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【日経】半導体が分かる 次世代素材が開く〉パワー半導体量産、前倒し


ローム、「SiC」を脱炭素の要に


2022/11/1 2:00 朝刊 [有料会員限定]

電力を制御するパワー半導体の次世代品が普及段階に入った。炭化ケイ素(SiC)を使った半導体は電気自動車(EV)を中心に需要が急増し、トヨタ自動車なども新車での採用を計画する。窒化ガリウム(GaN)基板も商用化へ開発が進む。電子機器の低消費電力性能を左右し、脱炭素のカギとなるキーデバイスなだけに、投資競争も熱を帯びてきた。

福岡県筑後市のロームの新製造棟でSiCパワー半導体の量産準備が進む。製造装置の大半は2021年中に導入を終え、22年に入り試作や評価を繰り返す。


松本功社長は「EVの普及など脱炭素の動きが想定より2年ほど前倒しになった」と話し、量産体制の整備を急ぐ。仏調査会社ヨールによると、ロームの21年のSiCの世界シェアは約10%で世界4位。同社は新製造棟をテコに30%に引き上げる目標を掲げ「25年度に世界シェア首位を目指す」(松本社長)

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