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記録(2024/4)

書籍

  • 『短歌のジェンダー』阿木津英編著
    歌人協会の公開講座に伺いました。確か大学1年のときにもこの本読んだのですが、日本文学史を勉強してみるとまた見え方も違って大変勉強になりました。

  • 『紀貫之』大岡信

  • 『藤原定家の歌風』赤羽淑

  • 『藤原定家 芸術家の誕生』五味文彦

  • 『日本文学史』小西甚一

  • 『心あひの風 いま、古典を読む』久保田淳他

  • 『暁の明星 歌の流れ、歌のひろがり』久保田淳他

  • 『空ゆく雲 王朝から中世へ』久保田淳他
    久保田先生の対談・座談集三冊。特に『暁の明星』が凄く、「気分は『新古今』」(佐佐木幸綱)、「八代集の伝統と創意」(川村晃生・兼築信行・河添房江)など、毎ページ面白いことが書いてあって感動する。

  • 『隅田川の文学』久保田淳

  • 『カラー図説 勅撰和歌集入門 和歌文学理解の基礎』有吉保

  • 『平安文学の本文は動く 写本の書誌学序説』片桐洋一

  • 『親鸞和讃 信心をうたう』坂東性純
    私は歌で「われら」「わたしたち」と言いがちなのだが、これは結局和讃の「われら」のイメージなんだなと思って我ながら腑に落ちた。「生死の苦海ほとりなし ひさしく沈めるわれらをば 弥陀弘誓の舟のみぞ のせてかならずわたしける」のような。あるいは「げにや安楽世界より 今この娑婆に示現して われらがための観世音」(「田村」)のようなものも。

  • 『歌が権力の象徴になるとき 屏風歌・障子歌の世界』渡邉裕美子

  • 『和歌の図像学』浅田徹他編

  • 『枕草子』(岩波セミナーブックス)渡辺実
    「ひとりになることの意味がよく分からない人」としての清少納言論。それは、『枕草子』を清少納言というカリスマ的な一個人の特殊に還元するのではなくて、定子サロンという環境が生み出したものとして捉え直すことに繋がるのだろう。

  • 『古代国語の音韻に就いて 他二篇』橋本進吉

  • 『漢文と東アジア』金文京

  • 『夢のひとしずく 能への思い』粟谷明生

  • 『能語り』粟谷菊生述

  • 『古典日本語の世界』東京大学教養学部国文・漢文学部会編

  • 『大人には分からない日本文学史』高橋源一郎

  • 『わたしたちに許された特別な時間の終わり』岡田利規

  • 『大江健三郎賞8年の記録 「文学の言葉」を恢復させる』大江健三郎ほか

  • 『薄明穹』楠誓英

  • 『連歌集』島津忠夫校註(新潮集成)
    季節や主題がころころ変わるのが、まるでスポーツ観戦のようで楽しい(この本のつくりによるところも大きい。実況中継のような生き生きとした訳註なのである)。湯山三吟(宗祇、肖柏、宗長)の名残折、しみじみと印象的。

  • 『中世芸能講義 「勧進」「天皇」「連歌」「禅」』松岡心平
    長くなるが、忘れ難いくだりを引用。「新古今歌人たちは、虚構の主体に自己を転位させる役者的想像力により、本歌取りを通して、古典の変形作業を続け、古典変奏のシークエンスそのものを楽しんだ。しかし、その楽しみがよりダイナミックな形で味わえる場が開かれたならば、彼らはそちらのほうへ動いていくでしょう。連歌会こそは、まさに新古今的方法、新古今的和歌の楽しみ方の集団的増幅装置なのです。」p128
    「『平家物語』では、生まれ変わるべき極楽・地獄世界が信じられ、浄土宗的なパラダイスというか、生まれ変わるべき世界があると信じられて、和歌の詠嘆調が最期を飾っている。ところが『太平記』では、現在の瞬間に悟入して生死を超えようとし、その際の禅の偈のきらめきとスピードが末期の眼となっています。つまり、他界を信じないで、今現在の一瞬一瞬がすべてで、それが人間の生そのものであって、それ以外何もないのだ、その瞬間は永遠の今だ、とでもいった態度です。」p203

  • 『少年愛の連歌俳諧史』喜多唯志
    寝ずに一気に読んだ。半分以上、連歌や日記など多種多様な引用で出来ているような本なのだが、少年愛(男色)で道真から芭蕉まで一直線につなぐのは鮮やか。
    今月は連歌に関する面白い本を沢山読んで、なんというか目を開かされた。今更ながらその大事さをよく実感しました。

  • 『日本の文学』ドナルド・キーン

  • 『俳句ミーツ短歌 読み方・楽しみ方を案内する18章』堀田季何
    「詩とは意識された不自然な(もしくは、強調された)言葉の並びである」p41 という端的な定義が印象深かった。

  • 『北のはやり歌』赤坂憲雄
    吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」論に感動します。「リンゴの唄」「津軽海峡・冬景色」について書いているところも本当にいい。

  • 『日本の裸体芸術 刺青からヌードへ』宮下規久朗

  • 『いつかたこぶねになる日』小津夜景

舞台

  • 観世会春の別会「鷺」「縄綯」「道成寺」
    道成寺、衝撃的な舞台だった。前場のシテの姿が目に焼きついている。

  • 銕仙会4月定期公演「当麻」
    たまたま親鸞の和讃を読んでいた日でもあり、浄土の光を浴びた心地…。

  • 第55回朋之会「桜川」「苞山伏」「昭君」
    桜川、いい能である。『少年愛の連歌俳諧史』を読んでいて気付かされることであるが、これも買われた桜子は寺の稚児になるわけであって、名前に引っ張られてしまうが「桜子」は別に女の子というわけではない。

  • ロリィタ短歌朗読ライブ「衣装箪笥のアリス」
    配信・アーカイヴにて。冒頭の方、川野さんが歌を1音づつ読んでいる? のが聞いたことのない朗読方法で驚いた。こんな風にも歌に新しい命を吹き込むことができるのか、と思い魅力的でした。

  • 銕仙会青山能「高砂」

  • 響の会「大原御幸」「川上」「猩々 置壺 双之舞」
    「大原御幸」クセの詞章がすごい。ある意味どんな修羅能より悲惨な曲だと思った。

その他、武蔵野大の能楽資料センターが上げている動画で「箕被」(連歌の話なので)。面白い。


冒頭の写真は、旧岩崎邸庭園から。

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