中村天風著『運命を拓く』を読んで

皆さん。こんにちは!
今回は、あの大谷翔平が参考にしているといわれる、中村天風の『運命を拓く』を紹介していきます。
この本を読んで、まず思ったのが、超ポジティブシンキングだなということ。こんなにポジティブな人いるのかなってぐらいです。ちょっと自己肯定に近いですが、でも論理もあるので、けっこうスムーズに読めます。
でも、そのポジティブの裏には、ものすごい苦労が積まれている方であることもこの本で紹介されています。
それでは、具体的に見ていきましょ~







人生を支配する法則とは?

陽が西に落ちれば夜になり、夜が明ければ朝が来る。春から夏、夏が去れば秋、やがて寒い冬が来る。この整然たる秩序、一糸乱れぬ自然の状態を思い、またその自然の法則を考えたときに、その気の持つ働き、全知全能のあらわれは、人間の知識などでは、到底計り知れない広大無辺なものである、と気が付いたのである。

(著…中村天風『運命を拓く』講談社文庫P66から引用)


と中村天風(以下彼)は述べている。
確かに、地球であれば、太陽の中心を回っていて、規則的に楕円状に移動している。また、公転しながら自転しているため、太陽の光がまんべんなく当たるようになっている。それは、まるで全知全能が表れているとしか考えられないということになる。人間の知識があったから地球があるのではなく、地球があるから、自然があるから人間がいるということを彼は伝えたいのだろう。では、どういった人間がその自然の法則に沿った生き方ができるのだろうか。彼はこう述べる。

人間は誰でも、大した経験や学問をしなくても、完全な人間生活、いわゆる心身を統一できる人間であれば、男でも、女でも、誰でもひとかどの成功ができるようになっているのである。

(著…中村天風『運命を拓く』講談社文庫P66から引用)

私たちは、成功したい、お金持ちになりたいと思ったときには、起業したり、勉強したり、有名になろうとしたりなど何かスペックを求めがちだ。しかし、彼はそんなちんけなことをするのではなく、心身を統一することが近道であるというのである。まさに”急がば回れ”といったところだろうか。もし、仮に成功したとしても、その時に起こるプレッシャーや責任に押しつぶされたら、元も子もないだろう。
さらに、成功したいなどと焦ってしまう人たちに対して、彼は辛らつな言葉でこう言っている。

朝から晩まで、欲と感情と感覚に追い回されて、せかせかあたふたと落ち着かない生活ばかり送っている人間に、良い運命や健康が得られるはずがない。

(著…中村天風『運命を拓く』講談社文庫P73から引用)


現代社会は、このような生活を送っている人が大半なのではないだろうか。でも、本当に良い運命や健康を手にしたいなら、そういった喧噪的な世間から離れて、精神統一していくような生活送るのがベストであると彼は言う。では、具体的にどういった生活をしていったらいいのだろうか?そこが、この本の神髄であるので、そう感じた人はぜひこの本を読んでほしい。








最後に、

とはいっても、このまま終わるのも違うと思うので、彼自身を作り上げた言葉を紹介しよう。

一生は、何百年生きたとしても、二度とは来ない。そう思ったならば、せめて生きている間だけは、どんなことがあっても、ニコニコ笑って行こうではないか。つらいこととか、悲しいこととか、苦しいこととかいうのは、自分の心で決める評価なんだから。つらいことがあっても、「ああ嬉しい!こうして生きていられる!」と思ったら、ニコニコして暮らしていけるじゃないか。殺されるよりいいじゃないか。

(著…中村天風『運命を拓く』講談社文庫P169から引用)

ごもっともである(笑)。私たちは、なんてったって今を生きているのに、過去とか未来とかに苦労を掛けて、何しに生きてるんだと思う。そういった当たり前のことを忘れずに皆さんも生きていきましょう。
次回もお楽しみに~。

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