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俳句日記④

春雨の線カッターの傷に似て


今日も一日、雨が降っていた。
雨降りの日でも、降り方の強弱や光の加減などで、雨の線はくっきり見えたり、反対に空の白さに溶けてしまって見えなかったりといろいろだ。

ふと、小学校の頃、図画工作の授業で使っていた画板というものを思い出した。画板とは絵を描くときに使う、画用紙を留め置く為の板のことだ。図工室の画板はどれも使い古され、無数のささくれと傷にまみれていた。
あの頃どんな絵を描いていたかは思い出せないが、傷だらけの画板の乾いてざらついた感触だけは未だに妙に生々しく思い出すことがある。

春の終わりに降る雨を見ながら、薄暗い図工室に並べられたあの画板のことを思い出した。

雨は遠い日の、誰かの痛みによく似ている。

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