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組織や人が変わるために必要なものは「時間」

昨日は京都の山の奥に行き、金融機関から地方自治体に1年間出向している方と話をしていた。

都会から山の中へ出向し、今までの営業から経済対策の仕事へ。その中で価値観は大きく変わったという。計画の巧拙がどうのこうのというより、人との関係が物事を動かすのに何より大切になる職場へ。

中小企業も地方自治体も同じ構造の組織・社会

話をする中で、中小企業の組織改革とまったく同じだなという話になった。経営者がいくら号令をかけて組織改革をしても、社内を取り仕切るキーパーソンが動かなければ組織は何も変わらない。古い顧客との関係性もあるだろう。昔からの馴染みの取引先の要望を聞きすぎて、社内システムに特例が生じる。表面上はうまくいったとしても、折を見て元の状態に戻る。そんな現場を何度も見てきた。

地方行政もそうだろう。改革派の行政の長がやってきたとしても、役場内の人員はほとんど変わらない。配置転換をしたことも町の人たちが全て知っていて、昔の担当者や上長に口利きをしてくる町の有力者。そしてトップが変わったり、外からやってくる人がいなくなれば、町は元に戻る。その人たちはいいかもしれないが、いずれ志がある人は去り、地方は衰退する。

変化を持続させるには「時間」の概念が大切

硬直化した組織・社会を変えるには、トップの本気度、外からの働きかけ、組織内の中心改革メンバーが必要で、なにより時間が必要。

その中で、自分はいつも外からの働きかけをする立場にあるのだけれど、どうしても「時間」が足りないと感じることがある。

組織を変えるというのは、1年のプロジェクトで終わりということはなかなか難しい。もちろん時間を区切って本気で取り組むことも重要なのだけれど、1年で人や組織がすっかり変わるということはない。

その中で、最初に「変わることには時間がかかる」ということをいかに覚悟しておいてもらうか。最近はそんなことを考えて、できるだけ長期間で関わらせてもらえるようにしようと考えている。1年かけて変えてきたことが、また元通りになってしまうのはあまりにも悲しい。

彼が金融機関に帰ってきたときにどのような仕事をするのかは分からない。彼が帰ったあとの町は何もなかったかのように元に戻るかもしれない。でも彼が30代前半で経験した1年は、きっと彼の人生にとっては代えがたい体験となるだろう。





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