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年末調整までに知っておきたい所得控除のこと

オンライン勉強会も今年の3月から始めて25回ほどになります。ほぼ毎週1時間分の新しいスライドをつくり、家からオンラインで配信していると「パパのお仕事はおしゃべりなん?」と娘に聞かれ、妻からは「おしゃべりおじさん」と呼ばれるようになりましたが、時間があればつくりたかったスライドが積みあがってきたのはよかった。

少し掲載が遅くなりましたが先週末のオンライン勉強会は年末調整関連の所得控除でした。

今回のスライド全体版はこちら。


年末調整は、計算自体はほとんどソフトを使うので担当者としてしっかりと理解しておきたい知識は「所得控除」です。

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社員さんにとっては、言われるがままに扶養控除等申告書などを会社に提出し、源泉徴収票と還付金があって喜ぶ。そんな年末調整。

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年末調整とは、年末時点での様々な所得控除などの情報を確定させ、毎月概算で納めている源泉所得税を精算する手続きです。

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本来は確定申告をするのが原則です。しかし、1か所だけから給料をもらっているような場合などは、年末調整をもって確定申告を不要とする制度。

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ただし、すべての所得控除を年末調整ですることはできません。医療費控除などはイメージしやすいでしょうか。源泉徴収票を受け取ってから、確定申告で医療費控除の適用を受け、納めすぎた税額の還付を受けることになります。

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令和2年の年末調整では下記の3枚の用紙を提出します。クラウドソフトを利用している場合、YesNo形式のアンケートに答えていくとこれらの申告書が完成するようになっています。

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今年は基礎控除の改正がありました。長らく38万円でしたが48万円へ。その代わり給与所得控除が10万円引き下げられていますので、多くの場合の給与所得者は増減なしになります。

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基礎控除に関する記載欄はこちら。

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給与所得者の扶養控除等申告書に関わる所得控除

ここからは扶養控除等申告書に関する所得控除を見ていきます。

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まずは扶養控除に関する事項です。

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扶養親族とは下記の要件を満たす親族をいいますが、その中でも年齢16歳以上の扶養親族が扶養控除の対象となります。

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ここで「合計所得金額」という言葉についても確認しておきましょう。所得税で重要になる言葉です。

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確定申告書では下記の青色の欄の合計ですね。

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ここで「生計を一」という言葉も理解しておきましょう。「生計を一」というのは、簡単にいえば生活の財布が一緒だということ。たとえば一人暮らしをしている子供に常に仕送りをしているような場合は「生計を一」といえます。

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控除対象となる扶養親族であれば、控除額の確認をします。年齢で大きくパターンは分かれますが、下記のような控除額になります。

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扶養控除等申告書には、扶養控除に関する事項の他、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除に関する事項の記載もあります。

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寡婦控除も令和2年から「ひとり親控除」が加わったことで区分が変わっています。詳細まで把握している必要はありませんが、担当者として大事なことは、このような控除があるということを知っておくこと。もしかしたら社員が該当しているかもしれないと思えば、声掛けができるようにしておくことだと思います。

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障害者控除なども必要に応じて手帳の確認なども行います。

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それと勤労学生控除。

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扶養控除等申告書は以上です。社員の家族の状況などは変更があることが多いので、注意して確認をする必要があります。

給与所得者の保険料控除申告書に関わる所得控除

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保険料控除申告書は「区分と払った金額」さえ正確に把握しておけば、簡単に処理することができます。

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生命保険料控除は「一般・介護・年金」という3つの区分に分けてそれぞれ計算し、それぞれに控除限度額があります。またその中に「新・旧」という区分があることにも注意が必要です。

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地震保険料も生命保険料控除に似たような控除です。

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区分は「地震」か「旧長期」のいずれかになりますが、こちらも控除証明書に区分が記載されているため、あまり迷うことはないでしょう。

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その他社会保険料控除。

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小規模企業共済等掛金控除があります。これらは支払った全額が控除対象になります。

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今回は、年末調整に関する所得控除のうち、配偶者控除等以外をご紹介しました。計算自体をすべて正確に覚えておく必要はありませんが、全体として申告書の記載事項がどのような所得控除につながるのか確認しておきましょう。

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次回は、配偶者控除といくつかケースを見ることができたらと思います。

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前回参加できなかった方も、今回是非ご参加くださいね!


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