【おとなりさんちの話】みんなの居場所ま・まんでぃカフェ@小城市
あなたのことを知らないはずなのに、気がついたら声をかけていたり、かけられたりした。そんなことはないだろうか。お店や道端で生まれる「大丈夫ですか」や「暑いですね」という会話。自分だけじゃなくて、ふと ”あなた” が気になってしまう瞬間に、なんだか安心する空気がそこに生まれる。
県庁所在地である佐賀市のお隣、小城市で地域に開かれている「みんなの居場所ま・まんでぃカフェ」。月に一度の決められた日に、誰もが自由に出たり入ったりできる。それぞれが、自分なりの目的を持ってふらりと集まってくるのだ。今回は、ここで生まれている会話を紹介をしていきたい。
中に入ると、こどもや大人、ざっと30人ほどだろうか。集まっていて様々な賑わいを見せていた。ワイワイ、ガヤガヤとまるで休み時間の教室に入ったかのようだ。
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丁度、おやつのおもちピザができたところだそう。10人くらいのこどもたちが集まって取っていく。「めちゃくちゃおいしそう…!」「すでにね、5回くらい作ってもらったんだよ〜」
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ここでは、普段は絵本の読み聞かせサークルをしている大人の皆さんがボランティアで七夕にちなんだ季節の工作を教えていた。「すごく上手にできてるね。」すると、作り終わったこどももやってきて作り方を教えてくれる。
本当は読み聞かせをするために用意をしていた大人の皆さん。実はこの日、こどもたちの様子を見て実施しなかったそう。「今日は、ゲームをして楽しんでいる人も多かったから工作だけにしたのよ。その代わりに聞いてくれないかしら?」気がつけば絵本の読み聞かせが始まる。
「前にね、絵本を聞いてくれたこどもたちが、私たちを ”〇〇のおばちゃん”と町で呼んでくれたことたがあって。それがとっても嬉しかったのね。声をかけなくても、顔を見てニコッと笑ってくれるだけれいいのよ。」
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ここは宿題をしている小学生たち。「早く遊ぼうよ!」「あと、これだけやっちゃわないと、教えて!」お互いが声かけをしながら進めていた。
周りには、そんなこどもたちを見守る大人の方もいた。保護者の方かと聞くと、違うという。「つい勉強を見られていたので、保護者の方かと思ってしまいました。」「ウチの子は向こう側で遊んでるわよ。近くにいたから気になって。」つい励ましたり、教えたくなってしまったらしい。
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高校生の女の子と小学生たちがテーブルに集まる。「お姉さん、ウチのクラスの〇〇さんに似てるんだよね。」「それはほめてるんだよね!?」と笑って交わす高校生。学年が全く異なるので顔見知りなのかを聞いてみると、なんと初対面だという。
高校生はボランティアでこの春から手伝いとして参加しているのだそう。「高校に入ると、勉強の量もぐっと増えて気が張ってしまってたけれど、ここはゆるりとできる所なんですよね。違う学年の子たちと話すのも楽しいし。」
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この日は偶然にも、あるゲーム会社と開発をしているという大人の方が、こどもたちに試しに遊んでみてほしいと、やってきた。こどもたちはいつもと違う最新のゲームに大喜び。「どうやって遊ぶの?」と目を輝かせて好奇心いっぱいな様子だ。
みんなのその関係性は友達や親子でない場合もあって、たまたま隣に居合わせただけかもしれない。それでも近くにいる ”あなた”を気にして、声をかけたりかけあったりしているのだ。
こういった場を開き続けているのが、代表の圓城寺真理子(えんじょうじ まりこ)さんだ。(以下、まりこさん)
こどもたちを地域で育てていける場所にしたいと始め、誰もがつながれるようにと作ったグループチャットには100人以上が入っているのだとか。まりこさんは、こういったツールも活用し、自分でかかわり具合を調節しながら、ゆるく繋がっていける関係性を大事にしている。
他にも、夜に「Bar真理子」という名前で場を開き、持ち寄った料理を食べながら地域の大人が中心となって交流できる時間を作ることもあるようだ。
そんなまりこさんが場を開き続けていて感じることとは。
「私はただ場所を開けているだけで、実は来てくれたひとり一人がこの場所をデザインしてくれているんです。大人もこどもも、自分の居心地の良い空間を無意識につくってくれているので、場所に集う人たちはいつもリラックスで笑顔です。私も一緒に楽しませてもらっています。感謝!感謝!!」
ここに流れている空気が心地よい秘訣って、集うそれぞれが気にかけあっていることにあるのかもしれません。あなたにも、気にしてくれる人が、きっと近くにいるはずです。
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みんなの居場所 ま・まんでぃカフェ
おとなりさん:まりこさん、地域の人たち
おとなりさんち:小城市小城町253-21 ゆめぷらっと小城
毎月第4月曜日 10:00~19:00 無料
Instagramでは写真を、noteでは文字を中心とした読みもので「こどもたちのおとなりさん」を発信していきます。
▶︎アカウントはこちら https://www.instagram.com/kodomo.otonarisan/
こどもをまんなかに、ほっとできる瞬間がそばにある社会を皆んなで緩やかにつくっていきませんか。
編集・書き手・写真 : 草田彩夏(佐賀県こども家庭課 地域おこし協力隊)
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