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【第6回県民意見交換会in信州大学教育学部】「教員の魅力と私たちが考える教育の未来」が実施されました。

2024年1月17日に信州大学教育学部にて
第6回信州学びの円卓会議県民意見交換会が実施されました。
本記事では、その概要をお伝えします!

より良い「長野県の子どもたちにとって最適な学びのあり方」について幅広く検討していくために、本県民意見交換会に参加いただけなかった皆様からも、本テーマに関する意見や想いを募集しております。

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実施概要

実施日程 :令和6年1月17日(水)15:00~17:00
場所 :信州大学教育学部 北校舎講義室N301
参加者 :
・長野県知事 阿部 守一
・信州学び円卓会議運営委員会委員3名
・教育学部学生、教育関係者、その他テーマに関心・関わりのある方

テーマ :「教員の魅力と私たちが考える教育の未来」

■タイムテーブル
15:00~15:10 開会行事、意見交換会の趣旨説明、委員紹介
15:10~15:20 アイスブレイク
15:20~15:35 グループワーク①
 あなたにとっての「こんな教員になりたい」「こういう教員が増えて
 ほしい」「こういう教育・学びが拡がってほしい」という願いは?
15:35~15:50 インスピレーショントーク(「転換期を迎えている教育習」)
15:50~16:10 グループワーク②
 ”教育・学び”、そして”教員"に関して「なんでこうなんだろう」「もっと
 こうだったらいいのに」「こんな事できたらいいのでは?」と思うこと
16:20~16:50 全体共有
 「変えたい現状・あたり前を変えるために」
16:50~17:00 閉会行事

当日の様子は下記youtubeにて公開しております。↓


グループワーク
全体集合写真
当日の議論に関するグラフィックレコーディング

■意見交換会に共有された主な意見

《あなたにとっての「こんな教員になりたい」「こういう教員が増えてほしい」「こういう教育・学びが拡がってほしい」という願いは?》

子どもを縛らず、自由に学ぶことを尊重する
・学びをするうえで、子どもが自由であってほしい。
・子どもが自ら創る、「やらされ」ではない学び。
・時間割で縛られない学び。
・学ぶ場所、学び方、教え方を自分で考えて自分で決められる。
・「遊びながら学ぶ」ことが大切。
・子どもたちのニーズに合った学びの環境づくりができる教員。
・子どもの好きや得意を伸ばすことができる教員。

一人ひとりの個性を認め、向き合うことができる
・クラスで見るのではなく、一人一人を見る、個を大切にする教員。
・自分の興味や関心を認めて伸ばしてくれる教員。
・一人一人の子どもと正面から向き合う。
・「寄り添い上手な先生」。
・子どもと本気で向き合って話を聞き、理解しようとする教員。
・子どもの気持ちや話を急かすことなく、待てる教員。
・子どもを一人の「人」として認めてあげる。
・様々な価値観やその変化を受け入れることができる教員。

子ども目線で共に楽しみ・共に学ぶ教員
・子どもと一緒に学びや成長を楽しめる教員。
・理想の教員とは、子どもにとって「尊敬できる友達」。
・「学び」だけでなく、「遊び」を大切にできる教員。
・「子どもとは」「大人とは」に縛られない柔軟な思考の教員。

子どもを第一に考え、新しいことに挑戦し・学び・成長し続ける教員
・新しいことや挑戦すること、時に失敗することも恐れない教員。
・教員の挑戦を応援できる、失敗したときも支えられる学校体制。
・「普通」や「あたり前」を捨てられる教員。
・自ら生徒の未来を考えて、必要な経験をさせてあげられる教員。
・地域を大切にする、文化、伝統を大切にする。
・ただ知識を教えるのではなく、子どもにその「美しさ」を教えることができる教員。
・教員自身が学校内外に様々な経験を持つことで、視野を広く持つことができる。

精神的・時間的にゆとりがあり、魅力のある教員
・仕事だけではなく私生活も大切にできれば、子どもにとっても魅力的に見える。
・子どもにとって魅力的な教員とは、仲のいい友達であり、頼れる大人でもあること。
・子どもと同じように笑顔で学びを楽しんでいる教員。
・仕事にも私生活にも「余白」がある教員。
・「働きやすさ」と「働きがい」の両立。
・教員として授業づくりに専念できる環境。
・教員も楽しんで学校に行くことができる環境。

子どもが安心安全で居心地の良さを感じられる教育環境
・子どもが安心して他者との関係性を築くことができる環境。
・本当の自分を隠すことなく、自らを出せる学校。
・学校が、子どもにとって行きたい「居場所」になること。
・お互いに他者の気持ちを想像し、尊重できるクラスづくり。
・子どもが将来に明るい希望を持てる。

社会で必要な力を子どもに伝える
・これからの時代の創り手となる子どもが、今必要とされている力、未来で必要とされる力を身につけること。

地域と共に学びをつくる
・閉ざされた学校ではなく、地域に開かれた、地域と連携できる学校が重要。
・保護者や地域が「監視者」ではなく、「協力者」になる学校運営。

《”教育・学び”、そして”教員"に関して「なんでこうなんだろう」「もっとこうだったらいいのに」「こんな事できたらいいのでは?」と思うこと》

教員の余白を確保する
・教員にゆとりがないので、もっと教員自身が自由になって、楽しむことで子どもにも良い影響がある。
・ICTの活用や授業の効率化も進んでいるが、業務が減っている感覚が少ない。
・教員一人で見る子どもの数が多すぎる。
・休暇が取りづらい印象がある。
・残業が多い印象がある。
・教員も、集団として他者と同じように行動することを求められることが課題。
・授業だけでなく部活動や保護者対応、生活指導など教員に求められていることが多く、常に時間にゆとりが無い。
・家庭を取るか仕事を取るかを迫られる現状。
・教員として授業づくりに専念できる環境が必要。

入試や評価のための学びからの脱却
・学校は、試験のための勉強ではなく、学びや知識の楽しさを教える場所であるべき。
・日本全体として、学びが試験やテストをクリアするためのものになっている。
・高校入試、大学入試の方法を見直す必要がある。
・いくら面白い授業づくりをしても、それが入試やテストにあまり繋がらない。

教員同士の相互理解・連携推進
・教員間のコミュニケーションを柔軟にすることで、同僚との繋がりができ、教員にとって安心できる職場環境になる。
・一授業一教員にこだわる必要なはい。
・年代や職歴を超えて、教員同士で対等に意見を言い合える環境。
・子どもだけでなく教員によってもやりたい学びや活動は異なるので、部活動に力を入れたい教員、探究学習に力を入れたい教員等、マッチングできるといい。

教員の職業イメージ向上
・世間的な教員の職場環境に対するイメージが悪く、親や周囲に反対されることもある。
・本来は子どもの学びに伴走できる魅力的な職業であるが、私生活が成り立たなければなりたいと思えない。

保護者と学校がお互いの状況をよく理解する
・保護者の要求も様々なものがある。とにかく入試に合格できるようにして欲しいという声もあれば、学びの楽しさを教えてほしいという声もある。
・学校と一緒に、保護者も学びへの認識をアップデートしなければいけない。
・保護者と学校がお互いの悩みや状況を共有し、連携することが重要。
・保護者や外部から批判されれば、教員自身に対抗するすべがない。
・失敗を許さず、何でも学校や教員の責任にする社会の風潮を変える必要がある。

限りあるリソースの活用
・教材研究は、やろうと思えば終わりがなく、どこまでやればいいという線引きが難しい。対価が無ければやればやるほど時間だけがかかり、損をする雰囲気がある。
・子どもの学びを支えることは重要だが、人員も時間も限りがある中でどう工夫するかが重要。

《変えたい現状・あたり前を変えるために》

子どもたちの学び方、学びの環境について
・子どもに、教員が思う学びの楽しさを一方的に伝えるということではなく、子どもたち自身が楽しむことが重要。
・学びをすべて時間割で管理するシステムがあたり前になっているが、必要ないのではないか。やらされる学びでは、子どもも教員も心や時間のゆとりがなくなる。
・子どもが授業を選んで学ぶことができれば、キャリア教育、選択する自由な学びにも繋がっていく。

教員養成や教員のあり方について
・教員になる前もなった後も、様々な経験ができる環境が大切。そのためには働き方にも余白が必要。
・「教員初任者」であることで、周りからも不安に思われ、自由な学びや授業づくりに挑戦しづらい。

教育・学校を取り巻く制度や社会について
・「良い」高校に行って、「良い」大学に行って、「良い」会社に入ることが「良いこと」という社会の意識を変えていかないと、それぞれの学校の魅力を十分に発揮できない。
・子どもの個性を大事にすることはもちろん、教師の個性も大事にされる環境が重要。
・子どもも大人ものびのびと、楽しんで学ぶためには現在の画一的な入試制度やテストのあり方を見直す必要がある。

《まとめ》

・教員を目指す学生も、子どももこれからの社会の「担い手」ではなく「創り手」になる存在。そのためには、大人が作った時間割に縛られる「やらされる」学びではなく、子どもが自ら選択し、自由に「創り上げる」学びであることが重要。
・理想の教員像とは、子どもと一緒に学びや成長を楽しめる教員であり、子どもにとっては頼れる大人であると同時に「尊敬できる友達」である。
・外部に閉ざされたものではなく、地域や保護者とも連携した学校運営。
・教員になる前もなった後も、学校内外で様々な経験ができる環境のためのゆとりのある学び方・働き方。
・教員自身が職歴に関係なく自由に挑戦をする姿が子どもにとっての魅力になるので、それを応援できる、失敗したときも支えられる学校体制をつくる。
・子どもの自由な学びを実現するためには、画一的な入試制度やテストのあり方を見直すことで、「受験のための学び」になっている現状を変える必要がある。

■当日参加者について

アンケートより一部抜粋

・現職教員であるが、これまで信州大学教育学部の学生さんと話をする機会がなかったので、今後、これ以外の場でも、現職教員と学生さんたちとが交流し合う場がほしいと思った。
・若い教員の人材育成は、研修等でもベテラン教員が今までのやり方を押し付けないで、若者の意見も聴くべきだと思う。
・先生たちも、子どもが真ん中の教育に対して、夢と希望を持って学校へ行かれるようにしてください。
・時間割にとらわれない授業。例えば小学校でも総合の授業があるが、やっている学校とやっていない学校と、校長次第であるように思う。

一緒に、「長野県の子どもたちにとって最適な学びのあり方」を考えませんか?

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

今後もより多くの皆さまと幅広く検討、そして実現へと向かうために本会のような県民意見交換会を始め色々な施策を検討しております。
詳しくは県のHPをご覧ください。

また、本県民意見交換会に参加いただけなかった皆様からも、本意見交換会で扱ったテーマを中心に意見や想いを募集しております!

本アンケートの内容は今後の円卓会議等の場にて委員へ共有されるほか、
整理・分析したものをHP等にて公開すること等を通じ、
関係する様々な主体における取組や県民全体の機運醸成に
繋げたいと考えております。

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