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中国転職の試み、そしてver4.0へ

お久しぶりです。この1年はnoteの更新を怠っていましたが、誕生日を迎え、改めて2020年を振り返ってみたいと思います。

2020年は、誰にとっても制約が大きく、辛い1年になりました。見通しが立たないストレスを抱えながら、それでも環境に適応し、毎日を逞しく生きていく。人間や社会は、思ったよりも力強く出来ていると感じました。

近いようで、遠い中国

この1年、自分の中で一番大きなチャレンジは、中国への転職を試みたことでした。

コロナで社会も経済も荒波にもまれる中、20歳の頃から言い続けていた「25歳までには中国へ進出したい」という思いを、どうしても諦めることができませんでした。

現職で、様々な海外のITサービス、とりわけ中国のテクノロジー動向について情報収集するたびに、どうしても対岸が「将来」を代表しているように感じていました。

日本は、何年たったらその世界を実現できるんだろう。なぜ、こんなにも寂しさを感じてしまうんだろう。調査すればするほど、自分がどんどん「過去」に置いてけぼりにされている感覚を持ちました。

ただし華々しい海外でも、現実は非常に残酷なものです。目まぐるしいスピードで創造していく世界の裏では、若者が寿命を犠牲にして企画を練り、結果を残せば職場で生き残り、失敗すれば淘汰されていく。中国の友人の体験談や、「996(9時から21時まで、6日間)労働」に関する報道を見ていると、それに真正面から戦える自信は全くありませんでした。

それでも、「社会人3年目」という節目において、ポテンシャル採用の賭けに出てみたかったのです。中国人と真っ向から競争するのではなく、日本人というカードを使ってどうにか差別化を図れるのではないか、と。

天の時・地の利・人の和

思い立ったが吉日。決心をしてからは、「1日1応募」のKPIを立てて、国内外の求人募集を片っ端からから見ていきました。

応募をする過程から、中国の現地企業へ直接行くにはまだまだ経験と信用が足りないことが分かり、以下2つの方針で応募をすることで徐々に書類通過の成功率が挙がっていきました。

①中国企業の日本法人
・いきなり海外転職する前に、まず疑似体験をして慣らすには最適
・今後本社出張や商談を通して、現地企業とのつながりが持てる

②日本企業の中国法人
・中国に直接行く手段として一番確実
・日本語・中国語(・英語)という語学能力がちゃんと武器になる

面接は思ったよりも順調に進み、計3社からオファーを頂くことができました。その中には、好待遇で中国で働きつつ投資経験を積めるという、本気で転職を決めようとした魅力的なオファーもありました。

しかし、問題はやはりビザでした。ちょうどオファーの話が出たときに、世界各地でコロナの勢いがぶり返し、中国でも新しくビザを発行するのを停止してしまいました。

こんなにも不安定な今、本当に賭けに出るのか。家族から強い反対を受けた際に、母親から投げかけられた「天の時・地の利・人の和が今のあなたには無い」という言葉が強く心に残りました。

「天の時・地の利・人の和」とは孟子の言葉で、その3つの要素がぴったりかみ合ったときに人は成功するということを伝えています。
それぞれの意味をざっくり言うと、
天の時:天の与える機会、ベストタイミング
地の利:有利な地理的条件、今おける環境の強み
人の和:人との協力、団結

コロナで世の中が混乱している中、天の時を得られているのか。
日本にいてビザが得られない中、地の利を得られているのか。
家族からの強い反対がある中、人の和を得られているのか。

成功する要素が一見無いのであれば、それでも自分を貫きたいのか。

自分は結局中国で何をしたいのか、人生をどのように生きていきたいのか。

そうやってぐるぐる考え迷い、振り子のように揺れる毎日を1週間ほど過ごしていました。そんな時に、思いがけないチャンスが舞い降りてきました。

新しいチームで、何者かを見出していく

中国転職に踏み込むかどうか迷っていたその週の終わり、奇跡のような一言を告げられました。

「2021年1月から、サービス企画をするチームにジョインしてもらいます」

前々より、機会があるごとに「もっと現場に近寄って経験を積みたい」とマネージャー層に希望を出していました。それがようやく受けいれられ、グループ会社で新設されたチームに、兼務という形で配属されることになったようでした。

「これは今、日本で経験を積みなさいという天の思し召しだ」と不思議に心が静まり、何のためらいもなくオファーを辞退しました。

中国に行ったとしても、自分を支えるほどの即戦力や自信がないことを恐れていたのを自覚していました。だからこそ、これまでのリサーチ業務から一歩踏み出し、現場と一緒にサービスを企画し、実現まで伴走できる今回のチャンスには本当に救われました。

足掛かりとしてのMBA

ただし、心の奥底にある海外転職への炎はまだ消えていません。自分が何者なのか、輪郭だけでも掴んでおく。その期間として、自分に2年の猶予を与えることにしました。

なぜ2年なのか。
それは、MBAにかかる準備期間が2年程度と見込んでいるからです。

次に中国に行くための手段として、今はこの2つしか道筋が見えていません。
①スペシャリストとして即戦力を鍛え上げる
②MBAポテンシャル採用を利用する

(中国人のパートナーを見つけたら話は別かもしれませんが、他人に依存した選択肢はいったん無視しておきます)

スペシャリストになれるかどうかは、現状まだまだ見通し不透明ですが、今回のチャンスを活かして幅広く挑戦した末に、自分の登る山を決めたいと考えています。

一方で、自分が再度海外転職を目指した際に、スペシャリストと語るには不十分だからと諦めることが無いよう、いつの日にかMBAを利用する時のために勉強を開始することにしました。

ちなみに初回TOEFLのスコアが先日出て、MBA合格までの道のりの長さを思い知りました(笑)

図1

社会人になると勉強の時間も限られてくるので、MBA勉強をこなしてきた先輩方には頭が上がりません。

2年は何かを実現するには単なる誤差かもしれませんが、何かを学ぶには十分な長さです。どうせならテストのための勉強だと思わず、これからのキャリアを見据えて英語力を高めていきたいと思っています。

最後に:『スタンフォード式 人生デザイン講座』

今回、自分の人生設計を考える中で非常に役に立った本がありました。

この本には、スタンフォードで教鞭をとる著者によるキャリア設計の方法論や、実際に頭や手を使って考えるような演習がたくさん書かれています。

たとえば、本の中でハッとした言葉や、それに基づいて実践したエピソードを紹介してみます。

「人脈作りは道を尋ねると同じこと」

正直それまでは、「人脈づくり」という言葉にアレルギーがありました(セミナーやディナーでの名刺配りのイメージがありました)。人生談をとにかく聞きに行こうと思考転換がおきたおかげで、面白い挑戦をしている人と知り合いになれたり、最終的には中国で活躍するヘッドハンターにも紹介していただけました。

「いきなり大きく変えようとせず、未来にそっと近づいてみること」

いきなり海外の現地企業にアタックしていましたが、まずは小さいスケール・範囲でいいので試行錯誤を繰り返し、徐々に未来へ実現していこうという考えに至り、行動の方針が変わりました。それは結局、書類の通過率UPにもつながったと思います。

自分の行動をもってこの本が完成するようになっており、「本を読んだところで行動に移さないと意味がない」という本質を強く感じさせてくれた名著だと思っています。

皆さんのライフデザインにも参考になれば幸いです。

今回もつらつら書きましたが、ここまで読んでいただけて嬉しいです。
また明日から頑張りましょうね。

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