「あなただけじゃない」 孤独や不安を和らげるコツ
今回は、孤独や不安が和らぐ「ノーマライズ」という技法
についてお話します。
なにか悩みを抱えているときに
同じ悩みを抱えている人は、「私一人じゃない」
と思えることで心が軽くなった経験はありませんか?
「このつらい状況は私だけかもしれない」
「私だけおかしい」
と思うと孤独や不安を感じます。
心理カウンセリングの中で
「私一人じゃないんだ」と思ってもらうことで心を軽くする技法について今回は紹介します。
この悩みを抱えているのは自分一人じゃない、
ほかの多くの人もそうなんだ、
そう思えることで安心してもらう技法を
ノーマライズといいます。
たとえば、
自分一人だけがひどい境遇に置かれている、
ひどいトラウマ体験を受けた、
という人に
同じような境遇にいる人が多くいる、
同じ体験をしている人は意外と多いものであると、
知ってもらうことで一人じゃないと思ってもらいます。
対処可能な悩みだと思えてきます。
趣味・趣向が自分だけ人と違っておかしい
と思っている人に
意外と似たような人は多いものであると、
知ってもらうことでやはり孤独感が薄らぎます。
自分に特殊な状況なのではなくてほかの人もそうなんだと、
一般化していくことがノーマライズです。
自分一人だけじゃないと思えると安心感を抱きますし、
他の人が対処できていると知ることで希望が持てます。
自分だけ特殊だと思ってしまうと、
誰かに相談することなく一人で悩みを抱えやすくなります。
とくに子どもの頃や若い人は視野が広くないので、
自分の体験を中心に世界を考える傾向があります。
つらい境遇に置かれていると、
世の中で自分が最も不幸な存在だとさえ思うかもしれません。
私自身も子どもの頃、ぜん息持ちでしたので、
夜中に一人で発作に耐えしのぐことが頻繁にありました。
そんなときにはよく、
「世の中で僕が一番不幸な存在だ」と思っていたことを思い出します。
そんなことぜんぜんないですよね!
あたりまえですけど。
ぜん息に限らず、病気を持ってつらい思いをしている子どもはたくさんいます。
でもなかなかそう思えませんでしたね。
ノーマライズという発想があれば、
なにかつらいこと、自分だけおかしいんじゃないかと、
思うときに自分だけじゃないと思えます。
今はSNSなどでいろんな人の経験を見聞きすることができますので、
うまく使ってみてもいいと思います。
またあなたの周りで孤独や不安を感じている人がいるなら、
このノーマライズという発想で、
その人の心を軽くしてあげることもできます。
今回は心理カウンセリングでも用いる、
孤独や不安が和らぐ「ノーマライズ」という技法についてお話しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師
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