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噛み合わない会話と、ある過去について

辻村深月さんの本📕は好きで何冊も読んでます。
今回「噛み合わない会話と、ある過去について」ダウンロードしました。
モヤつく話、不思議な話、ゾッとする話、いたたまれなくなる話。そんな感じをひっくるめた話が4編つまっています。
ふたつ目の話「パッとしない子」を読み始めて、内容もさることながらゾッとしました。
こりゃ読んだ事あるわ。二度買いしたのね私。

「パッとしない子」があまりに衝撃的だったのか、他の話は覚えてなかったので、初めて買ったも同然でした。

真面目な母親に育てられ、ずっと母親に対して反発し、嫌悪感を抱いていた娘が年齢を重ねる毎に母親を受け入れていく。母親も変わっていくんだけど、2人の変化を一枚の写真に写る2人の変化で表現していく。
何とも不思議な世界。

どの話も、誰にでも遠い昔に、その度合いや内容が違っても身に覚えがあるような。
ゾッとする可能性がこれからでも起こるような怖い話です。
子供の頃や思春期が清廉潔白な人はいないと思う。
虐められたり、虐めたり、揶揄ったり、揶揄われたり。
自分は気にもとめずにいた事が人を傷つけている。
傷つけられた方は、ずっと忘れずに復讐の時を狙っている。
あー恐ろしい。
復讐される側で読むと読み続けるのもいたたまれない。
針の筵だ。でも、この機会がなければずっと相手の痛みは分からなかっただろうしね。
復讐する側で読むと、辛かっただろうけど、そういう事をしてもスカッとしないよ。尚更重い物を一生背負って生きていくんじゃなかろうかと気になってしまう。
どちらにしても辛い。

後書きにフロイトの言葉がありました。
ー憎しみは意外なほど 規則的に愛に同行しているー
正にそうですね。

昨晩「テッパチ!」の町田さん見て(かっこいい)と思い、夢にまで見て幸せな気分だったのに(ありゃりゃ)な気分な私です。

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