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日本最古の調査機関で、企業や官公庁から年間約2000件ほどの調査依頼を受け、取材、アン…

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日本最古の調査機関で、企業や官公庁から年間約2000件ほどの調査依頼を受け、取材、アンケート調査、データ分析の仕事をしています。多くの方がリサーチの力を知り、スキルを身につけて頂くための活動に取り組んでいます。慶應義塾大学大学院(MBA)

最近の記事

だれに聞くべき?調査対象の選び方

 必要な情報を得るためには、どんな人やグループに尋ねるべきでしょうか。全員に聞くことができない場合に、何名かを選んで聞くとき、彼らはその集団を代表しているといえるのでしょうか。どのような選び方があり、どのようにその選び方を決めたら良いのでしょうか。  手軽さでネットリサーチは広く行われていますが、対象先はリサーチ会社が用意してくれます。そのため、調査者は聞く内容と比べると、「だれに聞くか」はあまり意識せず実施しているケースも多いと思います。しかし、対象をどのように設定するか

    • デスクトップ調査のテクニック

      デスクトップ調査とは 調査は大きく、フィールド調査とデスクトップ調査とに分けられます。フィールド調査はアンケート調査やヒアリング調査など、人や組織に直接アプローチして生の情報を得る方法です。一方、デスクトップ調査はメディアやインターネットなどに公開された情報を収集する方法で、文献調査ともいわれています。  デスクトップ調査で得る情報は、新聞、雑誌、公開企業の財務諸表、営業報告書、学術論文など、一般的な活字媒体やインターネットから得られるデータ、情報、知識です。諜報などのイン

      • 回答率10%アップ!聞き方のポイント(その3)

        人との面談やアンケートで質問にうんざりしたり、答えにくい質問に嫌気がさしたことはありませんか?人に何かを聞くとき、聞き方や質問の構成が悪いと、回答者の負担感や抵抗感は大きくなってしまいます。 前回までは、回答者を困らせてしまう質問の仕方や、人が何かを評価するときに発生する歪みについて、以下のnoteで説明してきました。 今回は、回答者の抵抗感や負担を抑えて協力を得られやすくし、回答率を高めるための実践的なテクニックについて書いていきます。 ◆回答の抵抗感を低減する工夫と

        • 回答率10%アップ!聞き方のポイント(その2)

          人にものを聞くとき、どんな聞き方でも意図した内容が伝わり、回答が同じように正確に返ってくると期待できるでしょうか?聞くときの情報の出し方や質問の仕方によって、回答にバイアスが生じたり、不正な調査を行うことが可能となります。 前回は、答えにくさを生じさせる不適切な質問や、特定の回答に誘導する質問などについて説明しました。 今回は、人が何らかの対象を評価する時に生じるバイアスとその対処法について書いてみたいと思います。 ◆評価は無意識に歪んでしまう例は、「訪れたいと思います

        だれに聞くべき?調査対象の選び方

        • デスクトップ調査のテクニック

        • 回答率10%アップ!聞き方のポイント(その3)

        • 回答率10%アップ!聞き方のポイント(その2)

          回答率10%アップ!聞き方のポイント(その1)

          あなたは人に質問したとき、相手の顔に「?」が浮かんでしまったことはありませんか?人は、知識、理解度、解釈の仕方、判断の基準において、様々な違いがあり、聞き方を間違えると、意図した通りに相手に伝わらず、回答に誤りや歪み、偏り(一般的にはバイアスと呼ばれます)が生じてしまいます。正確な情報を集めるためには、偏り(バイアス)を極力減らしていく必要があるのは言うまでもありません。 では、間違った聞き方とはどんなものがあり、バイアスを減らすための正しい聞き方や工夫はどのようにすべきで

          回答率10%アップ!聞き方のポイント(その1)

          いまさら聞けない 調査の基礎知識

          ◆なんのために調査をするのか 調査はどのような目的で活用すべきでしょうか。  ビジネス分野では様々な目的で調査が行われています。  ある商品を販売する責任者は、買ってくれそうな人はどのような人達か、どのような告知をすればよいか、いくらで売れば買ってくれるか、何処で売ればよいか、ライバル商品は何か、などを知るために調査を行います。経営者は、適切な戦略をとるために事業を取り巻く外部環境を分析し、競合の活動を把握し、市場の将来を予測するために調査を行います。M&Aやアライアンス

          いまさら聞けない 調査の基礎知識

          年間2000件の調査依頼に応えるプロは、なぜ最初にググらないのか?

           調査をする時、量・質ともに十分とは言えないにも関わらず、少しの探索で打ち切ってしまったり、断片的な情報だけで満足してしまっていないでしょうか。盲目的にとりあえずグーグル検索をして時間ばかりかかってしまった経験はないでしょうか。  調査の迷路に迷わず、正しい情報に辿り着き、最適な意思決定につなげる優れた調査は、ちょっとした「お作法」を身に着けるだけで実現することができます。  ◆それは調査とは言えません。 ビジネスの場面で、大小さまざまな調査が行われています。次のような調査

          年間2000件の調査依頼に応えるプロは、なぜ最初にググらないのか?

          業歴130年の調査機関で働くリサーチャーが伝えたいこと

          ◆それ、調査ではありません 意思決定をする様々な場面で、どの程度の情報を集めて判断していますか?ググって終わりにしていませんか?断片的な情報だけしか集まらず「エイヤッ」と勘・経験・度胸(いわゆるKKD)で決めてしまった経験はないでしょうか。  あらゆる意思決定の前に存在し身近であるはずの調査ですが、不十分な調査、やったつもりの“なんちゃって”調査しかしていないケースが多いのではないでしょうか。Googleで検索して、検索結果のうち、情報がありそうなサイトにアクセスして戻り、

          業歴130年の調査機関で働くリサーチャーが伝えたいこと