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#10 特色インキ「蛍光とメタリック」のはなし

こんばんは。グラフィックデザイナーの安村シンです。

今回は、前回に引き続き「特色インキ」の話をします。
その中でも「蛍光」と「メタリック」というインキに注目して、
身の回りの印刷物を解剖していく形でご紹介していきます。

1.ハッと目を引く「蛍光インキ」

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突然すみません。
もしこんなふうに、いきなりショッキングなピンクが現れたら、
多くの人は、目が驚くはずです。

上の例では液晶を通しているため、実際の蛍光インキの見え方よりもパワーが弱いはずですが
少しでも「蛍光色」の力を感じていただけたと思います。

目を惹く力のある蛍光インキ。
使用したデザインは、探せば意外と身の回りに見つかります。

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(↑こちらは手元にあった、おそらく蛍光ピンクを使用した本)

こちらの蛍光ピンクは、CMYKのピンクに近い「M(マゼンタ)」と比べてみても
発色が抜群にいい色です。

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(↑こちらは手元の紙サンプル「グラディアCoC」のCMYKとの比較。画面だとややわかりづらいですが、鮮やかです)


2.マンガ系の表紙での活躍

蛍光インキは、漫画系のデザインで使われるケースをよく見かけます。
CMYKでイラストを印刷して、タイトルなどに特色でアクセントをつける例が特に多いように感じます。
手元に、漫画のデザインを扱った「MdN DESIGN&GRAPHIC」がありましたが、こちらでも蛍光オレンジが効果的に使われていました。

スクリーンショット 2020-04-16 20.36.39

(↑まぶしいほどのオレンジ、なんです!)

こちらのMdNはなんと、やや色味が落ち着く「マットPP」加工のうえに蛍光オレンジを乗せているようです。上品な質感にショッキングなオレンジで、大胆にあしらった「漫画」の文字が目に飛び込んでくる仕様。素敵なデザインです。
(ジャケ買いならぬ、表紙買いしました)

表紙に蛍光インクをつかった漫画は、本当によく見かけます。
店頭でまぶしい本をみかけたら、「これはひょっとして・・・」と思ってもらえたら幸いです。

3.キラッとひかる、メタリックインキ

特色のなかで触れずにはいられない、もうひとつのもの。
それはメタリックインキです。

読んで字のごとく、仕上がりがキラッとひかる特色です。
金や銀などが特に人気です。

印刷なのでもともとの紙の色・質感はそのままに、部分的に光らせることでアクセントや高級感を加えることができます。
私の手元にもいくつか、メタリックインキを使用しているものが見つかりました。

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(↑富士山が、キラッとしている!中村佑介さんのカレンダー、素敵です。)

キラッとした印刷物には、「キラッとした紙に白を引いているパターン」か
白い紙にメタリックインキを印刷しているパターン」か。
または箔押ししているかのどれかと思われます。(箔押しについては、また後日。)

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(↑ここまでキラッとしたら箔押し。中村佑介さんの画集。素敵です!)

上のような箔押しのほうが、キラキラ度は圧倒的に上です。
ですが一方で、メタリックインキは紙の質感を生かすことができるのも優れた点で、たとえばこんな本では、

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ゴワゴワした質感を活かしたまま、メタリックシルバーが印刷されています。

白の部分には紙の質感がそのまま活きていますが、シルバー部分もばっちり質感が残っています。

4.金銀だけじゃない

メタリックインキには、じつはかなりの種類があります。
手元の「PANTONE METALLICS」のサンプルを見てみると・・・

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(↑すさまじい種類!!)

こんなにたくさん…
金銀だけでは収まらず、メタリックブルー、グリーン、パープル・・・
夢がふくらみます。


おわりに

以上、蛍光インキ、メタリックインキの紹介でした。

これらの特色インキを使用すれば、表現の幅が広がります。

どうしても目が惹きたい時。
高級感、特別感を出したいという時。

頼りになってくれる知識です。
ぜひお見知り置きを!

(最後までお読み頂き、ありがとうございました!)

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