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【読了】中路啓太「ゴー・ホーム・クイックリー」



舞台は終戦直後の日本、GHQが作成した新憲法草案を「日本の法律」としての翻訳にあたる男たちの奮闘。

GHQによる「押しつけ憲法」という側面は確かにありつつ、厳しい制限の中で可能な限り日本の国柄を守り、独立を回復するために苦心する真摯な姿に胸を打たれる。
主義主張の違いはあれど、そのすべてが新たな日本の夜明けを願うゆえ。

特定の主張に偏らず、史実を淡々と文章化する姿勢にも好感。それでいて、現場の熱気が強く伝わってくる筆致に引き込まれる。
改憲派であれ護憲派であれ、改憲議論が高まる今だからこそ知るべき歴史。


それにしても、今では「護憲の党」を貫く共産党が新憲法制定には大反対だったというのは驚き……

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