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無口な人との会話中の沈黙の意味

会話の最中に相手が急に黙り込んでしまったり、不意に沈黙が訪れたりすると、戸惑いますよね。

そのようなときにあなたはどうしますか?
 
会話中の沈黙が苦手だと、
「変な質問してすみません」
「答えなくていいですよ」
「話を変えましょう」
 
自分から逃げの姿勢になる、または沈黙を埋めようと逆に自分がペラペラ話しすぎてしまいます。
 
沈黙を気まずく感じるのは、「沈黙=ネガティブなもの」と考えているからです。
 
「何か気に障ることを言ってしまったかも」
「もうこれ以上話したくないのかも」
 
もともと無口な人との会話では、沈黙が訪れがちです。
しかし、必ずしも沈黙はネガティブなものではなく、しっかり意味を持っています。
 
今回は、無口な人との会話で訪れる沈黙の意味と待ち方を私なりの解釈でお話します。



まず、無口な人というのは、性格がまじめな人が多いのです。
 
慎重にじっくり考えようとする傾向がまじめな人にはあります。
 
ですので、沈黙をこのようにとらえましょう。
沈黙=考えている時間
 
そして、その考えている時間を尊重し、答えが返ってくるまで待ちましょう。
 
 
沈黙は考えている時間と書きましたが、どのようなプロセスを経ているのか、もう少し詳しく説明します。
 
いくつかあると思いますが、この3つを想定します。
 
 
①   きちんとした答えを考えている
 
まじめな性格ですと、聞かれたことに対して適当に答えることができません。
 
「間違ったことを言ってはいけないのではないか」
「これを言ったら恥ずかしい思いをするのではないか」
 
このように思って、考えをじっくりまとめて慎重に言葉を選んでから話し出そうとします。
ですので、このプロセスを尊重して待つ必要があります。
 
 
②   決断に慎重になっている
 
「決断」とは少し大げさだが、まじめな人は答えることで何かが決まってしまうのではないかと重く考えます。
 
自分の発言に責任をとらなければいけないと考えると、答えに勇気が要るのです。
自分に自信が持てない場合は、さらに口が重くなります。
 
ただし、ここで相手にしっかりと寄り添い、出した答えを受け止める姿勢があると、一歩を踏み出す支えになるのです。
 
 
③   記憶やイメージにアクセスしている
 
人はものごとを考えるときに何かしらの材料(情報)を使っています。
それは過去の記憶を引き出しているのかもしれませんし、未来のイメージを想像しているのかもしれません。
 
このような自分の中にある材料を探して使いながら思考するための時間がかかります。
そのプロセスを待つ必要があります。
 
 
このように沈黙には意味やプロセスがあると考えられますが、長い沈黙に対してどのように待てばよいのかについてです。
 
基本的には、相手の考えごとをしているペースに合わせて待つことになります。
 
それでは、相手が考えごとをしている時間をどのように把握すればよいのか。
 
目線」です。
 
人は考えごとをするときに一旦目の前の会話相手から目線を外します。
先ほど説明したように自分の中の材料を探したり熟考したりするときに目線が動きます。
目の動きを観察するのです。
 
経験的には、人は考えごとをしているときに目をきょろきょろさせたり、一点に固定したりしていることが多い印象です。
この間は待ちます。
 
反対に答えたくない、話したくないときはどうか。
これも経験的にですが、顔を相手から割と大きく逸らす、あるいは不快な表情で遠くを見つめたまま無言の場合が多いようです。
このようなときは話題を変えるなりします。
 
考え終わって答える準備ができたことがどのようにわかるかというと、「目線」を自分に戻してきたとき
このタイミングが会話の再開のときです。
 
このあたりの話は過去の記事でも書いています。
(『会話で必要な「間」の長さは「目線」でわかる』)
 
ちなみに待つ間どうするかというと、鏡のように相手の目の動きや姿勢に自分も合わせます。
あからさまにではなく、控えめに合わせる感じです。
 
目の前にいる私が別の動きをしていると違和感が出てプレッシャーになります。
気づかれないようになるべく自然な感じで相手の動きに合わせます。
 
 
私は、仕事でひきこもりの方の相談をしているので、実はこのような場面をたくさん経験しています。
沈黙が長い人が多いですが、しっかりつき合います。
数分考え込んでから話す人もいますが、このプロセスがとても大事でして。
 
 
 
今回は、会話中の沈黙について書きました。
無口で真面目な人ほど慎重に考えます。
沈黙はネガティブなものではないので、しっかり待てるようになることが大切です。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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