イギリスの教育聞き取りメモ

イギリスで3人子育てしておられた方のお話、むっちゃ面白かった。日本と違いすぎて比較にならない。忘れないうちにメモ。
・大学進学には3教科勉強してればいい。
・法学部に進学するのにその子が選んだのは英語、心理学、社会学。
・高校では基本的なものだけでも24教科。さらに細分化。

・たとえば日本だと「美術」とひとくくりだけど、絵画、彫刻などに教科が細分化。それのうちの好きなの取ればよい。
・学年の考え方が弱い。興味があれば上の学年の教科をとってよい。下の学年の教科から苦手をやり直しても構わない。
・でも3教科だけ勉強すればいいから、得意なことしかしない。

・3教科の成績は生涯の証明書になる。たとえばA.A.Bという成績なら、ずっとそれがついて回る。ただしもう一度カリキュラムを受け直して成績を上げることは可能。そのためにトシ取ってからまた学校に通う人多い。
・大学出てから就職するとは限らない。1年くらい旅したりボランティアしたり。

・就職では実体験を求められる。レジ打ちならレジ打ちの体験。学生でそれはないので、ボランティアでそういう体験積んだりインターンで経験積んだり。
・成績を他の子と比べることがない。みんなてんでバラバラに学ぶので比較しようがない。

・イギリスを階級社会というが、多様すぎてかえって比較する気にならない。比較する術がない。
・アカデミックな方が苦手な子は高校に進まず、プラクティカルな職業訓練のカリキュラムに進むことも多い。そこに別に劣等感はない様子。

・いわゆる労働者階級は誇りを持っており、賃金は安めかもしれないが、誇り高く生きている。
・生活保護を受けても別に軽蔑されない。比較的気軽に受けるし、受給しても誇り高い。
・大学は市民に開かれた場所。映画館やカフェがあり、色んな人が普通に利用している。

・小中高はタダ。大学は年9000ポンド、166万円ほど。
・移民など外国人は大学の学費年400万。これで大学稼いでる。
・肌の色から言葉から文化から何もかも違う人が入り乱れていて、かえって日本のように比較することがない。

・成績評価に不満があれば先生に交渉。先生が納得すればその場でBからAにボールペンで書き換えることも。
・大学卒業後、すぐには就職せず、海外に放浪の旅に出る人も多い。その間、学生ローンの返済は延期できる。

・大学の学費を親がかりになる考え方がない。学生ローンを自分で組んで、将来返済。大学進学での費用は「自分への投資」。
・学生ローンをどう組むかも自分で決める。学費、生活費をそれで工面できる。

・大学生は親の家を出る。近所でも。
・学生ローンは就職するまで返済免除できる。だからみんな焦らず、卒業後1、2年は旅したり何したり。
・学生ローンの返済は一定以上の収入に達してから。生涯で返済しきらないことのほうが多い。お陰で財政逼迫。

・日本の教育ママは「タイガーマァム」と呼ばれ、イギリスの心理学のカリキュラムでも出てくる。
・日本の不登校を不登校とひとくくりにするのはおかしい。「うつ病」とみなすのが適当。うつになった原因を解析し、手当するのが妥当、とイギリスの学生談。

・イギリスの教育はソクラテス、日本など東アジアは科挙。文化的土台がまるで違う。イギリスは他のヨーロッパと同様、プラトンのアカデミアのように対話して思考を深める。日本は科挙のように成績ヒエラルキーで優先順。

・うつのなり方が違う。日本は頑張りすぎた結果。イギリスは好きなことしかしたくないから耐性がなく、すぐうつに。だからうつ病の薬をすぐ処方してもらう。

・貧しい人は都会に、お金持ちは田舎に。仕事を得るために都会へ。子どもの誕生日にポニーを買い与えるために田舎へ。だから田舎によい学校がある。
・地域を振興するために学校によい先生を集めようと努力。カリキュラム多いので先生は不足気味。

・教師には比較的簡単になれる。必要なカリキュラムを受けて。生活保護の人に教師になってもらおうとすることも多い。
・教師は副業してること多い。
・大学にヒエラルキーがない。名門大学出という感覚が薄い。自分の学びたいコースを選んで進む感じ。それがたまたまその大学、という感じ。

・画像は向こうの高校のカリキュラム一覧。

・高校は「six form」と呼ばれる。six formへの進学率は60%くらい。さっさと働きたい、という若者が少なくない。
・高校で犯罪心理学を習ったり。大学の法学部に進む子は大概受講してるものと思われる。これだけでも高校のカリキュラムの細分化ぶりが見える。

・一応ホームクラス(学級)はあるけれど、ホームルームで顔を合わせるくらいで、あとはめいめいに自分の受けたいカリキュラムに行くからバラバラ。
・イギリスの大学は入学式も卒業式もない。ただ学位授与式は派手。

・イギリスのテレビドラマ、ほぼ100%、ボスが女性、部下が男性の構図。そうでないと視聴率とれない。

・日本のやり方に親近感を持つ人はイギリスの教育がほったらかしに見えて不満に思うことも。
・日本は一人も取りこぼさずに底上げしようとする。イギリスは好きなことしかしないし、成績の比較もないからそうした発想がない。

・日本は全教科まんべんなく。イギリスは好きなことしかしない。
・日本の就職は、素直に言うことを聞きそうな人を採用。イギリスは即戦力の技能を持ってるかどうか。現場の経験積むためにボランティアやったり。

・小学校でPTA会長をずっと務めてる女性、理由は「失業してるから」。専業主婦にあたるFull time mum、House wifeはもはや死語。

・イギリスでは食事に手をかけない。家事がラク。することあまりない。

追加。
・大学は3年、修士は1年(日本はそれぞれ4年と2年)。

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