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後ろ向きな「なぜ」の使い方に注意!

今回は、「なぜ」(WHY)の使い方によって、後ろ向きにも前向きにもなるという話をします。
 

人から「なぜ~なのか?」と聞かれて、なんだか責められているように感じるときはありませんか?
 
「なぜ(ミス)したんだ」
「なぜ(ダメ)なんだ」
という含みがまるであるかのように。
 
「なぜ」(WHY)は使い方によって、このように後ろ向きにとらえられますが、前向きにもとらえてもらえますので、その違いを説明します。



「なぜ」(WHY)を二つの意味に分けることができます。
 
理由(reason)と意図(intention)です。
理由は、因果関係を説明するものですし、
意図は、考えや意向の意味合いがあります。
 
たとえば、期限が迫ってもまだ仕事が終わらない部下に対して上司が、
「仕事が遅れているのはどうして?」(理由)
「なぜ?なにか考えがあってのこと?」(意図)
 
と聞くと返答として、
 
前者(理由)は、「ミスして時間がかかっているから」、「自分の能力が低いから」と答えるかもしれません。
後者(意図)は、「時間をかけて最善のものにしたい」という考えを述べるかもしれません。
 
理由を聞くのか、意図を聞くのかで、相手の受け取り方、反応は異なるのです。
 
 
理由と意図には、あるものが含まれているか否かの違いがあります。
 
それは、「意志」です。
 
意図には意志があり、理由には意志がありません。
 
理由を聞かれると、言い訳、責任逃れをしがちになるのは、「自分の意志ではない」ことを話そうとするからです。
 
先ほどの例
「仕事が遅れているのはどうして?」(理由)
→「指示出しされるのが遅かったから」「必要な資料を与えられなかったから」など。
 
自分の意志ではない、他のことで説明しようとします。
 
 
あなたが相手にする質問が、理由になっているか意図になっているかを、見分ける方法があります。
 
相手の返答が「過去(既存)」のものか、「未来」に向けたものかどうかです。
「過去(既存)」なら理由。
「未来」なら意図。
 
先ほどの例。
 
「仕事が遅れているのはどうして?」(理由)
→「ミスして時間がかかっているから」(過去の誤り)
「自分の能力が低いから」(既存の能力)
 
「なぜ?なにか考えがあってのこと?」(意図)
→「時間をかけて最善のものにしたいから」(未来に向けた考え)
 
 
ここまで「なぜ」の使い方を相手に対するものとして説明してきましたが、当然あなた自身に使うときにも同じことが言えます。
 
自分の行動や結果に対して、理由を問いかけることもできるし、意図を問いかけることもできるのです。
 
過去の理由や要因を追及したいのか、未来に向けた意図を明らかにしたいのかによって、自分で使い分けるとよいでしょう。
 

 
今回は、「なぜ」には理由と意図の二つの意味があり、「自分の意志」が含まれているかどうかの違いがあること、目的に応じて、相手や自分自身に使い分けてみるという話でした。
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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