友達との約束
忘れてならないのが、その彼の亡くなった日です。
この日は私の親友と彼と3人で遊ぶ約束をして居ました。
私の友達は約束の時間通りに家に来るんですが、来てから私が
「今朝、交通事故で死んだんだよ」
って話しても、友達はなんだか意味がわからないようで、でも、私が、彼の家に顔を出さないとならないし、どうしよう・・・と思っていたら、
「一緒に行くよ」
と言ってくれたんです。
そして、私は彼女と一緒に彼の家に行くんです。
道中、何を話したのか、それとも話はあまりしなかったのか?
黒い服は着て居たのか?
普段着だったのか?
そういうこともあまり覚えて居ません。
ただ、私の友達は黒い服を着ていて、それが何となくとても違和感があったのは覚えています。何だかその時の私と私の友達の行動が夢の中の出来事みたいで。
家に着くと、続々と親戚の人々が来て居ました。
ご近所のおばさん方も、お茶を出したり、座布団を差し出したり、よく働いて居ました。そういうご近所さんの動きは、彼の家族の地域での関わり方を見ているようにも感じられました。
協力しあって、悲しみを分かち合って・・・
こんなに若い人が亡くなっても、ご近所さんたちは力を尽くしてくれるんだなぁ〜と思ったものです。
家に行くと、彼の部屋に、そのベッドに彼の遺体がありました。
あまりにも普通に眠っているようでしたが、顔や、体、胸の部分の腫れがとても大きく、間近で見ると数時間前までは一緒にいたとは思えないような風態に変化していて、何だかよく分かりませんでした。
彼の死因が、全身打撲、脳挫傷、全身粉砕骨折のような感じで、もう、殆どくにゃくにゃになって居たんだと思います。
私の友達も信じられないと言った感じで、ショックを受けていたと思います。
どれだけ眺めても、触ってみても、何となくまだ暖かさを感じられたし。
ただ、髪の毛のツヤがなくなって、何となく所々固まっているようにも見えました。今思うと、多少、血がついて固まったのではないか?と思いますが、その時は何も感じませんでした。
本当に不思議な感じで、横たわっているのにそこには何も温もりがないというか、何というか、人の形をした石みたいな、そんな感じで、ただそこに置いてあると言う印象でした。
それが魂が抜けると言う状態なのか…私にはわかりませんが、そこにあるのはただの物体でしかない、と、認めて良いのかどうなのかとても難しい感覚でした。だって数時間前は一緒にいたんだから…
寒いのか、寒くないのか、今にも動き出しそうなその物体を見てとても不思議な感じでした。
さっきまで人間だったのに、今はもう、ただの肉の塊。
たったの19年の一生。
その、最後の恋人が私。
そういえば、私の友達は彼のことを「ぼくちゃん」呼んでいました。
懐かしいですね、こうして書いていると色々と思い出します。
書いていて思い出そうとすると、たくさんのことを断片的にですが、思い出すことができることを知りました。
まだまだ人間やめられませんね。。。
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