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研修1年目 #9

研修1年目は毎日が新しい発見や学びの連続で、とても充実した日々を過ごすことが出来ました。野菜は種類ごとに栽培方法や収穫の仕方が異なるので、それらを覚えるだけでも私にとっては四苦八苦。恥ずかしい話、最初は野菜なのか雑草なのかわからない作物もありました。

研修1年目で一番印象に残っている作業。それはなんといっても、雑草取りです。播種・定植・収穫とともによく行った作業の一つでした。有機栽培において最重要課題とも言えるのが、雑草との戦い。有機栽培を行う上で、雑草の発生を抑える方法がいくつかあります。

例えば、作物を植える前に畑に透明なビニールマルチを張って、それを一定期間置くことで太陽の熱で雑草の種を死滅させる太陽熱土壌消毒という方法。また、作物の株元に黒などの有色のビニールマルチを張ることで雑草の発生を防ぐ方法など。

太陽熱土壌消毒の様子

他にもいくつかあると思いますが、問題は雑草が生えてきてしまったら・・・なのです。除草剤等の農薬を使用しない方法で作物を生産する有機栽培において、出てきてしまった雑草への対処法は、とにかく手作業で取り除くのみ。

通路や開けたスペースに生えたきたものに関しては、刈払い機や立鎌などを使って取り除くことができますが、株元などの作物が込み入ったところではそれらの道具は使えません。なので、とにかく手作業で引っこ抜く。来る日も来る日も引っこ抜く。

玉ねぎの株元の雑草を取り除いている様子

そもそも、なぜそこまで雑草を駆除しなければならないかというと、雑草が覆い茂って作物より大きくなってしまうと、作物がそれ以上大きく育たなくなってしまうからです。これは、生産者にとっては死活問題です。

それでいうと、研修1年目の年はねぎの除草作業には大苦戦しました。苗を定植してすぐの6月から7月にかけてスタッフ総出で頻繁に草取りをしましたが、初夏の暑さのせいもあって段々と草を取り除くペースが間に合わなくなってしまい、最終的には全てのねぎが雑草に覆われてしまったのです。完全なる敗北でした。雑草の威力を思い知らされました。

また、販売面でも学びが多い1年でした。旬のおまかせ野菜セットを各ご家庭に直接宅配する他に、定期的に開催されるマルシェにも参加させていただきました。

マルシェにてズッキーニの説明をしている様子

自分が生産に関わった野菜たちを、買いに来てくださるお客様に直接販売できたことは、とても貴重な経験になりました。そして、販売する際には生産者だからこそわかる、野菜に対する知識や注意事項などをわかりやすくお伝えすることの重要さにも気がつきました。

さらに、全国各地から取引先の飲食店関係者の皆さまが畑に視察や農作業体験にいらしてくださり、野菜を扱う上でのご意見や味の感想などを直接お聞きできたことも、とても参考になりました。

レストラン『DA OLMO』の皆さんと畑にて

どのように野菜たちが使われているのかをお聞きしたことで、野菜を発送する際もより調理されるイメージを膨らましながら箱詰めすることが出来るようになったと思います。

DA OLMOのシェフの方々が農園の野菜を使って振る舞って下さった食事

そして、特にこの年に得たことと言えば、農作業に必要になる各種資格です。1年間で取得した資格は以下のものとなりました。
・バックホー免許
・フォークリフト免許
・大型特殊(農耕用)免許
・けん引免許
・アーク溶接免許 など

ただ、資格は取ったものの作業の技術的にはまだ未熟なところが多いので、就農しながら一つひとつのクオリティを上げていきたいと思っています。また、必要とあらばこれからもどんどん資格取得に挑戦してゆきたいです。

トラクターでの耕うん作業

とにかく吸収することに努めた研修1年目のシーズンは、そんなこんなであっという間に過ぎ去っていきました。

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