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悩み相談にはアドバイスがいいとは限らない

「ちょっと悩んでいて」

と悩みを相談されて、話を聞いていき真剣にアドバイスをしたものの、相手に微妙な反応をされることがありませんか?

 

相手がそれ以上話さなくなったり、アドバイスを聞かずに話し続けたり。

相談されたから真剣にアドバイスしたあなたも、相手もどこかすっきりしない気持ちに。

 

悩み相談をされたからといって、必ずしもアドバイスするのがいいとは限りません。

そのことについて理由とともに説明していきます。




悩み相談に対して、アドバイスがいいとは限らないのはどうしてか。

 

それは、悩み相談の多くはすでにその人の中で答えが出ている、からです。

 

「困ったことがあって」

「悩んでいることがあって」

と一見、相談したい、アドバイスがほしいと思われがちな会話でも、すでに答えが出ている場合があります。

 

その答えに同意してもらうことで確信を持ちたい、後押ししてほしいという気持ちがあります。

 

そのため、表向きは「相談したい」ように見えますが、心ではあなたの意見を求めていないのです。

そこで一生懸命考えたアドバイスでも相手に届かないということが起こるのです。

 

とくに日常会話や世間話をしている中でふと話されるような悩み事には、アドバイスはいらない場合は多いと感じています。

 

 

対応の仕方としては、話を聞いて相手の出している答えに同意してあげるのが良いと思います。

 

その際に相手の中に答えがすでにあるのかどうか、話を聞きながら様子を見ていくということをします。

私が行なっている様子の見方を参考程度に紹介しますね。

 

 

①   共感を示す

 

共感しながら話を聞いていくと、相手のほうから自分で出した答えを話してくるものです。

 

仮に話の途中で

相手:「どう思う?」

相手:「どうしたらいい?」

と直接言われても、

あなた:「難しいのによくやってこられましたね」

あなた:「大変な状況なのに頑張ってこられたのですね」

と、共感しつつもかわしていきます。

そうして、話は続けてもらい、相手から答えが出るのを待ちます。

 

 

②   探りを入れる

 

それまでの話の中で出た、相手が重視している考え、これが答えかなというものを推測して探りを入れてみます。

 

あなた:「○○するのがいいってこともあるかもしれませんね」

と言って様子を見てみると、

相手:「そうなの、私もそれがいいと思うの」

相手:「やっぱりそれがいいよね」 

といった反応が返ってきたら、それが答えになります。

 

ポイントは断定しないでそれとなく言ってみること、相手の反応を見ながらゆっくりとした間で言うことです。

間違っていても修正できるように。

 

 

③   問いかけに同意してみる

 

自分の答えに確信を持つため、後押ししてもらうために問いかけてくる時があるので、同意してみます。

 

相手:「やっぱり○○でいいのかな?」

のような問いかけを会話中にされたら、

あなた:「私もそう思いますよ」

というように返すと、相手は安心し、これでいいんだと思えます。

 

 

これらを行いながら、しぶとくアドバイスをこらえて会話を続けていくと、相手が望む解決の方向に導くことができます。

 

 

 

今回は、悩み相談には必ずしもアドバイスがいいとは限らないという話でした。

 

悩み相談の多くはすでにその人の中で答えが出ています。

答えが出ているかどうかの私なりの様子の見方も説明しました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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