見出し画像

「消防団のなりて不足」について考えてみる~9月議会回顧②

消防団に抱く感情は、人それぞれだろう。私の住む韮崎市では、消防団員は地域のコミュニティを支える青年団としての側面も持ち合わせている。
消防団員は地域に根差し、地域を支え、住民の心に温かい安心を届けながら、自らも組織の中でお互いを尊重し、協力することの大切さを身につけ成長している。
また、地域をよく知っている、当然危険な場所も知っている、さらに普段の人間関係の中で誰がどのような状況にあるのかを把握していることは、災害発生時の人命救助のために極めて重要だ。

しかし、近年、新入団員の加入が難しくなっている。
「仕事が忙しいから」、「暇ではないから」という言葉が勧誘に行った団員に対して冷たく返ってくる。消防団員も普段は自身の仕事を持ちながら活動しているわけであり「自分も暇ではない」と言い返したい気持ちを「ぐっ」とこらえながら、必死に勧誘活動を続けているのではないか。
そろそろ、消防団員というボランティア自らが自分の代わりとなるボランティアを入団させるという今の手法では限界があるのかもしれない。
これらを踏まえ、行政も地域も真剣に考え対応しなければ、将来の協力者が減ってしまうことに繋がりかねないことから、消防団員の成り手不足について韮崎市に問いと提案をおこなった。

〈質問〉
1・消防団員の成り手不足の要因について。
2・新入団員数の地域差があるのかどうか。
3・今後の成り手確保策について。
4・成り手不足やサラリーマン化の現状を踏まえた消防団員を補うべく、地域防災力と減災力の維持向上への取組について。

〈答弁〉
1・成り手不足の要因についてであります。少子化の進展による若年層の減少に加え、家庭やプライベートを優先する価値観の変化及びサラリーマン等、被用者の割合の増加、また消防団活動は厳しく、負担が重いというイメージの定着などが挙げられます。
2・新入団員の地域差についてであります。
平成30年度から本年度までの新入団員の合計数は、藤井分団が23名と多く、少ないところは円野分団の6名であります。
3・今後の確保策についてであります。
消防団活動が多様化、複雑化している現状を踏まえ、平時の活動内容の見直しによる団員の負担軽減をはじめ、本人の士気向上や家族等の理解を得るための適切な処遇改善のほか、消防団の存在意義や役割、やりがいなどが伝わるような広報活動を行ってまいります。
4・消防団員を補う地域防災力と減災力の維持向上についてであります。
地域の防災力を担う自主防災組織や地域住民と適切に連携し、災害時に対応できる組織を構築するとともに、将来にわたって消防団を継承していくために、児童・生徒を対象とした出前塾などによる防災教育の充実と学生等の幅広い市民の入団促進などを検討してまいります。

〈提案〉
・広報活動について「消防団新聞」に期待しているところですが、最近発行がされておりません。私が行った検証では効果があることを確認できております。特に年2回の全世帯配布を行い、かつ勧誘活動が活発になる12月に発行することに効果が見受けられます。
 そこで、今後において年2回以上の発行と、そのうち1回は12月に発行することをご提言いたします。

〈答弁〉
・消防団の存在意義や役割、やりがいなどが伝わる広報活動を行うためには、議員ご提言のとおり、勧誘活動等に現場の記事を掲載し、発行するとともに、様々な媒体を通して積極的に広報してまいりたいと考えております。

〈提案〉
・児童、生徒を対象とした学校や出前塾などによる防災教育の実施や消防団員と子どもたちが触れ合える教育機会の創出について。

〈答弁〉
・消防団につきまししては、小学校3年生の社会科「地域の安全を守る」という単元において、「火事からまちを守る」の学習の中で、地域の人々の協力として消防団が取り上げられております。教科書には、消防署と協力して消火や救助に当たる消防団の方の話なども記載されておりますので、実際に地域の消防団の方にインタビューするなどの学習活動も期待されるところであります。地域社会の一員としての自覚を養うことが指導内容として明記されておりますので、今後、進めていきたいと考えております。

〈提案〉
・消防後援会の結成状況について把握したり、消防団活動協力員制度を自主防災組織の中に組み込むなど、これからに合った改革を行うことも必要です。また、国の交付金事業、「消防団加入促進広報の実施、企業・大学等との連携により、女性、若者等の消防団加入促進支援事業」「消防団、自主防災組織等の連携支援」等の積極的な活用を検討し、消防団員の置かれた環境や地域防災力・減災力の向上に努めていただきたい。

〈答弁〉
・自主防災組織については、再編、また見直しを図ることとしております。そういった中で消防団との関わりも含めながら、連携を深めていただけるような支援を行ってまいりたいというふうに考えております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?