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【読書感想文】稲森哲夫の哲学


「哲学」とは言えとても読みやすく、週末で一気に読み切ったこの本。

稲森和夫さんはご存知、京セラの創設者である実業家の方です。
この本を読むまでは名前を存じ上げている程の認識でしたが、パラパラと本をめくった感じで気になるワードがたくさん出てきたので、今回読んでみました。


この本のテーマは「人間は何のために生きるのか」
壮大な議題ですが、内容は「意識について」「欲望について」「自由について」など、多角な切り口から本テーマについて紐解いているようでした。


どのテーマにおいても基本的に、仏教の思想がベースに強くあるなと読みながら感じていました。現代の悩みとなっている事も、実は昔から答えは出ていたよね。利己的に物事を考えれば欲や不安は尽きないけれど、世のために尽くし貢献していく事で、豊かにしていく事ができるよ、というような…


テーマとなっている「人間は何のために生きるのか」については、稲森さんは「自分の人間力、いわゆる自身の魂を高めていくこと」と位置付けていました。

物事を考えて行動できる「人間」として生まれたからには、世の為人のためになるよう利他的な思考を持ち、人間性(=魂)を高めていく事。その修行の一環として、人は色んな経験をするのだと記されていました。

お釈迦様も「人生は苦なり」と説いていますが、この「苦」というのは、決して悪い事だけではなく、成功も含まれています。
成功した際も、驕らずに謙虚でいられるか試されているのだと言います。
ここまで京セラを大きくした方が放つこの言葉には、とても重みを感じました。



この本をきっかけに、私もより仏教についての思考を深めたいなと感じた1冊でした。

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