東大生ギフテッド2E

はじめまして。私は現在東大1年生です。令和4年度入学ですが、降年したので2年生ではなく1年生となります。東大には降年という制度があり、2年生の前期(Sセメスター)までに取らないといけない単位をとれなければ、学年が一つ下がり1年生の後期(Aセメスター)からやり直さなければなりません。

私は偏差値50台の高校から、一浪を経て東大に合格しました。予備校には通わず、宅浪をしました。母校からの東大合格者は戦後初めてで、戦前はいたらしいのですが、詳しいデータがないので具体的に最後の東大合格者を輩出した年を知ることはできません。

東大に入って、前期(Sセメスター)はいくつかサークルに入り友達もでき、授業もほどほどに行くなど、普通の大学生活をしていました。10月から後期(Aセメスター)が始まり、前期でややさぼりがちだった授業もよりさぼるようになり、徐々に行く授業が少なくなっていきました。とにかく朝起きるのが苦手で後期が始まった当初から、午前の授業は諦めていました。後期の半ば、12月くらいに必修の語学の授業の出席数がすでに足りなくなり試験を受けられなくなったことをきっかけとして、ますます授業に行かなくなり、12月中にはすべての授業に行かなくなりました。後期は何も用事がない時は家に引きこもり、スマホをずっと見て時間をつぶしていました。お風呂も人と会う前以外は入らず、昼夜逆転した自堕落な生活を送っていました。

2年目の前期は学校に行こうと思い、しっかり履修も組みましたが、毎日のように明日は行こうと思っていましたが、さぼり癖がぬけず、結局行かずじまいでした。もともと降年するつもりはなく、テストだけで評価される授業をとり、そういった授業で単位を稼げば降年しないだろうと思っていました。しかし、5月半ばに計算が間違っておりどうあがいても降年が避けられないことに気づき、降年したらどうしようという不安は一気になくなり気持ちが楽になりました。時間が生まれたので、インターンをすることにしました。

インターンはサークルの先輩が創業した会社で働かせてもらっていました。インターンはなかなか成果が出ず、徐々にモチベーションがなくなり、元々メンタルが強くないこともあって、生活は乱れ、仕事もつらくなり、結局9月にで辞めました。4か月半で辞めてしまいました。

7月上旬に書店で『大人のギフテッド』という本を見つけました。ギフテッドのような高知能な人はどのような思考で生きているのだろうと思い買いました。その時はまさか自分がギフテッド2Eだとは思いませんでした。読み始めてみると、ギフテッドの様々な性格や特性に非常に共感し驚きました。これまで変な性格や特性はいったいどこに起因するのだろうと、本やネットでずっと調べていました。サイコパスや自己愛の本など様々な本を読みましたが、一部は自分にあっていたりあってなかったりして結局わからずじまいでした。最初読んだとき、ギフテッドの性格や特性に似たものを感じつつも、自分がギフテッドだとは思いませんでした。むしろうれしかったのは自分の性格や特性が科学的に証明されたり、似たようなものを持っているひとがいたりしていて、自分がまったくおかしかったわけではない知れたことでした。当時インターンや人間関係がうまくいかなかったこともあり、ギフテッドかどうかはわからないが、もし何らかの問題が発見されればいいし、されなくても今後の自己理解の深化に役に立ちそうだと思ったので、知能検査であるWAIS-Ⅳを受けることにしました。

WAIS-Ⅳ試験当日までずっと試験のことを考えていました。もしそんなに高くない結果が出たらどうしようと不安でした。試験は病院で受けました。開始まで緊張していました。試験が始まって簡単で驚きました。もっと難しい問題が出で来るのではないかと思いながら問題を解いてみましたが、あっけなく終わりました。しかし、どの試験でもよくできた時ほど不安になりがちですが、できなかった問題ばかり考えていて、自分がギフテッドであるという期待は弱くなりました。

試験後結果が返ってくるまで、ずっと試験のことを考えていました。本を何度も読み返したり、自分がギフテッド特有の性格や特性を持っているかどうかChatGPTで診断していたりしていました。再び病院に行き結果を聞きに行きました。結果は、ギフテッドの中では並外れて高いIQというわけではなかったですが、平均と比べると非常に高いスコアでした。病院の先生とその後軽くお話をして、ギフテッドの可能性が高いと言われました。その日の夜なぜか悲しくなってめったに泣かないのに泣いてしまいました。私は大学生になるまでギフテッドという単語すら知らず、結果を聞くまで自分がギフテッドであることなど全く考えていなかったので、かなりの衝撃で、当時悩みがちだったこともあり混乱して泣いてしまったのだと思います。

その後1、2か月、新たに知れた自分を受容する期間となりました。さらにギフテッドやIQのことに調べました。私は言語理解と処理速度のスコアがずば抜けて高く、知覚推論はその両者に比べたら低いですが、平均に比べたらかなり高いくらいで、ワーキングメモリーだけは平均くらいでした。言語理解・処理速度とワーキングメモリーのディスクレパンシーはすさまじく、私が調べる限りだと相当めずらしい隔たりがありました。そうこう調べているうちにギフテッド2Eの存在を知りました。私の性格や特性、スコアなどを考えると、英才型ではなく2Eなのではと思いました。ギフテッドに詳しい病院に行ったり、さらに詳しく調べたりし、ギフテッド2Eであることがわかりました。

ギフテッド2Eと知ってから、自分の内面でかなり変化がありました。一番大きいのが、私のような性格や特性の人は世界にはたくさんいると知れて、自分に自信をもって生きられるようになったことです。今は完全に大学には通わなくなり、自分のやりたいことをしたり、自分の好きな勉強をしたりしています。しかし、私は昔からずっと自制心がなく、日常生活が乱れがちでした。今でもかなり乱れていて昼夜逆転しバイトもせず空虚な生活を送っています。また精神的にも何も手につかず、勉強は好きですが集中力が持たず、ほぼ一日中スマホを見たりゲームをしたりしています。そういう状況を少しでも変えたいと思って、何か少しでも学びや気づきがあればと思って、気ままにnoteを書いてみました。

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