越路 隆之

役者をやっています。 オフィス・ルード所属。

越路 隆之

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最近の記事

掛かる日には

ねえ、 目を開けて、 目を開けて、 目を開けてよぉ、 (100回繰り返す) 見なきゃ駄目だよ。

    • 嗚呼、さらば

      「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」 何処からか叫び声が聞こえたかと思うと、 目の前の木、 その緑の葉が一気に真っ赤にその身を変えた 「ウィルスだ!! 止める手立ては何もない!!」 そう言うと男の頭は膨れ上がり 勢いつけて爆ぜ散った こんなどうしようもない 一縷の望みがあるとすれば、 それは未来だ そこに全ての希望が詰まっている

      • 幸せのかたち

        山縣真治はその日婚約を決めた。 帰宅して、安堵感に包まれて、 これで良かったんだと。 父と母も亡くしてしまって、 出来れば顔を会わせてやりたかった しかし、仕方がない 二人がねむる墓にでも赴き報告を 彼女をこの手で抱き締める。 二人で過ごして来た日々を思う。 後悔なんてされてないよな、 一方的なことになってないよな、 椅子に腰かけ天井を見上げると 目から涙が、 いいさ、 今は好きなだけ流れるがいい、 どうせ見てる人なんていないんだから

        • 愛なんて捨ててやる

          「もうどうなっても知らないからな」 兄はそんなことを言ってその場を去っていった 一人残されて、どうするもことも出来ず ただ悲嘆に暮れた 俺は悪くない、絶対に悪くない 分かっていても認めることなんて出来る訳がない 思いとは裏腹に動揺を収めることは出来ず やはり悲嘆に暮れた 明日は自分の誕生日なんだっていう、 もう誰も祝ってくれる人はいないだろう そんなことはどうだっていい、気にすることはないのに また誰かと出会うことになるかもしれない 希望とか絶望とかない交じりになって結

          だからどうした

          帰って来い 帰って来い 帰って来い おまえ何にも分かってねえじゃねえか!! おまえ何にも分かってねえだろ! おまえ何にも分かってねえじゃねえか!!!! ただ愕然とす、 枯れ木に葉が一枚ひらひらと舞う

          だからどうした

          不意な思いによせて

          私の心の奥の奥、 そこにある箱の中、 そっと閉じ込めてある私の秘密、 どうかあなたに暴いて欲しい

          不意な思いによせて

          「そして」と言おう

          「ペイン」 死ぬまで唱え続けてやろうか 痛みを与えて、痛みを受けて 生きている限りそれが続くんだ ならば終わりまで彩ってやろう 踏み出すと草原だった 景色と音、目を閉じれば胸の鼓動を感じる これが世界だ!これが現実だ! 正真正銘、混じり気無しの! 歩き始めれば草を踏みしめて音が鳴る 自分は今、自分の意志で歩いているんだと 自分で決めた、自分の道を ならいいんだ、それで 透き通った水が汚れて海へ還って行く

          「そして」と言おう

          あのとき

          旅行で家族で食べに行った 想い出が錯綜して 果たしてどこまで正しく記憶されいるのか 大まかでいいんだ、そんなものは 行った事実があればいい ただ、 楽しかったのか、つまらなかったのか 当時の自分に聞いてみよう

          ハイテンション・ブギー

          真っ黒に闇が、 真っ赤に血が、 真っ青に空が、 真っ白に灰が、 「助けて」と慟哭が聞こえた時点で 頭が破裂して、 「八つ裂きだ」と叫びが聞こえた時点では もうそこには何もなくただ血の海が 哀切に胸が張り裂けて、 涙が止まらないんだそうだ 邪魔だから置いていこう 「僕には何もないんだ」 ランプの明かりのもと頭を垂れている しょうがないから抱き締めてやれ 外では嵐が止まずに 平穏なんて遠い昔に思えて 優しさなんて得られずして人生を終える 微笑みを得られればハッピーエンド

          ハイテンション・ブギー

          石油王

          手に入れては失って、 手に入れては失って、 それを延々と繰り返し そして、破滅する 一体何が欲しかったのか 「アイム フィニッシュ」なんて 真っ黒に染まり切れ、哀切

          舞台に出ます

          9月中旬に舞台に出ます。 よろしくお願い致します。 幾何学おばけ第3回公演 『微睡』 脚本/演出:パキケファロ長崎 ■あらすじ 「ある目的」のために、廃墟とも見紛う山中の屋敷に集まった面々。 互いのことを何も知らないまま出会った彼等は、手始めに錠剤を飲みこんだ。 効果が出るまでの一時間。各々の過去が語られる。 何かを忘れたまま。 ■出演 紙谷宥志 内柴楓 中村有来(EARLY WING) 越路隆之 水落涼太郎(劇団maKuaKi) 岸鮫子 日和しい(幾何学おばけ)

          舞台に出ます

          弁当が美味い!

          「だらしねえなあ、怠るからだろ!」 「うるせえなあ、予定通り進んではいたんだよ」 「邪魔なんだよ、お前」 「無視できないくせに」 「いなくて構わないけど、本当に」 ショックを受けて十年間寝込むなんてことも考えた しかし無駄だ、日常がおもしろい、変化は絶え間ない 新しい出会いをやり過ごすことは出来ない 「反省するなんて言ったら、お金くれる?」 「そんなことに払う価値なんて、ある訳ねえだろボケ」 今日は土砂降りだが、明日は晴れるんだそうだ、 雲一つない空、気持ちを切り替えよ

          弁当が美味い!

          未来が待っている

          「もう行っちゃうの?」 「・・・しょうがないでしょ」 「行かないで!お願いだから!」 子供のように抑制できずにいる 過ごして来た時間が邪魔をしてまともな判断がきかない 抱き締め合ったところで無駄に哀しみが増すだけだ 始めなければ良かったと、 始まらなければ良かったと、 「会えて嬉しかったの、 一緒に過ごしていた時間が幸せで心地良かったの」 「・・・、なら忘れないで」 「・・・・・・・・」 「私も忘れないから」 思いもかけないことに翻弄されて、 全てが無秩序に転がってい

          未来が待っている

          終わりがあるから

          点滅を繰り返す 色とりどりに煌びやかにおぞましく 欲しい欲しいって 千年生きれるとして喰わなきゃ死ぬとなれば そんな人生誰が望むんだよ 誰かが心の底から叫んでいる声がする 「私はあなたを愛している」 「私はあなたを愛している」 落下して浮遊している まわり全体を見渡せば 心なしか落ち着けるような 諦めなければ辿り着けるだろう 有史以来の理想郷という 地獄の世界 「私はあなたを愛している」 点滅を繰り返す 色とりどりに煌びやかにおぞましく

          終わりがあるから

          どうしてもっていう

          少年が林の中、 鳥の鳴き声が聞こえる 「始まる、、、」 予感と共に開始されるその物語は 出会いと別れを繰り返し、 絶望の淵に立たされながらも いつしか少年を大きく成長させる 未来 簡単にはいかぬ物語 冒険が用意されている 挑戦は自分の意思次第 練度を熟達させれば 後は思いのままの 涙を流して、 「良かった」と微笑む

          どうしてもっていう

          Now on time

          過去が見ている 後悔があとを絶たない 寝そべって見上げた 空が落ちてくる 頭を掻きむしっても 振りほどけない 深夜の静寂に包まれた街で 途方に暮れる 欲しいものは これじゃないあれじゃないと 自分がどこへ向かおうとしているか 分からない 懺悔しろ、許してもらえと 説教がやかましい 愛くるしいほどの歪みが 道を連ねて 混沌が進化をやめずに 今を生きている