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不明瞭な怒りの問い詰めにはストレートに答えない
今回は怒りの問い詰めに対するかわし方についての話です。
思いもよらず相手から怒りの問い詰めをされるときってありますよね?
慌てふためきながら真剣に考えて答えたとしても、相手が納得しない。
答えた内容が逆に火に油を注ぎ、相手の怒りが増してしまうこともあります。
このような場合には、怒りの問い詰めに対してストレートに答えないほうが得策です。
ストレートに答えずにどのようにかわしていくかをお話します。
不要に相手から怒られずに気持ちに対しても理解を示せる方法ですので、参考にしてみてください。
怒りで問い詰められる場面の例。
●問い詰めるお客様
「今の接客態度はなんなんだ!」
「なんとか言え!」
「説明してみろ!」
●なんとか答えなければと定員さん
「申し訳ございませんでした」
「こうこうこういう理由で」
●余計に憤るお客様
「そんな理由で納得すると思うのか!」
怒っている人の質問が不明瞭であるならば、ストレートに答えてはいけません。
相手の真意を把握しない限り、相手の納得できる答えはできないからです。
●問い詰めるお客様
「今の接客態度はなんなんだ!」
「なんとか言え!」
「説明してみろ!」
●明確になるように質問する定員さん
「もう少し私の対応のどのようなところが悪かったのか、教えてください」
「お客様をどのような気持ちにさせてしまったのか、詳しく教えてください」
●真意を答えるお客様
「俺を客として大事にしてくれない」
「さっきの店でも対応が悪かった」
「客の俺をお前らは何だと思っているんだ」
→その気持ちを十分理解したうえで定員さんは謝る。
ポイントは安易に答えないということ。
相手の真意が明確になるようにまずは質問するということ。
質問というのは力があります。
怒りの感情とともに質問されれば、質問内容に頭が占められ、ストレートに答えを出そうとしてしまいます。
逆に真意を聞こうと質問をすれば、怒っている相手も質問に答えようとします。
質問の力をうまく使うのです。
不明瞭な質問に安易に答えると、「言いたいことをわかろうとしていない人だ」と思われます。
相手の言いたいことを明確にさせてから答えていきましょう。
そうは言っても、
「聞いているのはこっちだ、答えろ」
と責められることもあります。
その場合は、
「きちんとお答えしますので、そのためにもお聞かせください」
とていねいに切り返すと良いと思います。
今回このテーマの話をしようと思ったのは、相談の仕事をしていると、似たような場面がよくあるからです。
(怒られる場面ではありませんが)
例えば、相談者から
「人とのコミュニケーションがうまくいかない」
「でも人と関わらずには生きていけない」
「それを人に相談してもわかってもらえないし解決しない」
「自分のような人間はどうしたらいいですか?」
と不明瞭な問いかけで早急に答えを求められることがあります。
ストレートに考えてしまうと、
「コミュニケーションの練習をしたり」
「あるいはなるべく人と関わらないようにしたり」
などと安易に答えてしまうかもしれません。
そこで真意が明確になるように質問してみるのです。
関われないってどういうことなのか?
どのような状態になるのか?
すると、相談者は
「いつも嫌われてしまう」
「だいたい自分は親に好かれていなかった」
「そんな人間が人に好かれるわけがないと思っている」
と親子関係を見つめ直す方向に話が向かうかもしれません。
この場合も不明瞭な求めをいったん質問でかわして明確にさせています。
今回は、不明瞭な怒りの問い詰めには安易に答えずに質問で明瞭にしてから答えましょう、という話をさせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師
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