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【読書感想】 太陽の季節

1955年の芥川賞受賞作で著者は石原慎太郎。

東京都知事をしていた頃は覚えていたけど、いかんせん世代が違いすぎるので敬遠していた。
タイトルだけ聞いたことがあったので、この機会に読んでみました。


あらすじ

ボクシングに賭け事、女遊びなど奔放な日々を送る竜哉。
ある時街で英子と出会い、彼女と肉体関係を持つようになる。
二人は互いに愛し合い、英子はどんどん竜哉に惹かれていくが、竜哉はしだいに英子を煩わしく感じるようになり、兄に彼女を売る約束までしてしまう。

感想

短編なのでサクッと読めた。
文学ということで、もっと硬い作品かと思っていたら言い回しが当時のものだったくらいだったので、そこを調べたくらい。

今のナンパ事情を知らないけど、倫理的にえげつない作品だと思った。
主人公を湘南でヨットを持つくらい経済的に恵まれているのに、いや、恵まれているからこそ退屈し享楽的な日々を過ごしていたのかもしれない。

読んでいて「これ、大丈夫なの? 」と首をかしげたくなる主人公の行為というか、生き方みたいなものが大問題で、大学生サークルが合宿で旅館の天井を破壊したのが可愛く思えるくらいだった。

昭和30年には衝撃だったと思うし、(実際かなり問題になったらしい) そこの感覚は令和になっても変わらない。

それもすべて文章に力強さというか、リアリティがあるからだと思っている。読んでいて体験ベースじゃないと書けないと感じる部分があり、そんな生活を当時していた作者の凄まじさみたいなものを感じた。

おわりに

刊行された当時の暮らしや雰囲気、僕はそこら辺の知識が全く無い状態で読んだので、イメージがはっきり定まらなかった。
その点は勉強しなければと思った。。

約70年前の作品なのに古さを感じなかった。
人の暮らしはそう変わるものでもないのかもしれない。

昔の作品はあまり読んでこなかったので、これを機会にどんどんチャレンジしてみようかな。


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