電気回路が苦手な人ほど「水流モデル」から卒業しよう
目に見えないから「電気」は難解だと感じてしまう
電気回路の中には「電気」が流れています。ですが、「電気」なるものは見えません。そのため、頭の中でイメージするしかありません。そこでよく利用されるのが電気の流れを水の流れに類似させる方法です。
普段から馴染みのある「水の流れ」に類似させてイメージを持つことで、目に見えない「電気の流れ」を捉えるというアプローチです。
「電気の流れ」を「水の流れ」で対比するには限界がある
「水の流れ」を類似させることで、電気の世界の一部を表現できます。
一見、電気の世界をイメージするために十分なように見えますが、類似は類似でしかありません。高校生の時に苦手意識があった方は、「水の流れ」と「電気の流れ」のイメージのズレが影響しているかもません。
「電気の流れ」と「水の流れ」の共通点は、重力が作用する世界の法則に基づいているところです。
「電位」「電位差」「電圧」「電流」「電荷」「抵抗」のような、電気の世界特有の概念を理解するには「電気の流れ」に向き合う必要があります。
「水の流れ」で説明するには限界があります。そのため、無理に例え話で説明しようとすると、嘘になったりすることがあります。
電気回路のイメージを学び直すには最適な書籍
今回の内容は、白藤 立 著「図説 電気回路の考え方 〜見えない電気が見えてくる〜 電気書院」を参考にさせていただきました。
おすすめしたいポイントは、電気回路のイメージを学び直す順序です。
「日常的に知っている世界」から「日常的に知らない電気の世界」を旅する感覚で学べます。
本書の第3章と第4章では、電気の世界の歴史的背景について語られています。
今となっては当たり前の電気の世界も、ほんの300年前はトンデモナイ解釈をされていたことが分かります。
かの有名なベンジャミン・フランクリン(1706~1790)ですら、今や常識の電気の特性を明らかにすることはできなかったようです。
つまり、数百年かかって明らかにされてきた電気の世界を、この一冊で学べるといっても過言じゃないと思います。
気になった方は、書店でチェックしてみてください。
次回は、電気の世界の歴史的背景について書いていこうと思います。