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労務担当者の次のステップを探して

突然ですが、僕自身が10年ほど社労士事務所で勤務していました。

なぜ就職したかというと、単純に専門的な仕事に憧れたからです。
当時の事務所の古株社員には、マニアックなことを知っててこそ社労士事務所、のような雰囲気の人もいたりしたので、「知識がない奴=使えない奴」的な強迫観念もありました。
そうやって、知識を起点にして、仕事をしていたので苦しかったです、単純なインプットをしなきゃいけないし、すぐに成果の出ないものも多いし。

初めはついていくのが精一杯でした。
資格試験の勉強もしました(ダメだったけど)。

で、途中で気がついたんですよね。違うぞ、と。
この時にふと、専門家になりたいってイメージの解像度が変わりました。
僕は、専門的な知識を使って、顧客の事業成長に寄与したいんだよね、決して法律学者になりたいわけじゃないんだよね、と。当時、10年くらいは修行期間だとも言われ、そのまま信じて働いていました。確かにあれもこれも身につけようとすると、それくらいの分量はあるかもしれません(足りないかもしれません)。なので土日も働きました、深夜まで働きました。少なくとも普通のメンバーの3倍は仕事したと思います。

社労士事務所では、3年ほどすると多くのメンバーが一人で仕事を任せられると同時に、たくさん辞めていきました。何件か別の事務所にも聞いてみたのですが、どうやら他の事務所でもその傾向はあるようです。
転職先は、というと大企業の労務担当、もしくは同業というケースが多かったです。つまり、社労士事務所勤務からの出口(転職)は、別の企業の労務担当になるか、同業になるか、はたまた独立か、に寄ってしまう気がします。

僕はというと、相変わらずずっと働いてました。
ある日、前述の顧客起点の思想が腹落ちした瞬間に、全てが変わりました。
自分で身につけないといけない知識の取り入れ方、体系的な幹となる部分の勉強方法、新しい情報の追い方、全部が変わりました。
相手にサービスを提供する姿勢も変わりました。

例えば、いわゆるグレーゾーンにも自信を持って答えるようになりました。
僕らは役所ではないし、白黒のあるべき論を問われているのではないということにいまさらながら気がついたのです。もちろん、法違反が存在していることは良いことではないです。が、グレーゾーンに置かれていることは、相手にとって想像以上にしんどいです。
「様子を見ましょう」を言う方は簡単です。楽です。
けれど、ずっとそんな風に言われる顧客はどれだけ大変だろうか、と。

なので、振り切りました。これまでのスタッフ像、やり方ではダメだと。
まず、グレーゾーン問題のように、労務担当者を苦しめているのは何か。そして、そのアウトソースを受ける、士業事務所の担当者を苦しめているのは何か。最初にあがるのは、レギュラー業務が標準化・効率化されていないことです。会社が設備投資してくれない、業務の価値が伝わりにくいことです。

労務担当者は多くの場合、各社の秘伝のタレ、家庭の味を守る仕事に従事しがちだと思っています。つまりポータブルなスキルではなく、その企業でしか、通用しないスキルです。
また、特に中小企業だと出産・育児を機に、退職せざるを得ない、キャリアを断絶せざるを得ない、という事情も多いように思います。

まさに労務担当者小説の「小野寺さん」状態です。


ここをSaaSを普及することで解決しようと決めました。

労務 × IT だけでも希少性の高い時代でしたので、すぐに取り組みました。
ありがたいことに顧客は増えましたが、僕はというとほとんど眠れずに、しばらくは「座ってご飯が食べたい」と言うのが一番の希望でした。それくらい働きました。こなせる人が僕以外に、僕の周囲にはいませんでした。

そんなに頑張っても、せいぜい10社くらいにしか寄与できませんでした。
個人の力というのは弱いものです。「個の時代」「個の力」という世の中の流れは否定しませんが、僕にはフィットしませんでした。
そして何より、組織でメンバーと一緒に達成する方が好きなんだなと改めて気がつきました。

そこで会社を作りました。
労務 × ITをやっていたメンバーもたくさん入社してくれました。
さらに、マーケットからは労務とIT以上のものを求められるようになったと感じています。そこで、「SaaSを利用できる」、これだけでも士業事務所スタッフ、労務担当者は目に見えてスキルがわかるので、これまで限定的だった出口が変わるかもしれない、と考えました。

※弊社の採用ピッチを掲載します。


今ではSaaSのオンボーディングを組織的にやり続けること、に挑戦しています。小さく独立する、もしくは企業労務への転職という出口になりがちだった士業スタッフ(もちろんそれを望んでいるのなら何も問題はないです)、また、企業労務だけだとスキルが頭打ちになる不安、こういった課題も解決できるのではないかと思っています。

・顧客とディスカッションすることで、課題を明らかにしてSaaSの選定をお手伝いする
・そもそもの人事労務の課題を、テクノロジーを導入することで解決する
・利用方法や、運用・保守に悩む企業担当者へSaaS定着のサポートをする
・忙しすぎて設定をする間がなかったり、どこに問題があるかを確認する暇もない企業担当者に変わり、SaaSを細部まで設定するサポートをする
・アップデートがあったときにレクチャーを実施していく など

こういった、知識起点ではなく顧客起点の、新しい労務分野の、専門的なお仕事が作れる、新しい出口が作れる、と感じています。

さまざまなポジションでメンバーを募集しています。

いますぐ不満があるわけではないけど、
・今の事務所勤務のままで良いか悩んでいる
・資格勉強は続けていきたいけど、開業や社労士業務というより別の形で世の中の役に立ちたい
・労務担当者としてのキャリアに悩んでいる
など、答えが見つかりにくいお悩みをお持ちの方はぜひオンライン会社説明会にご参加ください。何かお役に立てるヒントが得られるかもしれません。

労務分野に携わると、どうしても機密情報も多く、同職種も社内におらず孤立しがちです。相談することすら難しいです。

ぜひ、お気軽にご参加ください。お待ちしてます!!



中小企業にクラウドサービスを広めて、IT化を進めることでひとりでも多くの人を、家族を、企業をしあわせにしたいと思っています! サポートいただいた資金は、地域の飲食店にてしっかり使っていきたいと思います!