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教え下手にならないための基本4選

ダメな部下はいない
ダメなリーダーがいるだけだ

ジャック・マー


新しい環境で働き始めた人たちから
時々こんな相談を受けます。

「教え方が速すぎてついていけない」

「わかっているテイで話されるのでつらい」

「理解が追いつかず、とても不安」

もしかしたら
本人の基礎スキルが不足していたり
習熟スピードが遅いのかもしれません。

一方で、教える人の教え方に問題があるケースも
少なくないんです。

慣れていくにつれて解消すればよいのですが
このまま進んでしまうと

「私はこの仕事に向いていない」

「続けていく自信がもてない」

「自分にはできない」

「もう辞めたい」

と、心が折れてしまう可能性もあります。

誰だって入社当初はやる気があるものです。

それなのに、こんな状態になるとしたら、
やっぱり引き継ぎやレクチャーする人のほうに
原因の一端があるように思います。

そう、教えるのがヘタなんです。

派遣で働く場合、社員ではなく
前任の派遣社員から引き継ぎを受けることも多く
「教えること」に慣れていないこともあります。

私は今期、自社の新卒社員の
教育担当を任せていただくことになりました。

私の所属オフィスには
10人の新卒が入社してくれまして
1ヶ月間の基礎研修が終わり
5月からOJTがスタートしています。

最近まで学生だった彼ら彼女らに対して
仕事はもちろん、社会人としてのマインドも
教えて育てていく必要があります。

今回は自戒をこめつつ
教え上手になるために心がけるべきことを
まとめてみたいと思います。

1.細かく理解度を確認する


これは超重要ですね。

相手がどこまで理解していて
どこから理解していないのか
正確に把握する必要があります。

仕事ができる人ほど、頭の回転が速くて
無自覚にしゃべり続けてしまいがちです。

理解できない点があれば
本来は新人のほうから
話の腰を折って聞くべきなんですが
これがなかなか聞けないんですよね。
「うんうん」とうなずいて聞いてしまう。

そして、教える側はそれを
「ちゃんと理解されている」と思って
ずっとしゃべり続ける。

たがら、教える側から
細かく確認することが大事です。

「ここまでで分からないことはない?」

一気に説明するのではなく、
少しずつ区切りながら、理解できたかどうか
都度確認してあげる。

これだけで随分変わってくると思います。

2.初学者の気持ちになる


これもよくある話で
ベテランになればなるほど
前提としての理解を「当たり前レベル」として
どんどん話を先に進めていきがち。

自分が初学者・未経験者だった頃のことや
慣れるまでの苦労や気持ちなんて
すっかり忘れてしまっているんです。

慣れた人にとっては「当たり前」のことでも
新人にとっては初めてのことばかりで
まったく「当たり前」ではないんですよね。

だから、最初のうちは
社内用語・専門用語を使わない
ことも意識したほうがいいと思います。

知らない言葉を使ってどんどん話を進めると
教わる側は意味不明になり
ますますついてこれなくなります。

それらを使う際は、ここでもやはり
細かく相手が理解しているかを
確認してあげましょう。

3.伝わったことが伝えたこと


たまに教育係の人から

「1回説明したのに覚えてくれない」

「言った通りにやってくれない」

などの話を聞くことがあるんですが、
それは当たり前かもしれません。

だって、彼(彼女)は
新しい環境に飛び込んできたばかりですから。

「伝えたことが伝わったこと」ではなく

「伝わったことが伝えたこと」と考える。

仕事に限らず、何かを教える人には
この考え方をもっていてほしいです。

相手ではなく
教えている自分に矢印を向ける。

「覚えが悪い」「できない新人」
と決めつけるのはまだ早すぎます。

それは
「伝えたことが伝わったこと」
と誤解している証拠です。

一度教えたからといってすべて理解し
実行できる人は多くありません。

人により理解度は異なります。
相手の理解度に合わせて
何度でも伝える努力があってこそ伝わります。

「伝わったことが伝えたこと」なんです。

10教えても、相手が3しかできなければ、
それは3しか教えていないということ。

相手が3しか理解していないことを
問題視する前に
10できるように教えられなかった
自分の責任と考えるということです。

教えるのが上手な人からレクチャーされれば
その人はできるようになっていたかも、
ですよね。

「教えたのに!」「なんでわからないの!」
と思うことがあるかもしれません。

「昨日言いましたよね」「2回目ですけど」
と言いたくなっても、ぐっとこらえてください。

そんなこと言われたら萎縮してしまって
プレッシャーにつぶされてしまいます。

そんな時は

「自分の教え方が下手だったから
 ほとんど頭に残らなかったんだなぁ。
 よし、もう一回!」

と、気持ちを切り替えて
再度教えればいいんです。

人を育てるとは
どこまで相手を受け入れることができるか
という、こちらの覚悟が問われることです。

4.聞きやすい雰囲気をつくる


これもかなり重要です。

働き始めた派遣スタッフさんとの初回面談
(就業開始から1〜2週間後の面談)
で状況を聞くと

「忙しそうで質問しづらい」

「誰に聞いたらいいか分からない」

という話がよく出てきます。

引き継ぎや新人教育を担当する人は
声をかけやすい雰囲気をつくってあげてほしい。

そして、忙しくても
声をかけられたら手を止めて
相手の目を見て話を聞くようにする。

間違ってもPC画面を見ながら
キーボードを操作しながら
ではいけません。

「何かあったら声かけて」
と伝えていたとしても

忙しそうにしている人には
声をかけづらいものです。
仕事の邪魔をするようで申し訳ない
と感じる人もいます。

だから、教える側から適宜声をかけてあげる。

手が止まっているとき
キョロキョロしているとき、など
不安のサインを見逃さないようにする。

「今どんな感じ?」

「大丈夫そう?」

「分からないことない?」

など、優しく声をかけてあげましょう。

新人さんを受け入れるうえで
気軽に聞きやすい環境をつくることは
本当に重要です。

新人にとっては
先輩全員が初めて会う人たちで
質問したくてもしづらいでしょう。

仕事を教えることだけではなく
チームメンバーに早くなじむよう
雑談したり、ランチに誘ってあげたり
他部署の人に話しかけやすくなるように
取り次いであげたり

教育担当にはあらゆる場面での気遣いが
求められます。

おわりに


誰かの人生に良い影響を与えることは、
大きな喜びになります。

新人さんをどう育てるかは
自分にかかっている。

教育という言葉の語源はラテン語で
「引き出す」だそうです。

彼(彼女)の可能性を信じて、
能力を存分に引き出してあげたい。

ほめて伸ばして
自己肯定感を高めてあげたい。

いつか振り返ったときに
「あの人が教育担当で本当に良かった」
と言ってもらえたら最高ですよね。

そう言ってもらえるように
わたしも教育担当として精進していきます。

『あいつ使えない』
はチームワーカーとしての敗北宣言だ。
この表現は
『あの人は役に立たない』
という意味ではなく
『私にはあの人を使う能力がない』
という意味だ。
『あいつ』と指差した手の指のうち
3本は自分に向かっている。

不明

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