の詠んだ歌です。

 朝一番にコーヒーを飲みながら、ほやほやの夢をノートにまとめるのが習慣です。
 私が夢日記をつけようと思いたったのは、明恵上人のような崇高な志でなく、とてもセコイ動機でした。
 
 神秘世界に飛び込んで、じゃぶじゃぶと泳ぐことが、私の至福のリカバリーなのですが、ホロスコープも、タロットも、ヒプノセラピーも、鉱石も、アロマも、人類の歴史の探求も、神秘世界系のモノやワークショップは、とにかく、お値段が高いのです。

 私の渡世稼業は心理士で、「喰えない職業」ですから、あれこれ手をつけるのは身の程知らずというものです。

 ところが、夢は無料です。

 費用としたら、枕元に置いておき、見た夢をすぐ書き留めるためのお絵描き帳と、夢をまとめるA4のノート代と、夢/昼間の出来事/考察を書き分ける3色ペン代くらいです。
 
 正直な気持ちで夢と向かいあっていると、次第に夢の側からも積極的にメッセージを送ってくれるようになります。
 昼間の生活と夜の夢が連続して、らせんのように絡み合っていくようになります。
 心のコンディションが良くない時は、少し夢から離れ、夢日記はお休みします。
 
 よくわかってきたのは、夢を、自分の不安の解消のために、あてものや占いとして使わないほうがいいということです。

 「迷えるひとをたすけむ」まではいかないけれど、どうにでもなれと身を投げ出すような、透き通った心構えでいると、夢はびっくりするほど有効な情報をくれます。
 
 夢に取り組む姿勢として、冒頭の明恵上人のことばが、心に染みます。




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