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心の中に生き続ける、私のロールモデル

「名前だね。」

その一言が、私の生き方を決めた。

2023年4月1日。

あれは、2023年4月1日。世に言うエイプリルフールの日。大学2年が始まる日。新鮮な想いとともに、決意を固めようとしていた日だった。

私は2月ごろに、とあるキャリアコミュニティに加入していた。就活のサポートが受けられたり、志高く持つ学生と交流できたりできる、そんなコミュニティだった。

その中のサービスの一つに、「キャリアカウンセリング」というものがあった。その日は、ちょうど3回目だった。

形式は1on1。担当してくれるのは、60代ほどの男性。髪は坊主ほどに短く、四角い眼鏡をかけた、優しそうな、いわばおじさんである。(ここからNさんと書く)

1回目、2回目の面談は、コミュニティ運営側が用意した自己分析やコミュニティの説明がメインだったため、本格的なカウンセリングそのものは、この日が初めてだった。

突然の一言

テーマは、「あなたの生き方について」。

当時、私は周りから、

「どうして一馬くんは、そんなにエネルギッシュなの?」
「一馬くんの行動力がは素晴らしいよね。」
「一馬くんのその性格、どこから生まれているか気になる」

こんな質問が、よく投げかけられていた。
投げかけられる度に考えていた…

「私はどうして、このような動きをしているのだろうか…」と。

正直、私にはわからなかった。自分にとっては当たり前のことだったから。

自分も「なぜなのか、知りたい!」という想い一心で、よくある「人生史」を書いて「私の原点はどこだろう?」と振り返ってみたりすることはあった。しかし、分からずじまいだったのだ。

カウンセリング早々、メンターのNさんから

「一馬という名前、素敵だね。ご両親はどのような意図でつけられたの?」

と聞かれた。

小学生の時に、両親に私の名前の由来を聞いていたことがあったので、それを伝えた。

私の「一馬」という名前は、父親がつけてくれました。「一」は、あなたは世界でたった”一”人の限りなく尊い存在だから。「馬」は、両親どちらも坂本龍”馬”が好きということもあり、そこから授かりました。

よくある説明。この説明を、人生で何度もしていたから、特に気になることはなかったし、周りの反応も「素敵〜」というようは反応一辺倒だったから、特に深く考えることはなかった。

しかし、Nさんは違っていた。

坂本龍馬ね…。名前だね、あなたの生き様を作っているのは。

思いもよらない返答だった。

「坂本龍馬が私の生き様を作っている…?」

頭には、?がずらり。

しかし、少しずつ、私の中で何かがつながった気がした。以前からリストアップしていた私自身の特徴。そして、坂本龍馬が兼ね備えていたであろう彼自身の特徴。

その2つを見比べたとき、私は確信した。私の生き様を作っているのは、紛れもなく、坂本龍馬だったということを。

幼少期から、家には坂本龍馬の本で溢れていたし、両親が旅行で坂本龍馬巡りを京都でしていた話も聞いていた。「坂本龍馬はすごい人」そんな感覚が、私の頭の中にはあったから、元から普通に好きな人だった。けれどもまさか、自分の生き方にまで影響を与えているとは。

「名前だね。」その一言が、私の生き様の原点を気づかせてくれた。

世界で一番好きな言葉

世の中全員が持つ、名前。「人生で初めてもらうプレゼント」などという比喩表現があるとか、ないとか。

あなたはそんな名前を、おざなりにしていないだろうか。

物心ついた頃から何気なく使っている名前。名前を当たり前のように感じてしまったり、他人に名前がいいな〜なんて思ってしまうこともあるだろう。

けれど、名前ほど、私たち自身にとって影響力がある言葉はないのかもしれない。

Nさんは言う。

「未来を見たかったら、過去を見なさい。名前はその典型です。人は必ず、先祖の想いを受け継いでいく。その想いが一番最初に、そして最もパワーを持って渡されるのが、1人1人の名前なのです。だから、名前を軽く見てはいけません。」

私は地味に、人の名前の由来を聞くのが好きだ。現状、実際に聞いてみると、親に聞いたことがなく知らない人も多い。知っていても、「それぐらいのものです」と、謙遜する人もいる。

しかし、そこにこそ、あなた自身の生き様を表すようなヒントが隠されているのかもしれない。

私は、ロールモデルが坂本龍馬であるということに気づいてから、自分の在り方がどんどん確立するようになっていった。彼が望んでいたこと、持っていたもの、考えていたもの。おそらく、それら全てが何か今の自分と近いものがあるのかもしれないのだから。

この先、どんなストーリーが展開されていくのか。それはまたの、お楽しみ。



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