イスラエル情勢:なぜ中国はハマスの肩をもつのか?
👉中国のハマス寄りの立場
近日、中国の外交大臣王毅は、サウジアラビアの外交官との電話会談で、ハマスを支持する立場を言及した。
王氏の言葉をまとめれば、ハマスと連携し、アラブ諸国を誘って、イスラエルに批判することです。
10月7日以降、ハマスがイスラエルに対して全面的なテロ攻撃を開始して以来、中国は世界主要諸国と異なって、ハマスの襲撃にはっきりと批判していなかった。その代わりに、発言を避けていました。
今回の発言は、イスラエルに対する公然の非難に加え、中国がハマスを支持する立場を明確に示しました。
🈁ロシアと足並みをそろえる
王氏の発言の前に、ロシアのプーチン大統領は早くもイスラエルに対し、ガザへの地上攻撃は容認できないと警告した。中国はまたロシアと一致の立場を取ったよね。
なぜ中国がハマスを支持することを選んだのでしょうか?そして、最終的にどのような結果につながるのでしょうか?
👉中国の中東外交スタンス:二転三転
王氏は曰く、中国は一貫としてアラブ人民の民族自由を支持し続けてきた。それは本当なのか?
多くの人が知らないのは、実際に中国がずっと「アラブ人民の友たち」なわけではないことだ。
1️⃣1948年、イスラエルを鮮明に支持。
イスラエル立国の際に、共産党機関紙「人民日報」のイスラエルとパレスチナの衝突に関する報道は、鮮明にイスラエル側を支持してた。
イスラエル立国について「ユダヤ人、2000年の放浪生活を終え、イスラエル国を設立」と報道されていた。結構はっきりとした立場🇮🇱を表明したね。
2️⃣1970年代、立場転換:アラブ人民の正義闘争を支持
しかし、第四次中東戦争が勃発すると、中共は180度の立場転換を遂げ、アラブ人民の正義闘争を支持するようになった。
1973年10月8日の人民日報は、イスラエル軍事侵略を受けたエジプトとシリアの反撃を断固として支持すると報じている。
3️⃣2000年代、再びイスラエルを支持
しかし、21世紀に入ると、中国とイスラエルの軍事協力が深まるにつれ、中共は再び立場を変えた。
2006年5月30日、中国の外交部報道官劉建超は、ハマスに対してこう呼びかけた。
したがって、数十年にわたり、中共は中東の問題について一貫した立場や態度を持っておらず、繰り返し変化してきたことが分かります。
👉なぜ中国の外交政策二転三転したのか?
まず、一つ面白い外交エピソードを紹介します。
2009年7月、中共の国務委員である戴秉国がワシントンで中米戦略経済対話に参加した際、彼は「中国の核心利益」について言及しました。
戴氏の言うように、中国の核心利益は実際には党の統治を最優先し、国家の利益はその次に来るものだ。
このエピソードにより、中国の多くの外交政策の出発点を理解するのに役立ちます。
中国の外交政策は一貫とした価値観によるものではなく、実際には党の利益によって策定、転換しています。
1️⃣冷戦時代の外交政策
中共はソ連と米国という2つの超大国の間に存在し、その立場は頻繁に揺れ動いていました。時折ソ連を支持し、時折米国の味方をした。
そのため、米ソの2つの大国に対する政策は一貫しておらず、現実の必要性に応じて変化させた。
2️⃣現在中国と他国の関係の判断基準
現在、米国は唯一の超大国であるため、意識形態の対立から米国の存在は中共にとって脅威であり、それと同時に、米国を初めてとする民主諸国はテロ組織にとっても最大の脅威です。
改革開放初期、米国が中国に技術や投資など援助をして、中米関係は暫定的に良好でした。しかし、本質的には米国の価値観は中共の政権正当性を妨げるため、米国を敵と見なすことが中共の長期的な選択です。
これが中米関係の最も根本的な論理であり、敵の敵は友人、敵の友人は敵です。特に過去10年間、習近平は米国を敵とみなす外交政策を背景として、他国は米国の友人であれば、中共の敵となり、逆もまた然りです。
したがって、中共は他国との関係を決定するのはその国が米国との関係です。
👉中共がハマスを支持する選択の理由
文明国家と友好関係を築くことは、中国人民の利益と中国国家の利益になる。ただし、これは中共の利益とは一致しないかもしれません。
中共はイラン、ハマス、シリア、北朝鮮など、「米国の敵」と連携を取って、連盟を組んで、中国主導の世界の新秩序を建設しやすくなるでしょう。
イスラム教の極端暴力組織を支援し、テロ活動が抬頭することは、中国人民の利益や中国国家の利益に合致しなくても、中共の利益に合致している可能性がある。
中共がハマスを支持する選択は、中共自身の利益に従ったものであり、たとえ中国人民の利益と中国国家の利益に相反しても、かまわないでしょう。
👉中国はハマス寄りの結果はどうなる?
歴史上、イスラム極端武装を支持して、みずから災いを招いて身を滅ぼす前例は少なくなりません。
⚧️ヨルダンとレバノンの教訓
まずは、最近アラブ諸国の反応をみてみましょう。
面白い現象ですが、ほとんどのアラブ諸国はイスラエルに反対し、パレスチナを支持していると宣言したが、実際はハマスから距離を置いてる。さらに、ガザ地帯の難民を受け入れることを拒否してる。
🇮🇷ハマスの後援国であるイランは、イスラエルがイランに攻撃を仕掛けない限り、ハマスを直接支援しないと宣言した。
🇱🇧レバノン政府はヒズボラを支持しないと宣言し、ハマスによるイスラエルへの武力攻撃に協力しないことを明言した。
🇪🇬ガザに隣接する唯一のアラブ国、エジプトは早くから国境を閉鎖し、難民を受け入れないようにしています。実は、エジプトは前々からガザへの封鎖を強化しており、パレスチナ人を入れないように境界を閉鎖した。
🇯🇴西岸と接するヨルダンも国境に軍隊を配置してる。しかし、これはイスラエルを防ぐのではなく、バラスタの難民を防ぐためのものだ。
なぜこれらのアラブ兄弟は、パレスチナ人をうけいれないのか?
その背後には、パレスチナ解放機構(PLO)の黒歴史に起因する要因がある。
1967年の第三次中東戦争の後、PLOはヨルダンに逃げ込み、ヨルダン国内のパレスチナ難民を煽り、大規模反乱を仕掛けた。さらに、PLOは2度もヨルダン国王フセイン暗殺計画を実行し、ヨルダン政府は我慢できなくなり、PLOを追放した。
PLOはその後、レバノンに移り、テロ専門部隊「ブラックセプテンバー」組織を設立した。
1971年にヨルダンの首相を暗殺
1972年のミュンヘンオリンピックでイスラエルアスリートを拉致し、世界を震撼させる事件を引き起こしました。
1975年から1991年レバノン内戦の勃発を関与した。レバノン、「中東のスイス」のような豊かな国が一番貧弱の国になり下げた。
したがって、1988年にPLOが国家建設を宣言した際、ほとんどの国が承認しなかった。アラブ諸国も支援をためらったのは、ハマスが以前のPLOと同じく、完全なテロ組織であったためでしょう。したがって、これらのアラブ兄弟が今日、パレスチナ人を受け入れない理由は、その歴史的教訓から学んだでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?