わたくし率 イン 歯ー、または世界

川上未映子さんの長編デビュー作です。

なんとまあ、変わったタイトルですこと。漢字と仮名しかないのに、  (スペース)があるという、ね。日本語の文章に、普通  (スペース)はないですからね。「率」は「りつ」と読みます。「そつ」ではないです。

本を読んでると、例えば物語の中に、今読んでるまさに今日の日付で事件が起こる場面があったり、電車で読んでると、話の中に出てきた場所を通りかかったりという偶然に出くわすことがあります。

そんな時、私はなんだか嬉しく、得した気分になります。

その最大級な体験がまさに今回、この本でなされた訳です。

何て言ったって、私はこの1ヶ月で奥歯を2本も抜いたんです。タイトルに「歯ー」とはありますが、まさかこの本の内容が(ネタバレ)奥歯を抜く女の話とは、読む前は全くもって予期していませんでした。

世界の因果を感じます。自分が何やら、宇宙の大きな何かに絡め捕られてしまったかのようです。

まあもちろん、私は麻酔はしましたけどね。

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