遊び欠乏症による学力低下

知人の記事が面白かったので、個人情報を修正したうえで転載許可頂きました。

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夏休みの集団授業をやっている感想
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7月末から普段の担当授業以外に中1、2、3の集団授業も夏期講習ということで担当しているのだけど、その流れでいつもより多くの生徒に出会っている。なので、気付いたことをいくつかピックアップしてみる。
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まず、「え、こんなにも学力がないのに、ほんとに三年間も中学受験の塾に四年生から通ったの?」というのが本音で、「だったら、下げ幅ももう大きく残ってないんだから、たくさん遊べばいいのに。あるいはたくさん遊んでたら回り回って今より学力がつくんじゃないかな」と思うことが多い。それくらい、とにかくみんな遊んでない。スケジュールだけ聞くと、学校、塾、部活で、遊びと言えばゲーム。そして、日本語読解・運用能力がほんとに低い。言葉の使い方を気にしてないし、気にならないし、気づかないのかもしれない。てにをはの助詞や日本語ですら時制感覚がおかしくて、あれ、これって何か障害の可能性も考えた方がいいのか?という考えがよぎることもある。一昔前の子供たちと比べて学力の地盤沈下がすごい。
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でも、うちの子供たちには誰にもこんな傾向がなくて、あいつら死ぬほど遊んで好き勝手してるのに、反射力、瞬発力、言語運用能力、思考力が自分が見ている生徒よりも格段に高い。なので、これは地頭というよりトレーニングの差のような気がする。もしかして、たくさん遊んで好きなことを力いっぱいやってるからついた力なんじゃないか?と。一人、推し活をやっている中1女子が優等生ではないけど、わりとしっかりしているので、遊んだり好きなことを思いきりやる方がその子を伸ばすんじゃないかと思う。塾が悪いんじゃなくて、成績がいい子たちはみんな塾での勉強を楽しんでいるから伸びる。なので、本人が興味を示しているか、楽しんでいるか、面白いと思っているかがやっぱり大事なんだろう。
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ただ、不思議なのは、日本語の文章がまともに書けないし読めてもないのに、みんないい子で勉強する態度は身についていて、集中力もあること。そして、これだけ理解できてないのに座学に耐えられていること。そのミスマッチがすごく私からすると不思議で、なんでこんなに理解できなくて興味もなさそうなのに、きちんと授業は受けられるんだろう。謎。おそらく楽しさはないのに、忍耐力だけはついている。これは塾や学校で身につけたものなのかな。私だったらこのチグハグさに耐えられない。
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下の息子にいくつか質問したのだけど、
「ねぇさー、どう考えてもあんたたちの方がパッパラパーに遊んでるのに、どうしてママの塾漬けの生徒の方が学力がついてないと思う?勉強できる子とできない子の違いって何かな?」
「うーん、勉強できない子ってまず授業を聞いてないし、授業の中だけで理解できてないんじゃないかな。僕は授業聞いてたら大体わかるよ。だから最低限の勉強だけはしてるよ。わからないことあったら調べるの好きだし」
「あー、あんたたちはみんなわからないことはすぐに自分で調べるし、勉強の仕方は身についてるよね。答えを丸写しするとか、そういうことはしないもんね。そういう無意味なことするくらいなら、最初から何もしないタイプだよね」
「最低限の勉強はして、あとは好きなことたくさんしたら勝手に調べるようになるしできるようになるよ」
と言っていて、どうして中2男子でも答えられることが教育ママにはわからないんだろう、と思う。

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