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産直ECと市場流通の課題

市場流通における青果業界に営業販売として20年以上身を置き、国内の第一次産業発展の為、日々想う事を発信しています。

専門家ではないので詳しいデータはありませんし、産直ECを否定するわけでも市場流通を否定するわけでもなく、よりよい世界を目指して発信してますのでお気軽にお読みください。

ここ数年、産直ECが増えてきているのは個人的には素晴らしい事だなと思います。生産者と消費者が直接結び付き、生産者を直接支えていくこの構図はお互いがお互いのことを考え、信頼関係を築いていく素晴らしいビジネスであると思うのと同時に、少しづつ増え始めたサイトは間違いなく今後飽和状態となり、激しい競争に飲み込まれてしまうのではないかという懸念があります。

産直ECの今後の課題とは
1 サイトごとの差別化をどう行っていくか
2 顧客満足度をあげつつ圧倒的な販売力をいかにもつか

の2点が急務だと思います。

食べチョクを運営するビビッドガーデンさんは生産者と消費者との直筆の手紙やレシピのやり取りを行う事で双方の信頼関係を構築しつつ、各社員のSNSを使った広報など他産直ECとの差別化をしっかり図れていると思います。

しかしながら地元密着型の産直ECや差別化という意味では先日発表された「ノウタスモール」などもおもしろい取り組みを行いながら差別化を図ろうとしていますしそのようなサイトが少しずつ増えてきているのも事実。

だからこそ、2の販売力の強化が今後の課題になるのかなと思います。

小規模農家であればまだしも中規模以上になれば、作物の収穫ピークはかならずきますのでその際にその全ての商品が売れる程の顧客をもてるかがカギになるのかなと思います。

その販売力を上げる為の施策についての提案はいくつかありますので興味のある方は是非意見交換させてください。

その一方で市場流通であれば、どれだけあふれかえった作物でも1日で販売する事が可能です。例えば、豊作基調のものや生産者が直接取引しているものがあてが外れて販売先を失ったものでも販売できます。
大きくそだったもの、不作で小玉になったもの、とにかく全てです。

ただ市場流通においての場合は上記のようなタイミングでは生産者の希望単価には遠く及ばないのも事実です。

このお互いのメリットを活かしたような会社が数年後に現れるのか、それとも産直ECが市場を飲み込むのか、
これは誰にもわかりません。

ただ、国内における市場流通が過渡期であるのは間違いなく、卸売会社が疲弊し、若手が次々に離れていってるのも事実です。

全国に何百とある市場が淘汰され、残った市場荷受会社と産直ECの運営会社が一つとなり、双方のメリットを生かした新たな青果流通ができ、そして生産者の方々が安心して青果物を栽培するようなそんな時代にすこしでも早くなってほしいなと思っています。


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