公務員の意見発信

おお。前代未聞。
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これは画期になるかもしれない。現役官僚が意見発信するのは異例中の異例。しかも記事にして意見発信なんて、さらには政治家にも(恐らく)断らずになんて。私はこの決断、内容は別にして、高く評価したいと思う。以前から、公務員が意見発信しないことに強い不満があったからなおさら。

公務員が不偏不党であることは必要。政治家が決断したことには従わねばならない。公務員はそういうメカニズムとして法律で定められた存在だから。
けれど、何も意見を言わないのは違うと思う。公務員は、その立場だからこそ知り得たことがある。国民は何も知らないのに。

その情報を国民に知らせれば、国民は考える材料が増える。材料が増えれば、しばらく議論が続き、まとまらないかもしれないが、落ち着きどころが見えてくる。すると、比較的納得のいく方向性が見えてくる。民主主義において、情報は大切。それを、政治家に遠慮して黙ってるのが気に入らなかった。

今回、財務省事務次官が文藝春秋で発信するのが可能になったのは、与党も野党もバラマキという点で違いがなく、それに異を唱えるのはどちらにも肩入れすることにはならないと判断したからだろう。にしても、前例が思い当たらない。クビを完全に覚悟し、批判も覚悟の上で、この国を思っての発信だろう。

第二次安倍政権が成立してから、日経で財政問題を論じる記事がほぼ消えた。それまで財務省は財政破綻をことのほか心配し、組織的にマスコミに情報を提供、国民に危機感を持ってもらおうとしてきたが、第二次安倍政権からピタッと止まった。型どおりの記事が小さく載るだけ。

財務省が何も言わせてもらえない中で、財務省をケチョンケチョンに言う論説が一世を風靡した。財務省が日本をダメにした、とか。
私は財務省が超強かった時代には財務省に超批判的だったが、黙らされてる人間叩く趣味はない。むしろこの時期、財務省に同情せずにいられなかった。

菅前首相の時には、こんな発言はできなかったろう。ただクビを飛ばされて終わりだから。岸田首相が「話を聞く」と明言したことも大きかったろう。発言しただけでクビにはしづらいからだ。これをリーダーシップの欠如ととる人もいるかもしれないが、臭いものにフタして情報抹殺よりよほどマシ。

今後、公務員から意見発信されたらいいな、と思う。国民の下した決断、政治家の下した決断には従う。ただし、そのための情報提供は行う。そうした動きへの画期になるといい。

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