アニメ TVアニメ「平家物語」と古典や歴史から見えてくる事の意味
これまだ見たことないのですが。
レビュー見ると、意外に歴史に見識ある方から不評というか、お怒りを買ってる側面もあるようで、見るの躊躇ってしまうんですけど。
でもコメント欄とか見るととても好評で、悩ましい。
でも古典そのものは好きなので気になります。
音楽も羊文学の光る時、素敵だと思います。
古典だから当然昔の作品なんだけど、日本の古典って、竹取物語や今流行りの源氏物語も凄いし、平家物語もスケールがすごくて、南総里見八犬伝とかも好きでした。
平家物語は平家の世から一変して、ドミノ倒しのように次から次へと討伐されて行くのがまるで嘘のような本当の話で。
だから歴史って何が起こるかわからないってことを、語って聞かせて教えてくれる、すごい教科書だと思ってます。
たくさん生きれば生きるほど、あっという間に変わることが、私が見てきた歴史にも確かにありました。ベルリンの壁崩壊やソ連の崩壊、バブル崩壊、9.11、地下鉄サリン事件、東日本大震災、阪神淡路大震災、他、まさかと思うようなことが、本当に突然起きて世界が一変する。
だからなんというか一見すると、辛く苦しく長い夜があったとしても、そんなふうにして一夜にして変わることもあるのだから、夢幻のように消えて無くなることもあるのだから、
今苦しんでいる人たちには、敢えて、容易く諦めちゃダメだ、もうちょっと耐えて見てはどうか、頑張れ、負けるな、と言いたい。
羊文学の光る時の歌詞にもある、
君たちの足跡は進むたび変わって行くのに
永遠に見えるものに苦しんでばかりだね
けれど不幸にもその反対もあって、長く続かない幸せもある。申し訳ないが、そういう人たちに対しては慰めの言葉も出ない。
平家一族もまさか、自分たちが滅びの道を辿るとは思わなかっただろう。
この作品のいいなと思ったところは、平家の側から描かれているところ。そこが一風変わっていて、いわゆる勧善懲悪や判官贔屓になってないところ、英雄にばかり与しない視点が良かった。
とは言え、見てないからなんとも言えないけど。
見てから言えよって話だよね。
以前にも書いたけど、私の好きな漫画家の岡崎京子さんが描いた、リバーズエッジという漫画にこんなくだりがある。
惨劇はとつぜん起きる訳ではない。そんなことがある訳ない。それは実はゆっくりと徐々に用意されている。進行している。アホな日常。たいくつな毎日のさなかに。それは…そしてそれは風船がぱちんとはじけるように起こる。ぱちんとはじけるように起こるのだ
一種で突然何もかも変わってしまったように感じることも、そこには前触れ、確かな前兆があって。
少しずつ忍び寄っている、でも気づかない。アホらしいほど私たちは気付かないのだ。サインはあったはずなのに、何度もやり過ごしたり見過ごしてしまう。
そういうことなんだと思う。
改革や革命の前だって恐らく何度となく警鐘を鳴らす人たちはいたはずなのだ。それでも平和で安穏とした毎日の前に人は無力だ。
人の怒りや憎しみ悲しみだって堆積して、やがて堰を切ったように溢れ出て襲いかかる。
こういうことは日常の一コマにもあると思う。
仕事などでも、やっぱりな、と思うようなこと。
普段から些細なことだから取り上げるまでもない、でもやっぱりこれはちょっと、というような問題発言や問題行動がある人は、ある時ある瞬間、大きな揉め事を引き寄せてくる。
自業自得のパターンなのだが、巧妙過ぎて、風船がなかなか弾けない。弾けずにいるからだんだん肥大化してやがてとんでもないことになって弾ける。
その時はもう後の祭り。ダメージの大きさが桁違いになって跳ね返ってくるからだ。
ここまでのスケールはなかなかないけど、それでも身近な小さなバブルはあるあるネタだと思う。
でも戦争とかになったらもう取り返しがつかない。これが一番怖い。