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ブックオフに行って、物の価値を考えた

最近よく本を買うようにしている。

図書館で本を借りたりすることは時々あったが、借りて読んだ本は返してからしばらくするとその内容をすっかり忘れてしまうことが少なくなかったので、なるべく手元に置いておいて読み返せるようにしたいと考え、本を買い始めた。


最初は大きな書店に行って、適当に棚を見て気になる本があれば買うという非常に気軽な気持ちでやっていたのだが、やはり本も何冊か買うと結構な値段になる。


あまり金銭的に余裕があるわけではないのもあって、段々躊躇するようになってきた。

それで安く本を手に入れる方法はないかな、と考えた。

それで家の近くに大きめのブックオフがあったので、行ってみることにした。


実際行ってみるとかなりの品揃えである。
(もちろん大型書店に比べれば、劣る。)
しかし何といっても値段が衝撃的だった。

汚れていたり、変色していたりするものあるが、物によってはほとんど新品のようにきれいな本(帯やしおりがそのままついていたりすることもある)が定価の5割~6割くらいの値段になっていたりするのである。

ブックオフをはじめとしてよく古本屋を利用される方なら、「何を当たり前のことを」と思われるかもしれないが、ほとんど古本屋に言ったことがなかった自分には結構驚きだった。
(別に金銭的に余裕があってわざわざ古本屋なんか行くことがなかった、という嫌味な意味ではなく、昔はほとんど本を購入することがなく利用したことがなかったという意味である。)


中には自分が先日、大型書店で購入したものもあった。
美品な上定価の半額程度で販売されており、何だか損した気持ちになった。



こうしてみると実際、物の価値というのはどういうものなのだろう、と考えざるを得ない。

新品と中古、もちろん人の手に一度わたっているからとか汚れがあるからとかそういう要素はあれど、本質的には同じ内容のものである。

しかしそれらに与えられる価値は大幅に異なってしまう。

そこに何とも言えない違和感を感じるのだった。


もちろんそこには然るべき市場原理が働いており、また経済全体を見渡せば物の価値が簡単に大きく変動することなど、当たり前に起きているわけだが。(突き詰めると経済学の話になりそうなので、これ以上はやめておく)


しかし実際それを目の当たりにして、その現象の影響力を肌(+財布)で感じると、理屈ではわかっていても不思議な気持ちがするものだ。



結局5冊ほど気になった本を買った。
新品の新書2冊ほどの値段で5冊(新書4冊+文庫1冊)の本が買えてしまった。


今度から新品の本を買うときは、よほど興味のあるものか、中古では見つかりにくいものか、新刊に限ろうと思った。


こうして本を買い始めたころの気軽な気持ちはなくなってしまった。




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