これからの時代に求められるのはコミュニティマーケティング
こんにちは!コミュ売れ総研 主任研究員のSHINです!
このコミュ売れ総研ではコミュニティを”科学”することによって、データに基づく再現性の高い手法で、企業や団体のマーケティングやコミュニティ運営の成果に繋げる方法を模索しています。
第1回目の今日は、「コミュニティマーケティング」の重要性についてお話しします。
最近、TikTokやインスタグラムで紹介されていた商品などを買いましたか?私自身、ある通販サイトの商品を紹介するインフルエンサーの方がオススメしていた毛布を昨年秋に購入し、大満足で使っています。
このように、今やSNS上でのインフルエンサーマーケティングが当たり前のように行われ、バズが広がりやすい話題性のある商品は、一時的に大きな人気を呼ぶことができます。でも、そのような一過性のマーケティングでは、少し経てばすぐに人々の記憶から消え去ってしまいます。
そんな中、長く支持され続けるために重要な手法として注目され始めているのが「寄り添い続ける」コミュニティマーケティングなのです。
なぜ今、コミュニティマーケティングが重要なのでしょうか?
バズマーケティングからコミュニティマーケティングの時代へ
-コミュニティマーケティングってなに?
コミュニティマーケティングとは、「同じ趣味の人が集まるオンラインコミュニティの力を使って、顧客の行動変容を促し、事業成果に繋げること」です。
ポイントは「顧客同士や企業と顧客の垣根を超えたコミュニケーションによって新たな価値を生み出すマーケティング」だということです。
-今の主流は「バズマーケティング」
今のデジタルマーケティングの主流は、SNSで多くのフォロワーを持ち、彼らに対して大きな影響力を持つ「インフルエンサー」によるマーケティングだと言えるでしょう。
フォロワー数を多く抱えるインフルエンサーを中心としたKOL(Key-Opinion-Leader)がコンテンツを生み出し、その内容ははすぐにフォロワーに拡散されていきます。このフォロワーたちの間で製品への関心が広がり、「シェア」や「いいね」を通じてさらなる拡散が生まれます。
つまり、フォロワーの口コミによって、インフルエンサーのコンテンツの"バズり"が発生するのです。
しかし、このバズによる企業の製品やサービスに対する認知拡大はあくまで一過性で、長期的な認知獲得が難しいと言われるようになりました。
その理由は、コロナショックでの生活様式の変化にあります。
コロナショックで変化した消費者の生活
コロナショックによって、人々の消費行動に大きく3つの変化がもたらされました。
-①購入時の意識変化 [なぜこれを買うのか]
かつては商品自体の機能性や性能が最優先されていましたが、今や購入後の体験価値が重視されるようになってきています。
というのも、コロナショックにより、外出機会の減少でこれまでよりも「衝動買い」が減り、消費者は購入をしっかり検討するようになりました。購入の際には「せっかく買うなら、より好きな商品を」など、商品の機能性だけでなく購入後の体験を意識した「イミ消費」が重視されるようになりました。
アフターコロナの現在でも、その趣向は継続しています。
つまり、今の消費者は製品そのものだけでなく、購入前後を含めた総合的な体験価値を重視しているということができるでしょう。
-②消費スタイルの変化 [どのように買うのか]
コロナ禍において、消費者の購買スタイルにも大きな変化が見られました。外出自粛の影響で、オンライン購入が急速に普及したのは皆さんの記憶にも新しいでしょう。
実際にECサイトの利用率は大きく上昇し、オンラインショッピングが日常化されました。この傾向は一時的なものではなく、コロナ収束後も一定のオンライン消費スタイルは継続しています。
家にいながらにしてさまざまな商品を手に入れられる便利さや、混雑した実店舗への嫌厭から、オンライン購入を選好する消費者は増加しているのが実情です。今後もオンラインと実店舗の共存が進み、消費者一人ひとりに合わせた最適な購買経路を選べる環境が整備されていくでしょう。
-③サービス嗜好の変化 [自分らしいモノが欲しい]
リモートワークや自粛で時間的余裕ができたコロナ禍。人々は制限のある中で、より"自分らしい"生活を望むようになりました。
情報があふれる中で、一時的なバズだけにとらわれるのではなく、本当に自分の好きなものを吟味して選んでいく。そんな、これまで以上に自分らしさを貫けるパーソナライズ化された消費が求められつつあります。
マーケティングも変化を求められている
このように人々の消費スタイルが変化したことに対応して、デジタルマーケティングも「バズ」に頼る手法だけでなく、「エンゲージメント」を高めてロイヤルな顧客を生み出す手法にも注力しなければならない時代が来ています。
-①多様な消費者一人ひとりと向き合う
先述の通り、顧客は個人に最適化された嗜好の商品を購入するようになっています。
例えば、米国のカスタムシューズブランド「NIKE BY YOU」は、顧客自身がデザインやカラー、素材を自由に選択できるサービスを提供しています。これにより一人ひとりの個性を反映した世界に一つだけの製品が作れるのです。オンラインでニーズを的確に捉え、顧客とのエンゲージメントを高める好事例と言えるでしょう。
このように、バズに頼るのではなく、パーソナライズ化を進めて顧客との絆を深めることが、企業の持続的な成長に欠かせない時代になっています。
-②メディアの多様化と変化により、深い関係性を求められる
SNSをはじめとするメディア環境は日々目まぐるしく変化しています。
アプリやプラットフォームがますます多様化し、人々の購買体験や情報共有のされ方が一段と複雑になってきています。
それに伴い、SNSのアルゴリズムも大きく変わってきました。かつてはコンテンツの拡散を重視していましたが、最近では「エンゲージメント優位」へとシフトしてきています。要するに、ユーザー一人ひとりとの関係性を大切にする方向へと転換しているわけです。
実際、XやInstagramでは、単なる拡散数ではなく、いかにユーザーを惹きつけ、コンテンツとの関わり合いを促進できるかということが重要視されるようになってきました。この潮流に合わせ、マーケティングにおいても高いエンゲージメントを出せるようなコンテンツや投稿を作らなければなりません。
だからこそ、商品に愛着をもつファン同士のコミュニティや、ファン自身がブランドを「自分ごと化」するUGC(User Generated Contents)が一層大事になってくるのです。
-③プライバシー法の規制
パーソナライズされた情報が企業に求められる一方、世界中でプライバシー保護の機運が高まっています。EUが2016年に施行した一般データ保護規則(GDPR)に象徴されるように、個人情報の厳格な管理が求められるようになりました。Cookieの規制が強まったことで、様々なメディアを横断するマーケティングは次第に難しくなってきているのも実情です。
一方で、プライバシー保護による影響を最小限に抑えながらマーケティングを実施する方法が注目されつつあります。それは、自社が直接顧客を囲い込み、そのデータを収集・活用するというアプローチです。
自社のコンテンツやサービス、SNSなどを通じて、顧客との継続的な対話を行い、親密なエンゲージメントを高めていく。そうすることで、貴重な顧客データを確実に収集し、その上でパーソナライズされた確実なアプローチが可能になるのです。
つまり、従来のように外部の膨大なデータに頼るのではなく、自社の持つ顧客基盤、すなわちコミュニティの中で深く強固な関係を築きあげていくことが、新たなマーケティングの鍵となってくるわけです。
これからの時代はコミュニティマーケティング
以上のように、コロナによる消費動向の変容とメディアをめぐる様々な背景の中で、拡散を重視した「バズマーケティング」だけではなく、エンゲージメントを重視した新たなマーケティングが必要とされ始めているのがお分かりいただけたでしょうか?
その課題に対する答えとして、私たちは「コミュニティマーケティング」に着目しています。
コミュニティを通じて、顧客との間にロイヤルな関係を結ぶ。
顧客と企業の垣根を超えたコミュニティが、パーソナライズ化が進んだこれからの時代のマーケティングの必須条件になってくるでしょう。
-有名企業も続々とコミュニティマーケティングを採用
すでに大手を含む多くの企業が、ロイヤルな顧客を生み出すため、コミュニティマーケティングの活用を始めています。
株式会社SHINSEKAI Technologiesでは、エンタメ・ゲーム会社様を中心にそのコミュニティマーケティングの支援をさせていただいております。データドリブンなコミュニティの力でビジネスを加速させることを目指し、コミュ売れ総研を中心に研究開発を行っています。
問い合わせのある方は下記のリンクまでお願いします。
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次回はコミュニティマーケティングに重要な存在、「KOC」について紹介したいと思います。
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