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親子関係のこじれを起こす記憶のくいちがいに注意

人間関係において、お互いの記憶がくいちがっていて、意見が合わないことがありますよね。
それはいったい何なのかという話をします。

記憶というのは、実は不確かなもので、自分にとって意味のあるものが残りやすいのです。


セレクティブメモリと言いますが、選択的記憶と訳されます。

私たちは出来事に対する記憶を取捨選択しています。
すべての記憶を覚えていようとすれば、頭がパンクしますからね。
見たり聞いたり経験したことの中でこれは自分にとって重要だと思う部分が印象に残って、他の部分はいったん忘れてしまうわけです。

日常的によく経験していると思います。
例えば、映画を見たり本を読んだりしても、人によって印象に残っている箇所が違いますよね。
その人の感情が動くような箇所だったわけです。

心が動いた箇所が全員同じだったとしたら逆に不自然ですよね。
違いがあるからこそ、感想を述べあったり、議論ができるのです。

感想を述べあうときには、自分とは違うからといって否定せずにそういう感じ方があるのかと理解を示すことが大事です。


このセレクティブメモリは親子関係の中でもよく見られます

親子間で過去の出来事の記憶が異なっていて、言い合いになることがありますよね。
子どもから過去に親からこんなことを言われて傷ついて今でも根に持っていると言われて、親としてはそんなことを言った覚えがないという具合です。

事実がどうだったかというのは今となっては誰にもわかりませんよね。
人生のすべてをビデオ録画でもしないかぎりわかりません。

子どもにとっては自分の人生を左右するくらい重大なことだと受け取ったのかもしれませんし。
親にとっては子どもが忘れているほかの出来事のほうが強く印象に残っているかもしれません。

事実がどうだったか、誰が正しいのかを追求しようとしても話は平行線をたどるだけです。

大事なポイントは、相手の感情です。

出来事の中のある個所で相手の感情が動いたということです。
事実がどうだったかというよりもその感情のほうを理解するのが大事です。

わかる必要はないと思います。
自分とは異なる感覚かもしれませんから。

それでもそういう感じ方があるんだと理解を示すことが大切です。
相手の感じ方に理解を示すことは、相手を尊重することになりますからね。


人間関係がこじれないようにするには、人は自分にとって意味のある記憶を残しやすい、ということを知っておきましょうという話でした。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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