請求書の消費税の端数処理は切捨てか、切上げか、四捨五入。どれが正しい?
フリーランスの方は、日々請求書のやりとりをされると思いますが、独立してはじめて請求書を発行することも多いですよね。そこでよくある疑問。ソフトなどを使って作成した請求書の消費税に端数が出た場合、切捨てがいいのか、切上げがいいのか、四捨五入がいいのか。1円の差といえど、どうしたらいいのか悩むものです。
消費税法では、消費税の端数計算について書かれた条文はありません。通達という、国税庁内でのルールの中に記載されています。
なお、総額表示の義務付けに伴い税込価格の設定を行う場合において、 1円未満の端数が生じるときは、当該端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理しても差し支えなく、また、当該端数処理を行わず、円未満の端数を表示する場合であっても、税込価格が表示されていれば、総額表示の義務付けに反するものではないことに留意する。
事業者が消費者に対して価格を表示する場合の取扱い及び課税標準額に対する消費税額の計算に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)
つまり、税込価格が表示されていれば、消費税の端数処理は切捨てでも、切上げでも、四捨五入でも、なんでもいいということです。
「総額表示の義務」があるので、税込価格は表示する必要がありますが、税込価格が表示されていれば、請求書に消費税額を表示する必要はありません。
なんでもいいと言われる方が困りますね。。。
多いのは「切捨て」で、次に「四捨五入」でしょうか。これらは、会計ソフトや請求書発行のソフトの消費税の設定で変更ができます。
なぜどの方法でもよいのでしょうか。
実は、納税時の消費税額の計算は、期中の消費税額の計算方法と異なるからです。納税時は、年間の税込み売上などに対し消費税率をかけて千円未満切捨てをします。だから、途中で預かったり支払ったりする消費税の端数処理は事務負担が少ない方法でいいということなので、税込価格さえきちんと把握できればよいことになっています。
なので、日々の取引では、消費税の端数処理はあまり気にする必要はなく、請求の税込価格をきちんと意識すればOKです。
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