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【全6種】目的に応じたコミュニティスタイルとは?
こんにちは!コミュ売れ総研 主任研究員のSHINです!
このコミュ売れ総研ではコミュニティを”科学”することによって、データに基づく再現性の高い手法で、企業や団体のマーケティングやコミュニティ運営の成果に繋げる方法を模索しています。
第5回の記事では、コミュニティの活性度を定量的に測る指標である「KPI」について話しました。
その記事の中で書いたように、コミュニティのKPIは目的に応じて柔軟に設計する必要があります。つまり、コミュニティを通じて達成したい目標によって、どのようなコミュニティ設計が適切で、その効果をどのように測定するかが異なるということです。
例えば、コミュニティの人数を増やして新商品の認知を上げたい場合と、既存のロイヤルユーザーの満足度を維持したい場合では、目的が違うのでコミュニティの作り方も違ってきます。
そこで今回は、どのようなコミュニティを作ればよいのか、達成したい目的に応じて6つの類型に分けて紹介します。
目的を達成しやすくする6つのコミュニティスタイル
企業がコミュニティマーケを駆使して達成したい目的は様々でしょう。
商品を販売している企業であれば、「認知拡大」「売上向上」のように既存商品や新しい商品をより効果的に販売するために活用したいでしょう。また、販路拡大のために「新規顧客開拓」や「ブランド価値向上」を、ユーザーに寄り添うために「顧客満足度向上」を目的にすることもあると思います。自社商品や業界の発展のために「研究開発」を目的としたコミュニティも考えられます。
このように、何を目的にするかによって、設定すべきKPIや、重点的に追いかけるKPIが変わってきます。そして、それぞれの目的/KPIに応じて、その効果を最大化しやすい「コミュニティスタイル」の類型というものがあります。ここからは6つの類型、それぞれについて紹介していきます。
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スタイル①「集客効果最大化」コミュニティ
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コミュニティによって集客の効果を上げたい場合の類型です。
集客効果を狙う場合は多くの潜在顧客、すなわち商品やサービスを知らなかったり、興味を持っていなかったりする顧客をターゲットにします。そこで、参加時の離脱防止やコミュニティの有益さを伝えることがポイントになります。
多くの方に興味を持ってもらうためにもコミュニティ内だけでなく、SNSやCMなどの外部のマーケティング戦略との整合性も重要です。アンバサダーを起用する場合は、コミュニティのテーマと同じ属性の人材をキャスティングすることで集客を加速させることができます。
コミュニティは階層構造を多くしすぎず、ふらっと入ってみた人が迷わないようなシンプルな設計にすることが重要です。また、コミュニティに参加するメリットをわかりやすく伝えるために、過去のイベントや盛り上がった話題など、過去のハイライトを作ります。例えばスポーツコミュニティだとフットサルのリアルイベントを企画し、ハイライトとしてみんなでお昼ご飯や写真を撮影した様子などをコミュニティで話すなどと言った具合です。
【この類型におすすめのプロダクト】
このようなコミュニティは、購入頻度の多い食品や文房具といった低関与商材に向いています。低価格帯の商品は生活に密着していてネームバリューなどもあり利用頻度は高いが、熱心なファンを獲得しにくい商材のため、ロイヤルなファンを作ることに注力するよりは、多くの人に興味を持ってもらう施策の方が必要になるからです。
スタイル②「売上最大化」コミュニティ
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商品の売上を最大化させるためのコミュニティ類型です。
売上を最大化させるには新規顧客の興味関心だけでなく、既存顧客のロイヤル化も重要になります。商品のリピートに繋げたり、関連商品に興味を持ってもらったりするよう、既存顧客がニッチな話をできる環境を築きます。既存顧客による口コミやレビューは新規顧客の興味を引くことにも繋がるため、自然と既存顧客がKOCになっていくのが理想的です。
その商品に関して深く、楽しく会話をすることで商品に対する意見を整理することができ、口コミやレビューに繋がりやすくなります。そのため、商材のジャンルに合わせて説得力のある会話ができる人材がコミュニティにいることが望ましいです。経歴などの信頼性だけでなく、豊富な知識や豊かな文章表現、会話しやすい人柄などがあるとベターです。
多くの人が会話に参加できるように、まずは会話のきっかけになるような話題提供や他己紹介などを行って交流を増やしていきます。また、例えば行ってよかった場所をGoogle Mapに複数人でリスト化していくなど、既存サービスを利用してコミュニティメンバーによる評価をまとめていくと、検索やSNSよりも信頼できる情報の集まったコミュニティになっていきます。
【この類型におすすめのプロダクト】
売上最大化を狙ったコミュニティは車、釣り竿、腕時計などの趣向要素のある商品におすすめです。購入に検討が必要であったり、時間がかかったりするニッチ領域(趣味領域)の商材は、他の人の意見も参考に検討を進めるため、その商材に関する会話ができ、情報が集まっている場所を用意することが重要です。
スタイル③「新規顧客獲得」コミュニティ
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新商品や新しいブランドラインを作るなど、既存顧客とは異なる属性の人たちに興味を持ってもらうように、共感してくれる新規顧客を集めるためのコミュニティ類型です。立ち上げの背景や想い、コンセプトなどのストーリーを丁寧に伝えることで、共感してくれる新規顧客を集めます。
アンバサダーを起用する場合は、ターゲットユーザーと近い属性の人をコミュニティに配置します。ストーリーに合ったキャラクターの人が身近にいることで新規ユーザーが共感しやすくなるためです。
コミュニティ参加者がきちんと新商品/新サービスの背景や想いを理解できる入り口設計が重要なため、最初にコミュニティのルールや説明に加えて、背景や思いなどのストーリー要素も伝えます。定期的にトレンドや関心ごとなどを調査するアンケートなどで、ユーザーの所感を確認することも有効な施策です。
【この類型におすすめのプロダクト】
その名の通り、新たなユーザーの流入を促したい新商品や新サービス向けのコミュニティにおすすめです。
スタイル④「PR成果最大化」コミュニティ
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既存顧客のエンゲージメントを高め、友人へのコミュニティ紹介や情報拡散などが積極的に行われるようになることでPR成果の最大化を目指す類型です。ユーザーがコミュニティや商品・サービスに愛着を持つように、コミュニティ内の心理的安全性や情報の有益性を高めます。
コミュニティ内に、この分野の専門家や関連度合いの高いKOC的な人材がいることで、情報のクオリティや精度が良くなります。そうなると、情報はより拡散されやすくなるため、そうした専門性の高い人材を多く配置することが重要です。
情報を拡散してくれるKOC人材を増やすため、ボイスチャット(※1)で親密になってもらう話いれます。また、共通の話題や趣味を共有できる小さなコミュニティをいくつも作ることで、特定の「仲間」を作ってもらい、愛着を深めてもらうのも効果的です。
【この類型におすすめのプロダクト】
ユーザーが商品に愛着を持ち、自ら広めてくれるコミュニティは、ニキビケア、肌荒れ化粧品、薄毛などのコンプレックス商材向きです。使用後のレビューや効果などが重要視される商材のため、商品レビューが多く生まれることで商品自体の品質・魅力のPRがしやすくなります。
スタイル⑤「ユーザー満足度最大化」コミュニティ
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すでにコミュニティ内にいるユーザーの満足度を高めて、維持していくことを目的としたコミュニティ類型です。
コミュニティの世界観に没入できるような体験設計をすることで、ユーザーの満足度を高められます。「自分ごと」として参加したくなるイベント・話題設計や、毎日の活動に応じたインセンティブポイントなどでコミュニティに関ってもらう時間を増やし、没入感を高めることが重要です。
コンテンツのファンアートなど共創ができるような制作スキルがある人材はこのタイプにマッチします。また、企業とコミュニティメンバーが共創する際に架け橋となるような、言語化能力の高いメンバーがいるとうまく効果が発揮されるでしょう。
「コミュニティの説明」チャンネルなど、入り口の部分から世界観に合わせた設計を行い、内部ではイベント企画募集や運営へのご意見箱設置など、コミュニティの企画を一緒に作れるような環境を準備します。ユーザーの貢献活動に対してポイントや限定体験などのインセンティブを用意することで満足度は高まり、更なる貢献をしようと思ってもらえるでしょう。
【この類型におすすめのプロダクト】
このコミュニティは、ゲームやSasSに向いています。このようなサービスでは継続利用を促したいため、「継続率を上げる=習慣化させること」が肝となります。ログインボーナスのような毎日の活動を促す施策やイベント企画などのコミュニティ活動によって習慣変容を促すことができます。
スタイル⑥「UGC生成最大化」コミュニティ
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UGC(User Generated Contents)をたくさん作ってもらうことを目的とした類型です。既存顧客がUGCを制作したくなるようなイベント企画や貢献活動の適切な評価などが重要になります。
UGCの創作をサポートできるようなスキルを持った人材がコミュニティ内にいることで、既存顧客の情報発信の参考になったり、スキルをシェアしてもらえるきっかけになったりします。フォロワー数にかかわらず、商材の領域に詳しく、SNSで頻繁に情報発信をしているような人が向いています。
スタンプ作成コンテストなど、ユーザーが簡単に創作に参加できる企画は多くのコミュニティメンバーの創作意欲を高めることができるでしょう。さらに、そうしたUGC制作活動を評価してポイントや特典などのインセンティブを提供することで、UGCの制作を楽しむ人を増やすことができます。
【この類型におすすめのプロダクト】
このようなUGC生成が多くなるコミュニティはD2Cやブランド商品が向いています。商品数が多く、流行り廃りが激しい商材においては、口コミやイラストなどユーザー発信のコンテンツ数を最大化することでオーガニックの顧客を増やすことができるためです。
達成したい事業目標・マーケティング指標からコミュニティスタイルを選択しよう
このように、自社のマーケティングの目的に応じて、それをうまく達成できるようなKPIを設定し、適切なコミュニティスタイルを形作っていくことが重要です。「コミュニティをとりあえず作ってみる」前に、どのタイプのコミュニティが、これからやりたいことに最も近いのか、よく検討してから構造や施策を設計するとよいでしょう。
今回の第7回までの記事では主にコミュニティマーケティングの考え方や手法の構築方法を様々な目線から説明してきました。しかし、コミュニティにはマーケティング目線だけでなく、運営、つまり動き出してからのマネジメントのノウハウも非常に重要になります。
次回の第8回からは、そんなコミュニティマネジメントをどのように行って、どのようにコミュニティを成長させていくかについてお話しします。
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